「エナとリリィ」第2話

「エナとリリィ」第2話

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(学校の教室)

リリィ「おっはよ!エナ」

エナ「おはよー。」

ルード「…おはよ。」

エナ「え!?」

リリィ「ルードだっ!!」

エナ「あんた、学校来たのね。」

ルード「…来ちゃ悪いかよ。(ムスっとする)」

エナ「そんなこと言ってないでしょ。」

リリィ「えへへ。ルードだ。へへへ。」

ルード「…。(少し照れくさい感じ)」

リリィ「それにしても、同じクラスだなんて全然知らなかったよっ!」

ルード「え?」

エナ「いや、私は知ってたけど。(笑)」

リリィ「えっ!?そうなのっ!?教えてよ~っ!」

エナ「知らずに家に行くって言うとは思わないじゃん(笑)」

ルード「…。(小さいため息)」

エナ「ところでさ、あんた学校休んでたけど勉強大丈夫なの?」

ルード「問題ない。俺は授業受けるより自分で予習してる時の方が頭に入るんだ。」

リリィ「すごーいっ!!うらやまっ!!」

エナ「でも、今日は特別授業があるんだよねぇ…。」

ルード「…?」

エナ「魔力の授業。」

(扉が開いて閉める音)

先生「みなさん、初めまして。今日の特別授業を担当するアーノルドです。では、魔力についての授業を始めましょうか。」

チャイムの音(場面転換)

リリィ「授業終わった~っ!!」

エナ「あんた、ちゃんと聞いてた?」

リリィ「聞いてたよ~。よくわかんなかったけど。」

ルード「要するに、人は生まれながらに
誰しも属性を持っていて、その属性と合うものを見つけて、修行をすれば、俗に言う魔法というものが使える可能性があるというわけだ。」

リリィ「ふむぅ…。」

エナ「で、その属性は自分の生まれた日とか人格からわかると。」

ルード「まぁ、定かではないらしいがな。今のところ…俺は地。エナが闇。リリィが光と相性が良いらしい…。」

エナ「修行とかしても絶対使えるわけじゃなくて、あくまで個人の潜在能力によるって。

ルード「でも…俺は割と好きだったよ。この授業。」

エナ「ふふふ、私もよ。」

リリィ「えぇ~…。」

エナ「リリィも小さな事からやってみたら?」

リリィ「うーむ…。」

エナ「あ、絶対やらないわ。この子。」

リリィ「えへ。」

ルード「まぁ、やらなくてもいいけど。
それだと、ひとりだけ除け者になっちゃうかもなぁ~。」

リリィ「えぇ~っ!?ひどおぉっ!!」

エナ「そう思うんなら、ちょっとやってみたら?」

リリィ「…わかったよ~。」

(エナの家・場面転換)

エナ「ただいま~。」

エナのママ「あぁ…おかえり、エナ。」

エナ「今日さ…魔力の授業あったんだ。」

エナのママ「…知ってるわよ。」

エナ「えっ!?」

エナのママ「プリントに書いてあったもの。」

エナ「…。」

エナのママ「そんなにいいもんじゃないわよ…魔法なんて。」

エナ「いいのっ!私はやりたいのっ!!」

エナのママ「…(ため息)。わかったわ。あなたがやりたいならいいわよ。」

エナ「ホントっ!?」

エナのママ「ただし、他の事も疎かにしない事!そして…なにより、危ない事だけはしないで。いい??」

エナ「うん…ありがとう。」

(エナの部屋・夜・場面転換)

エナ「…よし。ママもああ言ってくれたし、頑張ろうっ!!」

エナ「私は闇…闇属性と相性がいい。そして、魔法の基本は自分の属性と身の回りの自然の力に共鳴する事…。それが大事。」

エナ「あ、そうだ…。ちょっとベランダに出てみよう。」

(窓を開ける音)

エナ「寒っ…まだちょっとひえるわね。」

エナ「…あ、星、綺麗…。」

(少しの間)

エナ「(こうして夜の中にいると…なんだか落ち着く…。張り詰めた空気。木々が微かにざわめく音。静かなこの夜の闇に身体が溶け込んでいくような…そんな感覚。)」

エナ「(ずっとこうしていたい。)」

(少し長い沈黙)

エナ「…あれっ!?今、どのくらい経って…
へっ…へっくしゅっ!!」

エナのママ「…まったく、血は争えないわねぇ。」

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