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「かわいい」は罪 ――カワウソの問題――

現実に、ネットに「かわいい」という言葉が溢れかえる現代。しかし、その「かわいい」は巡り巡って大きな悲劇を引き起こすこともある。

私はたまたま、このアデリーさんの動画を見ていた。

結構長いが、それに見合うだけの内容が含まれている。
動物園で「かわいい」「あざとい」などと言われ、つぶやかれるコツメカワウソ。しかし、彼らの違法取引が問題になっている。しかも、日本との違法取引が、だ。
水族館や動物園に行けば、必ずと言っていいほどコツメカワウソがいて、彼らのじゃれつくような仕草を見ることができるだろう。だが、彼らについて、私達はどれくらいのことを知っているのだろうか。水辺にいる? 日本では絶滅した? せいぜいそのくらいなのではないだろうか。私もそれ以上のことは知らなかった。
コツメカワウソはペットに向いていない。詳しくは動画を見てほしいが、そんなコツメカワウソをペットにしてしまう人もいるのだ。しかも、違法取引されたものと知らずに。
なぜペットにしてしまうのか。それは、私達の日常の行いにある。
メディアは、コツメカワウソのかわいい面ばかりを強調して報道する。そして、それを見た私達は「かわいい」と思いツィッターなどにつぶやく。こうして、かわいいは伝染する。メディア以外にも、動物園や水族館に行った人が「かわいい」という文章とともにコツメカワウソの画像をあげる。それを見た人は、切り取られた、「かわいい」だけのコツメカワウソしか知らない。かわいいがファッションになってしまい、そこにいるはずの動物のことが忘れ去られてしまっている。

ネットで自分の意見を簡単に言えてしまう時代。しかし、簡単に言えるからこそ、そこにある責任も忘れてはいけない。「かわいい」とだけつぶやくのは、罪なのかもしれない。
動物は自然にいるからこそ、かわいいし、かっこいい。と、私は勝手に思っているが、全員がそうとは限らない。私もペンギンが好きでよく「かわいい」と言っているが、結局ペンギンのことを周囲に何も伝えられていないのかもしれない。
情報発信する側も、ネットに載せる前に自分に責任があることを一度立ち止まって考えてみるべきだろう。

最後にコツメカワウソの紹介の動画を載せておくが、なるべく最初の長めの動画を、ラジオ感覚でよいので見て(聞いて)ほしい。

動物に少しでも関わる者として、動物の良い面だけでなく悪い面も伝えていく必要があると思った。

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