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心のふるさと

地元の商店街はシャッターが閉まり
すれ違う人もまばら
小学生の頃は八百屋のおばちゃんに魚屋のおじちゃん
お菓子屋のお姉さんに雑貨屋のおばあちゃん
おかえりの一言で何処でも自分の居場所があった

ふるさとを離れて30年が経つ
同級生が継いで残ってるお店
あの頃のおばちゃんの姿と重なる
スマホを構えてみる
過ぎた時間が残量で見えた

都会暮らしに慣れて
ネットやTVに振り回されて
豊かさ=何?と思うようになった
今日もカフェの豆を挽く音がする
潮騒の音ではないのだ

年賀状の束を見つめながら
年々少なくなる返信に
記憶のパズルが消えてゆく
リメンバーミーのように
数年先の僕を憶えてくれるだろうか

久しぶりの商店街
魚屋の近くに猫がいた
天井の明り取りの隙間から空が見える
雲の流れは静かに
時の流れを刻んでゆく

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