ピープルフライドトーリー (24)読書感想+お詫び

まず、お詫びします。
作家の都筑道夫氏に…。
最近、都筑氏のショートショート集をもう一度読む時間があり、その中の電話ボックスというタイトルの作品でのラストのアイデアは、小生が何十年か経って発表した電話BOXを使った作品のアイデアと酷似しており、つまり、かつて読んだのをすっかり忘れてしまい、無意識の領域に堆積して、そこから引っ張り出してオリジナルのつもりで発表した事になります。本当に申し訳ありません。ここに、お詫び致します。
まことにお恥ずかしい限りです。
以後、気をつけたいです。
以上、言葉少ないですが…、深くお詫び申し上げます。
(以後なるべく作品を忘れないように読むつもりです…。都筑氏の作品からも勉強させてもらってます…。)
    2023年4月14日 三毛乱


      第24回
     (読書感想)

今村夏子氏の本「とんこつQ&A」を読んだ。「あひる」と「むらさきのスカートの女」とあと2冊読んでいた。「こちらあみ子」は未読。小生なりの「とんこつ…」の感想をちょっと述べたいと思う。
「とんこつ…」には4つの話が入っている。その中で「良夫婦」が一番面白かった。
他の作品は、読んでいて早い段階から、ふむふむやっぱりそうきたか、今村小説はそう行くんだよなあ、あっやっぱり、そっちの方向へ行くのか、とか、ここは怪しい怪しい、危ない危ないここを超えたら更に良くない方向へ普通の常識や生活から1歩も2歩も踏み出していくだろうなぁと悪い予想予測が高なる度に心の中の振り子が、幾つも振り動いて来て、振り幅が1とか2とか3とかがあり、ラストでは3とか4とか2に振れてから終わる。そんな感じで読み終えていた。それはそれで面白いのだが、小生としてはある程度予測の範囲からそんなに遠くない結末であり、心の振り子の動きだった。
だが「良夫婦」は、そのパターンでなかった。最初の段階からずーっと心の振り子はなんの動きも見せず、退屈で仕方がなかった。不穏な予想予測が他の話程には浮かんで来ず、これが長く長く話の8割目まで続く。心の振り子はうんともすんとも動かなかった。もう、どうしたのか?と思っていると、残りの1~2割で心の振り子は0地点からグーンと大きく3~4まで振り動く事になった。8割程退屈に思わされていたのも、作者の計算だったのかもしれない。
個人的には良く出来たミステリー小説的なものを読んだ気もしないでもない…。
内容には殆ど触れないで、今回は心の振り子の動きが印象的だったので、それにフォーカスした読書感想とした。
今村氏の次なる作品も期待したい。
             終

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