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休日に野湯にいく

大学を卒業してからちょこちょこ会う「ざわ」という友達がいる。

具体的にはわからないが、今年の春頃から山に登りに行こうという計画があり、しばしば連絡を取り続けてきた。ただ、なかなかお互いのスケジュールが会わず、夏前にいこうと言う計画が夏になり、更にその計画が秋になってしまった。

大学のときは思い立ったらすぐにリサーチをして登山計画をつくって登っているようなノリだった。だからこそ、何度も流れたけど、どうしても会いたい友達でもあり、そんな友達と行くなら"普通じゃない場所"に行きたかった。

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みみず 「場所はどうしようか?」

ざわ  「前から妙高に行ってみたかった」

みみず 「実はボクも」

ほぼこの会話のラリーで場所が決まった。今回の旅は『新潟県妙高市』だ。

あんまりこういう言い方もおかしいかもしれないが、このときには今回の旅がいいものになるようにすべて調整されていった気がする。


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それから妙高について調べていくといろいろあることがわかってきた。

ただ、その中でも"野湯"という単語に目が惹かれた。

普通じゃない場所に行きたかったボクらにとって「待ってました!」と言わんばかりの場所が見つかる。

今思うと普通じゃない場所に行きたかったのはボクだけだったかもしれない(笑)ただ、ざわにも興味はあったし、大学時代のときからアドベンチャー枠だったボクにとって面白いと思ったら実現可能な計画に落として説得するのが恒例になっていた。ざわもその辺はボクとじゃなきゃ絶対に行かないような場所だったから面白がってくれて"野湯"に行くことに...


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野湯に行くために車で前泊をして朝イチで山に登ることに。
ただ、そんなに山の上でもなくて、歩いてせいぜい1時間くらいの場所にあった。
ただ、ここで問題発生。どうやら行くまでの道がなくなっているらしい。

その辺がハードモードだった。事前に登山地図を見まくったり、いろいろなブログを調べたりとその野湯に行く方法をいろいろと調べてどんなこと装備が必要なのかや実際に行けるのかを調べた。
調べてみるとどうやら非公式な管理人がその野湯を整備しているらしく行けば入れることがわかった。


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ざわと合流し登山口の前で車中泊。
朝日と共に動き出す。

少し薄暗い時間から歩き始めたので少しづつ明るくなっていく。
明るくなってくると紅葉がまさにピークなのがわかる。夏の初めに行くのが秋まで延期になってくれてよかった〜と話しながらざわと歩き続ける。徐々に道がなくなっていき、野湯の入り口まで近づいてくる。

途中、橋が落ちていて行けなかったりと難所はあったが着々とちかずいてきていた。

しかし、途中から野湯の入り口は存在せず、鎖場があり、川におりて登っていくルートになった。
川沿いを登るのは結構険しい。場所によっては濡れててかなり滑りやすく、慎重に登っていく必要があった。大きな岩もあって登れない場所もあれば途中まで行ってここは行けないから引き返そうということも多々あった。

そんなこんなで登っていくと滝が見えてきた。思わずテンションが上がる。情報によると滝の下にあるというのは知っていた。もうすぐでここ3年、ほとんどの人が入りに行けなかった野湯がある!

滝が間近になり、すこし岩肌が屋根のように覆いかぶさっている場所にあった。明らかに、川の水とは違った水色をした温泉がある。

コレしかないと思いつつ、温泉の温度がどれくらいなのか近づいて触ってみると温かい!
早速入るために川を挟んだ広い場所で荷物をおいて服を脱ぐ。なんともワイルドだ。人がいれば通報間違いなし。ちょっとしたスリルである。

温泉のそこが見えないくらいの白濁した水色なので恐る恐る足を伸ばす。
しっかりと管理されており、そこはとてもきれいになっていた。そのまま腰をおろして、顔を上げる。
目の前に滝。見渡せば紅葉をした山。温泉に使って眺めている。極楽とはこの事を言うんだと来た道を思い返しながら浸かる。

そのうち外の気温が寒いので出れなくなって、温泉の中でコーヒーを入れて飲み始めたり、これからの頂上まで行くかなど話したり、ゆっくりした最高の時間になった。
友達と一緒に帰りを考えるといつまでも入っていそうだったので無理やりでる。

「さむっ!」と言いながら冷たい水の流れる川を渡る。

とっても素敵な時間だった。
その後は、頂上まで行きたくなくなってしまってそのまま温泉めぐりをすることになり、妙高の温泉を一通り回った。

帰っても1週間くらい鼻から硫黄の匂いがとれなかった笑


温泉からの滝


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