子のはなし

こんにちは。

2019年3月、まだ終わるな！と息切らすぼくです。

最近多いですね、子ども産まれた親が。
あいや、生まれたが故の親でした、失礼しました。

ぼくの後輩でも先日子どもが生まれたゴツゴツ大猿、岩成分多めの孫悟空よろしくみたいな奴がいるんですがガキ抱いた顔みたらすっかり親猿の面構えになってました。

そんなもん見せられたらぼくも親を名乗りたいぞ！ってことで本記事内で擬似親として過ごすことにしました。

活字の中でぼくの育児を見て心の母乳をどくどくと抽出してくださいね🤱

かあいいでちゅね〜。どちたのかな〜？おっぱいのみたいの〜？はいはいなかないよ〜。

ぼくはおもむろにシャツを捲り上げ、たわわに実った乳房を我が子の眼前に放り出す。

おいちいでちゅか〜？いいこでちゅね〜。たくさんのみまちょうね〜。

生まれて間もない我が子は一心不乱にぼくの乳房の突先を頬張り母の愛にむしゃぶりつく。

あら〜？おなかいっぱいになったらねむくなっちゃったかな〜。かあいいでちゅね〜。

恍惚とした表情を浮かべるか弱き存在を心底愛おしく思いつつ、子の背中をトントンと一定の拍で叩いてやると胃の中の空気が押し出され小さくケフっとゲップをした。

たくさんのんだからそろそろおねんねしましょうね〜。いいこでちゅね〜。

幾ばくかの時間の後、我が子は深い深い眠りの淵へと落ちていった。愛おしい。なんと儚く汚れなき寝顔だろう。今にもこぼれ落ちてしまいそうな光の玉のような我が子、私は少しだけ強く抱き締める。・・・愛おしい！

あれから50年の月日が流れた。私も今年で78歳になる。そして今日は息子の50歳の誕生日だ。息子は真白なバースデーケーキの前、揺れるロウソクの炎をただじっと見つめている。

どちたんでちゅか〜？ケーキでちゅよ〜？

息子は動かない。ただじっと炎を見つめている。

どうちまちた〜？だいすきなあまいあまいでちゅよ〜？

息子はこちらを見つめ一言。あうあうと言葉にならない声を上げる。

おなかいっぱいでちゅか？ひかるく〜ん？

ひかる、おめでとう。

画像は光です。

おわり。

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