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毎月リレー投稿 第9回「水中と生理」

こんにちは!
毎月のリレー投稿、9回目は広報担当の島本が担当いたします!
今回のテーマは「水中と生理」です。
「水泳の授業や友達と温泉やお風呂に行きたいときに、生理が被ってしまった時にどうすればいいのか」、「生理中は水中に入ってはいけないの??」
という疑問を持ち、このようなテーマにしました!!


1. テーマ設定の理由

私は、過去に習い事で水泳をしていました。
また、小学校では水泳の授業もありました。
中高はプールがなかったので水泳の時間はありませんでした、、(残念)

小学校の水泳の授業で、女子が数人見学している様子や、合宿や修学旅行での女子の入浴時間が分けられているなど、、生理当事者になる前の私は、なぜ授業を欠席しているのか、入浴時間を分けられているのか理解が出来ませんでした。

しかし、当事者になるとその理由が分かりました。
そして、水泳、お風呂、共通点は水が関係していることです。
「なるほど、生理中は水中に入ってはいけないのか!」
しかし改めて考えると、「本当に入ってはいけないのか?」と
疑問が生じたので、ここで取り上げようと思います!


2. 生理中、水中に入ってもいいの?

生理中って水中に入らない方がいいと言われていますが、
本当にそうなのでしょうか?

私の体験談や友達の経験からでは、
「水泳の時は、生理痛がするときなど、やむを得ない場合以外はタンポンを入れる」「他人を配慮して温泉などには入らないが、1人や実家でのお風呂は湯船に浸かっていた」の2つです。
小学校の時の水泳は、先生に申告して見学、部活や習い事での水泳の時間はタンポンという感じですね。

これは、あくまで体験談ですので、医学的根拠などはありません。
では、以下2項目で詳しく見ていきましょう!


3. 生理中の水泳

では、生理中の水泳って大丈夫なのでしょうか。これに関しては、

〇1989年に日本産婦人科学会が「小児・思春期問題委員会報告書(月経期間中のスポーツ活動に関する指針)
〇2010年に日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会が「「月経中のスポーツ活動に関する指針」(日本臨床スポーツ医学会誌:vol18 No.1, 2010)

として、示されています。

 つまりは、「生理中の水泳は医学的に問題ない」ということになります。
ただ、医学的に問題はないとされていますが、元水泳選手であり「日本水泳ドクター会議」に所属するスポーツドクターでもある産婦人科医の江夏亜希子先生は、「医学的には問題ないけれども、強制はすべきではない。水に入る前や上がった後の流血に配慮すべき」という見解を示しています。つまり、体育の時間などで「生理痛や貧血など体調が優れない場合は休み、そうでない場合は体育に参加してもかまわない」ということになります。


次に生理中の水泳が大丈夫な理由を3つ挙げます。

  1. 運動が生理痛を軽減させる

  2. 水中では経血は出にくい

  3. プールでの感染リスクはほぼない

① 運動が生理痛を軽減させる

生理痛がつらいから1日中動かないのは実は逆効果。動かないでいると下半身の血流が悪くなるため、経血を押し出そうと子宮が収縮して痛みが増すそうです。生理中の適度な運動は、生理痛だけでなくPMSによる気分の落ち込みなどを改善する効果もあるそうです。ただし、無理は禁物です。

② 水中では経血は出にくい

水中では水圧によって経血が出にくくなります。しかし、水から上がったあとは経血が出やすいので、濃い色のタオルの用意や、シャワーをすぐに浴びて、着替えるというような対策が必要です。

③ プールでの感染リスクはほぼない

生理中の水泳に関する疑問のひとつに、水中に出る他人の経血によって、HIVやB型・C型肝炎への感染を心配する方もいるかもしれません。確かに、HIVやB型・C型肝炎は血液や体液を介して感染する病気ですが、専門家の指針によると、塩素などを使用した水質管理がされているプールでは、「生理中の水泳による感染は問題ない」とされています。


4. 生理中のお風呂

では、生理中はお風呂に入ってもいいのでしょうか?

結論からいうと、問題はありません。
清潔なお湯に浸かるのであれば、膣炎をおこす可能性は大変低いです。また、個人差はありますが、水圧で経血も出にくい状態になっているため、お風呂の中が血まみれになることもありません。

ただ、浴槽から立ち上がった瞬間に経血が出ることはありますので、経血量が多い人は、生理3日目までは入浴を避けたり、シャワーや足湯にしたりしましょう。他に、タンポンや月経カップを使うのも一つの方法です。お風呂での経血のモレ、汚れという心配を減らせます。また、生理中は長風呂しても問題ありません。お風呂に入る場合のポイントは「清潔なお湯を使う」、「お湯の温度はぬるくてもOK」です。

また、お風呂の温度に関しては、「ぬるめが良い」、「身体が冷えやすいので熱めが良い」など、説がありますが、実際のところそこまでお湯の温度を気にする必要はありません。

 ここで、温泉や銭湯での利用について触れておきます。「別に問題ないなら入ってもいいじゃん」と思うかもしれません。しかし、公共の場を利用する場合は、利用する施設の注意書き、及び指示に従ってください。生理中の入浴を禁止している温泉や銭湯は少なくありません。もし注意書きがあれば、「絶対にモレの心配ないぞ!」と自信があっても入浴しないでください。また、生理中の入浴が禁止されていない施設であっても、浴場に経血がついたり、湯船に血をにじませてしまったりするのはマナー違反です。


5. 最後に

ここまで、私の経験に基づいて「水中と生理」について述べてきました。毎日お風呂に入り、夏になればプールなどに行く機会が増えると思います。だからこそ、生理中は水中に入っても大丈夫と知った上でも周りの方への配慮も必要になってきます。また、生理痛や症状は人それぞれです。そのため、体育や水泳の授業での見学や参加は、自分の体調を第一にしてください。
 
 そして、私自身、改めて生理期間のお風呂を考えると配慮が足りていないと感じました。生理中になると、やはり自分の体調を気にしてしまいます。ですが、自分の体調もそうですが、他者への配慮も必要だということにも気づきました。これからは、他者への配慮も忘れずに生理と向き合っていきたいです。

参考文献

「生理中の水泳って大丈夫?元水泳選手が伝えたいこと」
インテグロ株式会社 2018年09月14日
https://integro.jp/blogs/blog/swim-on-your-period

「生理中でもお風呂に入って大丈夫?」
ソフィ
https://www.sofy.jp/ja/advice/period-changes/35.html

「月経中に泳ぎたい女性にも、泳ぎたくない女性にも。」
WEZZY 2018年07月10 日
https://wezz-y.com/archives/56407

「小児・思春期問題委員会報告書(月経期間中のスポーツ活動に関する指針)」1989年05月
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/41/5/KJ00001746403.pdf