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ペンタNote

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思いつくままに
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#エッセイ

息吹

空に向かって力強く伸びる 深紅の色は炎のように 立ち止まりたたずむ 翌年の芽吹きのための世代交代なのだ 命を燃やすかのように赤く紅く燃え上がれ 蝉のように一瞬に輝く それは木々の息吹

紅秋桜

彼岸花を見なくなった頃に咲く 空に真っすぐに咲く 風に揺られても 雨に打たれても 想いを載せて咲く 他人の評価なんて気にしない 自分の生き方に自信を持とう 気を使いながら生きてきた私 祖母に真っすぐに生きなさいと言われた子供の頃 細くなった指先で小さな手をさすってくれた 稲刈りの季節が終わり 山間の村には静かな秋が訪れる 澄んだ空気が心を染めてゆく さっきまで悩んでいたことは落ち葉のような 何だったのだろうと思う 紅い秋桜は想いの色

秋桜が咲くころには

子供と週末に秋桜を探して野山をドライブ 沢山の秋桜に囲まれて花の香りに秋を感じた あれから何年が過ぎただろ 線路沿いに咲く秋桜を眺めながら 十年後にまた会おうと 息子と聴いた曲は 今では箱の中のCDに記憶されている 出来ない約束はしない なんて厳しいことを言われながら 滑走路の隅に咲く秋桜を眺めています 秋桜が咲く小路に 夕焼け空が広がり 金木犀の香りがする あの日の記憶は今でも 街角の秋桜に出会うと思い出す シネマの始まりのように

今の自分が変わると未来が変わる

今の会社に勤めてもうすぐ30年になります。 定年退職まで24か月を切りました。 20代の頃は何もわからず目的もあまり見えないトンネルの中でした。 30代は与えられた仕事をがむしゃらに、そして働きすぎて入院。 2回ほど心臓を止めた手術を受けた。子供とかみさんに心配をかけた。 40代は単身赴任生活で東京のど真ん中で3年ほど休まず働いた。 そして、地方へ転勤で戻されるとパワハラを受けて干された。 50代になり色々な免許を取得した。おかげで再就職には困らない技術が付いた。 もうすぐ

明日の空

夕焼けのかたわれ時 遠い空に星が見える 今日よりも明るく照らしてくれる 潮風が心地よく 澄んだ空が心に描く 明日見る夢は何処までも高く伸びてゆく 何色を描こうか 空色のクレパス

扉の向こう

この先は自分で歩く 扉を開いてみよう 勇気を出すことが 道灯を明るくする 未来の地図はここから始まる

秋の妖精

紅葉が始まる頃に妖精が舞う クルクルと風に任せて 夏から秋へ変わる頃 妖精は舞い踊る 稲穂を揺らす風に乗って クルクル舞い踊る

月夜に

今週末が十五夜 少し散歩してみませんか LINEで誘ってみた 心地よい風が吹いている 秋の夜長に感謝しながら 歩きなれた道を歩いています 月夜の夜に きみの部屋の灯を探して 近所の猫に会う 忘れかけていた歌を口ずさみながら 時間を過ごしてみよう 月夜の灯は静かにさざめいてゆく

残像

向日葵の季節が終わり秋風の中 昨日見た夢を思い出す 君といた夏は短く 心の時めきは一瞬だったけど いつまでも鼓動のように記憶の中を流れていった

彼岸花

彼岸花が咲くとき、季節が変わる 秋分の日に咲く花 この花が咲くときに誰のことを想う 空のかなたに思い出が浮かぶ あの日も手を繋いで彼岸花を眺めていた 心の中の忘れ物を思い出してくれる

鳶が舞う

秋空に鳶が舞う 少しだけ入道雲を残した空で 上昇気流を掴んで空高く舞い上がる

金木犀が香る

二丈岳の登山道で出会う 今年初めての金木犀の香り 吊り橋のたもとで甘い香りが癒してくれます。

きみの小さな手

秋桜の季節に花が好きな娘は何を想う 花びらを数えながら・・・・差し出す手のひら いつまでもこのままの姿が記憶に残る あれから娘は年頃になり 昔のように花束を差し出す そう・・・今日は結婚式だなんて 小説にもならないな・・・

夏の思い出

ほんの数週間前までは真夏の暑さだったけど 秋分の日の今日は秋のさなか 麦わら帽子が好きな君は 今年は海に行けなかったことを 副音声みたいにLineで呟いてくる 花火大会もお祭りも 何もない夏の思い出 マスクの暑さだけが肌に残り お気に入りの映画だけが蝉の声に消えていった リモートですよって楽しそうに言えたものじゃなくて 毎日のスタバでの君との会話が欲しくて 好きでもないブレンドを無意識に頼んでしまう 会話のない夏の時間 PCとTVの声だけがYouTubeのように虚しく流