私、あなたのこと好きよ。

私が勝手に、東京のおばあちゃんとして慕っている、とても上品で優しいご婦人がいます。

着こなしもいつも素敵で、振る舞いやお話のされ方などから気品が漂い、素敵だなぁ、といつも思いながら接客をしていました。

最近になって、清掃スタッフさんにまできちんと気遣いをしてくださっていることが分かり、本当に尊敬しました。

もう数年前になりますが。ある時私がフロントに居るのを見つけ、近づいていらっしゃいました。何かご用事かと思い、少し身を乗り出して話を聞いたら。笑顔でそっと、「私ね、あなたのこと好きよ」と、それだけ仰って、ニコニコしながら去っていかれました。

恋に落ちた気分でした笑。

それからずっと、宅配物の取次ぎを行ったり、浄水器フィルターの交換に伺ったり、と通常のやり取りがあって、今に至るのですが。

先日は、初めてランチをご一緒させていただきました。これまでに、他のご入居者とも、連絡先を交換したり、外で会いましょう、というお話もあったものの、実現していなかったので、この仕事に就いてから、初の経験となりました。

90歳に近い方なので、驚きの年齢差なのですが、お話をしてみると、性格上の共通点が多いのか、その差を感じない程面白く、次の日まで、“楽しかった”と余韻が残るほど、素敵なお食事会でした。

連絡はお手紙で取っています。皆には内緒で、こっそりポストに投函したり、お渡ししたりして、楽しんでいます。

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