見出し画像

体のトリセツ #1~体を繋がりで考える

こんにちは、パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
今日は「体の取扱説明書」についてお話してみたいと思います。
家電などを購入するといわゆる「取説」がついていて、使用方法や注意等が記載してありますよね。あの「取説」の体バージョンです。
前回の記事にもこの単語を使いましたが、私もパフォーマンスビルダーの仕事をするにあたって、この「取説」に則って物事を考えています。具体的に私の「体の取説」にはどんなことが書いてあるのか、今日はその冒頭部分をご紹介させてください。


1,体の取扱説明書~体を繋がりで考える

まず私の取説には「体を繋がりで考える」というページがあります。
ここが取説の最も核になっている部分かもしれません。
シンプルに考えて~、例えば歩くという行為。
歩こうと思って足を踏み出すと、自然と手も動き、更に自然と反対の足が前に出て…というように特に深く考えなくても自然と歩みを進められると思います。
(反対にすごく緊張したり、深く考えてしまうとぎくしゃくした不自然な歩みになってしまいますが笑)
この歩くという例からわかるように、人が動く時には体のどこか一カ所だけが動くのではなく、「必ずどこかと動きが繋がって」います。
考えてみれば、当然なことなんですけどね!


2,実験してみましょう

ではここで皆さんの体で実験してみましょう。
まずイスに座った状態、もしくはあぐらをかいた状態で、自分の骨盤をぐっと丸めてみましょう。そうすると自然と背中も丸まり、頭が前に出るような状態になります。

トリセツ体8

画像引用:クライマーズバイブル(上巻19ページ)

今、皆さんは背中を丸めようとしたわけではないと思うのですが、骨盤の状態を変えると、その上についている背骨も連動して勝手に丸まってしまうのです。

さらに、もう一つだけ続きを。
この状態で、手を上にあげてみましょう。
なんだか腕があがりにくくないですか??
逆に骨盤を真っすぐに起こして手を上にあげてみると、すごくあがりやすい感じがしませんか??

トリセツ体1

画像引用:クライマーズバイブル(上巻25ページ)

私は初めてこれを体感した時に「おおー!」とキラキラしてしまいましたが(単純笑)、皆さんはどうでしょう?!


3、 実験結果からわかること

「骨盤の状態を変えると、連動して上半身の状態も変わる」ことが発見できます!
そう。
やはり体は繋がって動いているんです。
このシンプルなことが取説の一番最初に書いてあることです。
ちなみに、今回取り上げた骨盤の例ですが、やはり体の中心部に位置しているだけあって、骨盤の状態は体に対する影響力が大きいということでもあります。

余談ですが、デスクワーク中の骨盤の状態をサポートしてくれるような商品等もよく目にしますよね。


骨盤が丸まってしまうと背中の筋肉が緊張しやすくなり、腰痛の原因になったりします。
自分の体重の約10%(50kgの人は約5kg)はあると言われている頭を支えるために、首の筋肉が過度に緊張して首の筋肉のはりが発生したり、その影響で頭痛が生じたり…とちょっと探ってみただけでもこれだけのデメリットが列挙できます。深堀すればもっと出てきますよ!悪魔がわるーい顔してニヤニヤしてます。それくらい骨盤の影響力は大きいということです。

つまり、
「骨盤の状態は肩や腕にまで影響を及ぼしている」
これまた取説には太字で書いてあります。

身近なことで考えると、しつこい肩こりの原因が骨盤にあったりするわけです。野球のピッチャーのように、肩を酷使する競技の選手の怪我の原因が骨盤の状態にあったり、前回のオリンピックで一躍有名になったハネタクこと羽根田卓也選手のやっているカヌーのように上半身で力を出すような競技の際には力の発揮能力に差が出たりするわけです。もう少し幅を広げてみてみると、歌舞伎役者の皆さんが総重量30キロともいわれる衣装を身につけて演じる際や、一日何時間と座って練習をするピアニストの体への負担等々も想像すると骨盤の影響力やあなどれません。

と、この例からもわかるように

「体はその話題となる場所だけではなく、必ずどこかと連動しているため、体を一つの繋がりとしてとらえて、考えていくことが大事だ」

とまとめられています。
クライアントさんの体を前にした時に、「さてさて、このクライアントさんが抱えている問題の本当の原因はどこに隠れているのかな~」と体の状態を確認したり、クライアントさんの話を聞きながら問題の核心を探すのがひそかな楽しみでもあります。

そしてその核心はその人のパフォーマンスを向上させてくれる「伸びしろ」でもある。
核心を基に伸びしろを提供する、パフォーマンスビルダーの仕事の大きな楽しみとやりがいです。

4、 おわりに

今回は、まず取説の一ページ目に書いてあることをご紹介させてもらいました。
骨盤の例は、コロナ禍でデスクワークが増えている皆さん、もしよければ自分の骨盤の状態を確認してみてくださいね!
また「3 実験結果」の中で、いくつか例をご紹介させてもらいましたが、

「体のパーツは必ずどこかと連動している」

この取説をふまえて、これから少しづつスポーツの話、音楽や芸術の話、そして日常生活の中でのちょっとしたことを取り上げてお話させてもらえたらと思っています。


画像引用:見出し「PIXABAY

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?