表現と印象 例えば「かっこ良い」について

自分で文章を書いたり、人様のお書きになったものを見ていて、同じ言葉を使いながらも印象の違いを感じたりするものです。例えば「かっこ良い」という表現。表現のタイプによって大分印象が違う。使い方から感じる印象を考えてみよう、と言うもの。

・かっこ良くない?

「かっこ良い!」と言われるの待ちの表現。かっこ良い確固とした基準があって、書き手の基準を軽く押し出している表現と言える。だったら、なぜ「かっこ良い!」と言わないのか?自分の選ぶものに自信がないからなのか、共感を煽っているのか疑問文で終わる。少々表現としては弱い印象がある。

・かっこ悪くはない

かっこ良いと言ってしまうと、なんだか自分がダサい気がしてしまうモノを対象にしている時の表現。しかし、気持ちとしては「アリだな」と思っている。全体でなく、そのモノの一部を評価している表現でもある。二度見感があったモノにも使える。が、表現としては少々まどろっこしい。いくつか込めた気分を一言で終わらそうとしている印象がある。

・カッコイイ!

感情主導の表現。理屈ではない。私が思っているかっこ良いはこれです!と言っている。理屈が無いので少し頭が悪そうな印象がある。が、エモーショナルには説得力がある。とりあえず言ってみることで、こんな事でもかっこ良いって言えるボク(アタシ)の幅の広さを見てくれ!というイヤらしい表現に見えることも。

・(俺のナイフ的なものが)刺さる

類似語に「(俺のナイフ的なものが)リーチする」がある。マーケティング界隈に見られ、良く指し合いについて語られる。刺すとカッコイイ、名誉だ。刺された方も「刺さったー!」と嬉しそう。もはや経済用語ではないのか。

・クラッシャー バンバン ビガロ

身体からあふれ出る闘気が炎になったコスチューム。炎だから「burn」なのか、マットに叩き付ける感じが「Bam」なのか、日本語にすると「バンバン」になる所がダブルミーニングのカッコ良さ。使い方としては「お手元の書類をクラッシャーバンバンビガロください」など。

・ジャパニーズ ジョリー ジャックス

2人組の日本の妖気な男たち。足にちりばめられた金のフリンジが素敵。陽気を容器にしまってしまい妖気しか出せないが、紫と金のカラーリングとマッチョな肉体は一時の需要期があった。もう見る事が出来ないカッコ良さ。使い方としては「ご注文を繰り返します、チーズハンバーグセット、マルチーズのサラダ、ジャパニーズジョリージャックス、以上でよろしいでしょうか?」

かっこ良いと言いたいなら、かっこ良いと書けばいいのに…と思っただけ話であった。

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