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FF16クリア直後の感想(ネタバレあり)

プレイ時間42時間、クリア直後の掘り下げ等のない率直な感想。だいぶ下寄りの評価かつエンディングまでの致命的なネタバレ混じりなのでFF16に感動した人、まだプレイ中の方は即閉じでお願いします。

映像、演出100音楽90ストーリー50総合70

クリア直後の感想としてはこんな印象。ヴァリスゼアとして違和感のない世界を作りこむための細部に到るまで作り込まれた背景や人物モデル、ゲームの要所に挟み込まれるムービーは戦闘からひとつながりで切れ目なくつながり特に戦闘演出には非常なこだわりを感じる。それが面白さには繋がっていないと感じてしまったのだが。

映像、演出

映像と美術(背景等)は本当に美しい。街の建造物から森や街道、マザークリスタルの壮麗なビジュアル、大瀑布や遺跡など絵として見た際の映えがあった。ゲーム的な記号をできるだけ排し、この世界への没入感をあげようということなんだろう。
召喚戦闘の演出に関してはかなり高評価、召喚獣どうしのバトルは今までのFFではほとんど描かれてこなかったので興奮した。

音楽

事前に祖堅さんのインタビューで戦闘中の状況に合わせて曲を変える、という試みはかなり面白かったし、いくつかの戦闘ではその効果を感じられた。FF14で作られた氏の曲も大好きだったので力強い男声コーラスなどを採用したバトルに興奮。ただパート毎に音楽が変わるボス戦などは印象に残る曲にはならなかったなという感想、通常バトルは閃光の次くらいに好き。タイタン戦などは都合3フェーズあるのだけれど長すぎて途中でいい加減にしろって気持ちになったというのも音楽体験にはマイナスだった。音楽単体は静から動にいたるまで好き曲多し。

メインストーリーに対する不満

体験版の範囲が良すぎて期待値が上がってしまったのもいけないのだろうけど「思ってた話とだいぶ違うなあ」という印象。一番大事な主人公の「人が人として生きられる世界を作る」という目標への遷移が弱い。復讐相手が実は自分だった、というのはもう体験版で察してたけどそこからの立ち直りからシドが目指した世界への成立を目指す過程に対する気持ちがイコール自分のものとしては最後まで湧き上がってこなかった。

感情移入しきれないメインストーリー

最終ボスの設定、そこに到るまでのメインストーリーに納得を欠く場面が多くいくつかのひっかかりが最後まで消化できず。自分がベアラーとして扱われた年月においての体験、ジルが物として扱われた鉄王国での暮らしぶりが全く描かれなかったせいでプレイヤーである自分の中に「なんとかしなきゃダメだ!!」って気持ちが起こらなかったからかもしれない。関係性が薄い人にも最大限尽くすクライヴが良い奴すぎるのか。

今日あったばかりのベアラーが虐げられてる、物として扱われてる、ひどい!ってのはわかるけど感情移入度としては弱め。できればもうちょい身近な人物に焦点を絞って物語を広げ、その関係性を通してヴァリスゼアのベアラー差別を描いてほしかった。
主人公であるクライヴは王族からベアラー、そしてまた人扱いに戻ったおかげで立ち位置も一定ではないしその変化に伴う心の動きも正直自分にまでは届かなかった。

ストーリーへの違和感
例えば中盤まで生存を隠して別行動を取るジョシュア、再会の場面でもなぜあの場面までわざわざ別行動を取っていたのかという理由が明かされないし言及もされない。合流したほうがジョシュアの目的にも合致してただろうに、教団の縛りなのかアルテマに存在を気取られたくなかったのか。
例えばラスボスの行動原理、完全体になってからも吸収できない理由に対する対策がぬるいし乗り込むまで待ってる理由がゲーム的な都合しか考えつかない。

こういった細かい部分だが気になるひっかかりが無数にあったせいで当面の目標から最終目的へのつなぎが感情にまで落ちてこないまま月を見た感覚。人権に対する意識改革と世界自体の救済、最終的にはその二つの目的を成し遂げたクライヴの方向性はわからなくもなかったけどなんかこうエーテル(魔法)はもう使っちゃダメ!って話の方向性と世界を一回滅亡させて作り直すわ!っていうふぁっきんアルテマの打倒がうまく結びつかないまま終わった印象。

アクションゲーム(戦闘)部分

アクション苦手なのでオートスローをつけっぱでプレイ。たぶんこれが一番の間違いで評価が低くなった要因。
序盤、特にガルーダまでは召喚獣のアビが増えることによる戦闘のバリエーションが増えていく過程は面白かった。この辺はアクションを突き詰める人やコンボやウィルゲージ削りに興味を持って取り組める人は楽しめたのだろうか。
自分は後半ギガフレアやダイヤモンドダストなどのお手軽アビでウィル削ってゴリ押すだけの脳筋と化していたので何らかの意見を言える立場ではない。ちょっと強いエリート的な中ボス(使い回しの敵)が定期的に出てくる戦闘には作業感を抱いた。ユニークなボスの初戦闘は攻撃手法や演出も多彩で非常にもったいなかった(と後で思った)
QTE(□ぽちぽち)は乱発すると微妙だなという感想、ここぞっていう場面だけならともかく召喚獣戦闘はほぼそのモードが組み込まれているので作業感が高まる。

細かい不満点の積み重ね

ムービーや会話劇の合間にちょこっとアクションゲームをする、というゲーム体験となってしまったため細かいところに不満が貯まっていらないひっかかりを感じ続けていた。
扉を開けるのにXを押した後のR2そんなにいる?とかチョコボが小さな立木にひっかかるとかわざわざクェーって鳴いて時間を食うとか方向転換がもっさりすぎるとかメニューの左右移動に微妙なためがあるのうざいなあとか喋ってる間はやけにゆっくり移動しかできなくてストレスだとか町中の移動が結構あるのに移動遅いなとかサブクエの目標地点に来てガイドが消えたのに当の目標がみつかりづらいなとかR2の押し込みに全部抵抗かけるの止めろとかそういうところ。

このへんはストーリーへの興味が高い序盤では気にならなかったのだが違和感がましましになった後半で気になり始めてしまったという部分はあるかもしれない。戦闘こそを楽しむゲームだったのかと気づいた時はもうオートのぬるさに浸った後なので手遅れ。ストーリーにのめり込めなくなった時点でこういった不満への印象が倍加してしまう。

最後に

やはり体験版での期待値が高すぎた。各エピソードにはそれなりに盛り上がりもあって、サブキャラは好きな人物が多いしバイロン叔父とか最高だけど肝心のメインストーリーにはあまり納得できず、残念な評価となった。映像と演出、全ての登場人物がほぼフルボイスでもあり世界とそこで紡がれる物語にフォーカスをあてて楽しむようになっていると思っていたため世界設定に関する資料とサブクエには全部目を通して世界自体はかなり好きになっていたのに残念でならない。

ハピエン厨の本音

ジルとクライヴの結婚式が見たかったんですね。二人を祝福するジョシュア、当然のように寄り添うヨーテ、はやし立てるミド、後方親友面するガブ、号泣するバイロン叔父。世界を救った男にはそれ相応の報酬があってしかるべきじゃないのか、なんで幸せにならなかったんだよっていう。感情移入度低めだったから冷静に見られたけど納得はしていない。

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