ありよりのあり
彼は言葉少なだけれど、意思表示はしっかりする。
時差のある遠恋になぜ付き合ってくれてるのか、未だに分からないことの方が多いけれど、いずれは体の関係を持ちたい、のだそうだ。
俺は男だから、ね。君はどう。
だからと言って、セフレがほしい訳じゃない。つまり、恋がしたい。
いくらなんでも率直すぎませんか?(そこが好きなんだけど)
そこまで考えてなかった。(全然じゃあないけど、まだ会って2日で普通いいって言わないんじゃ?)
考えさせてくれる?(いつok出そうかな。でも怖い気もする。待ってもらおう。)
元彼はかなり年下だったから、油断していた。
僕は下心なんか全くないけど、友達がほしい。
それから体の関係になるまで、あっという間だった。
今の彼とは、少しずつ縮まる距離を、ゆっくり味わいながらLINEで言葉を交わす。彼は一線を超えて来ない。LINEは道具であって目的ではない、そうだ。
元彼はいつもダダをこねた。そういう内容の話をしたい。君が好きだから。
私はそういうの苦手(怖い、何をどうしてほしいの?)
いつの間にか、徐々に慣らされ、少しなら付き合うようになった。
元彼のことを無邪気でかわいいとさえ思えた。
別れてからも、元彼が恋しかった。怖い思いをさせられても、忘れられない肌の感触や声。二人でたくさん笑った、短い二人だけの時間。
以前なら全く受け付けられそうになかったことも、今なら受け止められる。
成長したのだと勘違いした。
だだ慣れてしまっただけだと、今なら分かる。
今の彼とは、一緒に同じ方向に歩いて行くのだ。同じ間違いは二度としない。
彼はLINEでデートする度に、今度会ったらと約束を取り付けようとする。率直な質問にドキドキしながら、曖昧な返事を返す。
(好きだってもう一回言ってくれたら、いいって言うのに。)
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