メモリアルである

私が平日の昼間に昼休みと称してカップラーメンをすすりながらネット将棋での対局をしたりしなかったりを始めて苦節何年経っただろうか。

早ければ今週中にもついに大台の1000敗を達成しそうである。
これを私は心から誇らしく思っている。

負け犬の遠吠えと思われるならそれでも全く構わないが本人としては大真面目に言っている。

一言で1000敗と言えば簡単だがその全ての負け一局一局が
心から勝ちたいと願い、見苦しく喘ぎ倒し、しょうゆ味だったんだか味噌味だったんだかもわかんなくなる程に勝負した結果、力尽きていった棋譜なのだ。

私は1000敗したのではなく、1敗を1000回したのだ。
そして1000回負けたということはつまり私は1000回歯ぎしりをしながら
倒れ、立ち上がり、立ち向かい、また倒れたのである。

将棋がなければ私は人生で1000回も真剣勝負に敗れ、また立ち上がると言う経験はなかったであろうことを考えると心から誇らしいとという気持ちと同時に、将棋への、そして実際には一生出会うことのないであろうインターネットの向こう側で同じように真剣勝負を受けてくれるライバル達への感謝の念に堪えないのである。

いつもインターネットのこっち側で舌打ちしてごめんね。

あと、たまにいるチャットで暴言吐いてくるやつと、投了しないで時間切れ負けしたり閉じて終わらすやつ、お前らには言ってないからな。ユーザー名覚えてってからな。
俺が王手放置で反則負けするのはほんとにうっかりだからな。わざとじゃないからな。ごめんな。

早まるのは待って欲しい。
冒頭に書いたように私は
「早ければ今週中にも」1000敗を達成するのであって、まだしていないのである。
無論、1局たりとも負けようと思って指してはいないしひょっとしたらこのまま勝ち続け1000敗を達成しないまま100万勝する可能性だって、あるにはあるのである。
もっとも実力的にクソな以上、神がかった幸運に頼らざるを得ないのとそのような幸運に恵まれるのであればできれば宝くじが当たって欲しいとは思っている。

このように現実的に考えると間違いなく1000敗はもうすぐ達成されそうであるが、これは目標ではなくあくまで結果である。

1000敗までの残り数敗、序盤で手がなくなり焦れて暴走して負けるのか、イケる!と踏んだ結果暴走して負けるのか、大優勢の将棋を大事に行き過ぎて逆転負けするのか、一直線の攻め合いで競り負けるのか、うっかり王手を見落として負けるのか、その他私の多種多様な敗局のバリエーションの中からどのような引き出しを使って負けるのか我ながら楽しみである。
ひとつ言えるのは手痛く負けても何度かの舌打ちと歯ぎしりをした後、私は次の一勝のためにまた立ち上がり立ち向かう、ということである。

最後に自身の名誉のために書いておく。
このように自分を卑下し、再三に渡って己の将棋の弱さのみをクローズアップしているが、いや本当に嫌になるほど弱いが、通算でいうとちょっと勝ち越してるぞ。1000敗の前に1100勝を達成できるかも!くらいには。


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