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そらとくもとはね

建物を出ると重たい雲が広がっていた。それなのに、今出てきた建物には青空が反射している。
通り雨だな、と思った。

通り雨が来るということは虹が出るはずだと心が弾んだ。

ちょうど雨の進行方向に沿って出かけるところだったので、これは面白いなと歩き出した。

自分の空の上だけに雨が降っている。
後ろを振り返ると、雲がおってくる。
前方は、青空。
漫画のような事態に陥ったな、と笑いをこらえていた。

歩きよりも雲のスピードが速かったようで徐々に雨雲から追い越され、頭上には雨雲の残り雲が広がった。
ふと後ろを振り返ると、ぽっかりと真ん中に青空を迎えた雲があるのが見えた。
思わず写真を撮る。

雨上がりの空は、雲と青が色んな表情を見せてくれるので好きだ。
早く写真を撮りたくて、用事をすぐ済ませるべく目的地へ急いだ。

用事を済ませて歩き出してみると、前方に青空が見えた。
そして、後方にはぽっかりと浮かぶ白い雲が。
白い雲を真正面から撮りたくて、ずんずん進んだ。
背中に羽が生えた心地だった。
空も飛べるんじゃないかと本気で思うくらいには青空と雲に突き動かされた。

心の底から、空が好きなんだな、と実感した日になった。

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