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プロフェッショナルシリーズ #1~保育士

こんにちは、パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
今回のnoteでは、職業別のパフォーマンスビルディングの話をご紹介します。
先日ご縁あってとある保育園で、保育士さん向けの講習会を行いました。
「保育士」のみなさんは言うまでもなく、子どもの保育をする方々。
これがびっくりするぐらい重労働な職業です。
その理由、そしてパフォーマンスビルディングのポイントをお話したいと思います。


1、保育士が重労働である理由

それは一重に「物理的に小さい子どもが相手である」ことです。
小さい子どもに接することで、常に前かがみになる。そうすると背中も丸まり、腰や肩、首周りの不調も起こしやすい。
そして、泣いている子どもがいれば抱っこをし、そのまま空いている片方の手で作業をする。
おんぶをしながら、前かがみでしゃがんでおむつを替える。
このようなハードなことを日常的に行っているのです。
ゆえに、体に痛みを抱えている方が非常に多い印象です。
今回の講習会の事前アンケートでも90%以上の方が何かしらの痛みを抱えているとの回答でした。

猫背は諸悪の根源!まさしくこんな表情になってしまいます…
こうした動作を日々繰り返します
抱っこだって重労働!
ちなみに3歳0~6か月・女児の平均体重は13.59kg(厚生労働省より)
➡市販のお米はだいたい5kgですから2~3袋分…  

私も育児をするまでリアルに実感できていませんでしたが、育児は本当にハードな肉体労働です。
それをお仕事として毎日のようにされている保育士さんはある意味アスリート並みに体を酷使していると言っても過言ではありません。

そして、保育士は女性の比率が高い職業です。
一般的に筋力に恵まれている男性のように力でカバーすることが困難です。
その点も考慮してどのようなアプローチをすることが有効なのか、先日の講習会のレポートも含めてご紹介します。


2、パフォーマンスビルディング3つのポイント


①    日々のリセットをする
体にとって大きな負担となる「前かがみ=猫背」の状態。
こちらの記事も参照いただければと思いますが、猫背は人間の体にとって
なんのメリットも生み出さない限りか、様々な痛みの原因になります。

また猫背になることで、体幹部もうまく働かず体を支えにくくなります。
そのため、抱っこやおんぶの際に過度に体に負担をかけることにも繋がります。
忙しいお仕事の合間に5分でよいので猫背をリセットする習慣をつけることが肝要です。
今回は短時間で効果を出せる方法が良いと判断し、ストレッチポールを
使った体のケア、リセット方法をご紹介しました。

猫背の弊害を体感しています


頭痛が起きる理由を説明中


②リセットしたことを定着させる

今回は時間の都合でここまで至らず~でしたが、リセットした体を
良い状態で定着させるようにエクササイズを行います。
これも難しい、ハードなものではなく、忙しい日々の合間にパパっとできるものを。


③予防をする
一番大切なことはここ。
猫背にならない、痛みを出さないために、「体にとって効率良い動作を覚える」こと。
子どもが相手だということは不変ですからね!
前かがみになる際に、どのような動きをすれば、自分の体にとって
負担のない動きができるのかを覚えること。
「職業動作の改善」が最大のポイントです。
日々の仕事中に何度も何度も繰り返す動作を改善することが、痛みの予防に繋がり、さらに抱っこの際に効率良く力を使えたり、床から立ちがる際も膝に負担をかけずにスムーズに立ち上がることへも繋がります。
何事もそうですが、痛みが起きてから対処するのではなく「痛みが起きる前に予防すること」これが一番大切なことです!

職業動作の改善をお伝えしています


3、見込める効果・影響


何よりも保育士さん自身にゆとりができることではないでしょうか。
自分の体に痛みがあったり、辛いのに人のお世話をするって本当に大変です。

そして、皆さん保育のプロフェッショナルですが、さらにパワーアップして子どもを見守っていただくことができる。
保育士さんも子どももwin-winです!
また生涯のキャリアの中で、より長く保育士という職業を続けることもできますね。

今回の講習会の事後アンケートでも、皆さんから「肩甲骨の周りがすっきりした!」「気持ちよかった」等のお声を多々頂くことができました。
また、私が嬉しかったのは、「体幹が弱いかもしれない」「体が偏っている感じがした」等々のコメントです。
実際に今回の講習会は時間の都合もあり、本当に大切なことをシンプルに盛り込んだ講習会だったのですが、あの短い時間の中でも保育士さん達がご自身の体に目を向けるきっかけになっていたことがとても嬉しい。

忙しい日々の中で、なかなか自分の体にゆっくりと目を向ける機会が多くはありませんが、少しずつでもメンテナンスをすることと合理的な職業動作を習得することが大切です。

適切なアプローチをすることで、体は必ず変わります。
怪我や痛みに困らず、保育士としてより良いパフォーマンスを発揮できますよう。


4、おわりに


今回は、プロフェッショナルシリーズの第1回をお届けしました。

私は普段はスポーツ分野のクライアントさんが多いのですが、スポーツだけではなく、体を使う全ての方々のパフォーマンス向上に貢献したいと考えています。
スポーツや音楽など、非日常を彩るパフォーマンス。
職業や育児・家事・介護等々は日常を支えるパフォーマンス。
そのどちらも大切だと思います。

怪我や痛みの予防を前提に、それぞれのクライアントがより良いパフォーマンスを発揮できる社会をつくりたい。
そう考えている私にとって、今回はとても良いご縁を頂きました。

プロフェッショナルシリーズ、これからもまた続けていきます!


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