見出し画像

体のトリセツ #3~黄金の三角形

パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
今回は取説第3弾、黄金の三角形です。
これはですね、至ってシンプルな話なのですが、とっても重要な話なので熱くお伝えできればと思います。アスリートのように特殊なパフォーマンスを日頃から行う人々にとっては「財宝に値するトピックだ」と考えているが故に、黄金の三角形と(私は)呼んでいるのです笑。
(ちなみに、この名前は一緒にクライマーズバイブルを作成したとある社長さんの命名です。さすが!! こんなチャーミングなお名前を付けていただき感謝感謝です)


1、黄金の三角形

この「黄金の三角形」、具体的に表現すると骨盤の状態のことを指しています。骨盤と背骨は連動しているのですが、その連動を司る司令塔がこの骨盤の中枢部分にあります。その部分を黄金の三角形と呼んでいます。

背面から見るとちょうどこの辺りです。(尾てい骨からウエストの後ろあたりにかけて)

トリセツ黄金

トリセツ黄金2

画像引用:クライマーズバイブル(上巻25ページ)

クライマーさんの場合はこんな感じですね。
この黄金の三角形が丸まってしまうことで人間の体の機能は著しく低下してしまうのです。
     ※体のトリセツ参照



2、財宝である所以

体の取説「#1~体を繋がりで考える」の中でご紹介しましたが、この骨盤の状態が人間の動きの質を決めると言ってもいいほど重要なものだからです。
簡単に言えばどんな状況でもこの骨盤の状態が良いと、怪我をしにくく、より良い動きを生み出しやすい。
ちなみに、この黄金の三角形の写真をいくつか。
これは今話題の大坂なおみ選手、そして私が拝見する中でとてもきれいな動きをしていると感じているサーフィンの松田詩野選手です。

<大坂なおみ選手>

画像3

私はこの写真が大好きです。
体の太いところ(体幹部)は太く、ふくらはぎや腕など細い部分は細く。
それは普段から使うべき部分を使っているという証でもあります。
そして「ボールを打つ」という、いかにも力んでしまいそうな場面でも肩に力が入らず、リラックスしているようにすら?見えるこの状態。
この写真は何度見てもウットリしてしまいます。

トリセツ黄金4

トリセツ黄金5

トリセツ黄金6

トリセツ黄金7

画像引用:shutterstock


<松田詩野選手>

松田詩野選手Instagram

この動画の手(特に左手)の動きが素敵です!

インスタグラムには動画も上がっていますが、体が連動していてなんと素敵な動きの多いことか!特に彼女の手の使い方が魅力的だと思います。

このお二人は実際のプレー中に黄金の三角形が丸まりにくく、良い状態でいることが多いのです。
ただ座っている、立っているだけであればこの骨盤の状態が良い方は多くいますが、スポーツのように特殊な動きをする中でも良い状態を保つことが難しいことです。もちろん誰が優れているというような話ではなく、この骨盤の状態が良いということが選手には大きな影響力を与えているということです。

今回写真を拝借しましたので、例えばテニス。
この黄金の三角形が機能していることで、フットワークが良くなります。体の重心が常に自分の中心にあり、前後左右に振られる相手の攻撃についていくフットワークの質が高まります。また常に重心が自分の中心にあることで、フットワークの先にあるショットも正確で、体重が乗りやすくなります。また、このフットワークをモノにすることで、大会を戦い抜くための「疲労感」に差が出ます。黄金の三角形が機能しているフットワークは、
ふくらはぎや太ももなどの疲労をためにくいのです。テニスの大会は、基本的にはトーナメント制であり、何試合もハードな試合を積み重ねていくタフさが求められます。しかも上位に進出すればするほど相手も強くなり、より厳しい試合展開を求められる。そんな中で試合中に何度も繰り返すフットワークの質が、選手の疲労・タフさを決めると言っても過言ではないのです。

お次は、サーフィンの例を。
これはひとえに、サーフボードとの一体感を挙げることができるでしょう。
サーフィンに限らずスノーボードにも似た部分がありますが、いかにボードを上手に使いこなすか。波や雪面など自然が作りだすサーフェスは、陸上競技等で使用するトラックのように常に一定ではありません。その接地面(波や雪)をうまく捉え、その衝撃を吸収しながら華麗な技を繰り出すか。自分の思うタイミングでボードを動かし、使いこなすことが求められます。特殊なサーフェスと言う点では、スケートやスキーなどの冬季競技全般に言えることでもあります。また、黄金の三角形が機能していることで、手の使いやすさが圧倒的に変わります。サーフィンのように不安定な場所での競技の場合、手は体のバランスを取る大事なギアであり、ボードを操作するための操縦桿のような役割も果たしているのです。

このようにちょっとその競技を取りあげてみても、その影響力や計り知れません。あくまでここに出したのは一例にすぎず、その競技ごとに何十ページも記事を書きたいくらいです!

大切なことは、ただ「体が強くなる」だけではなく、防げる怪我を予防し、いかにパフォーマンスを構築するか。

野球のピッチャーの怪我の理由が骨盤にあることがあるとも書きましたが、ということは怪我の予防の観点と、パフォーマンス構築の観点両方のポイントが黄金の三角形に隠れている可能性があるということ。
またテニスの例で見れば、黄金の三角形は優秀なマッサージ師さんの機能を果たしているという考え方すらできると思います。足に負担の少ないフットワークは筋肉をぷるぷるの柔らかい状態に保ちやすくしていくれるという働きがあるからです。


3、おわりに

実は、今日の取説の話ってアスリートに限った話ではないんです。
音楽や芸術、芸事など日常生活から離れた特殊なパフォーマンスをする方はもちろん、日常生活にも大きな影響があるんですよ!(実験したように、意外と肩こりの原因は黄金の三角形だったりします)
デスクワーク、建築現場、立ち仕事などの様々な職業的な特徴、そして家事や育児、介護時の動作など様々な場面で大きな影響力を発揮します。
「黄金の三角形」は一部の特殊な人だけのものではなく、全ての人々にとってのお宝になりうるのです。
これからまた少しづつ、その黄金の三角形のお話をお届けさせてくださいね。


画像引用:「PIXABAY」   

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?