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ペンタNote

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思いつくままに
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2021年9月の記事一覧

秋色

景色の色が緑から黄色・赤へ変わるころ 心の景色も少しずつ流れてゆきます。 誰かと出かける楽しさや 同じ風景を見て繋がる気持ち。 心のレンズが映し出す秋色の風景 秋桜だったり、銀杏だったり 金木犀の香りに誘われて電車の切符を買ってみよう。 電車は東から西へ走る 海岸線の蒼いカーブを眺めながら 遠い岬の上には流れるような白い雲。 車窓に写る顔に 君はクスリと笑う 小学生の顔だねって。 時々遮断機の音が近づいては遠くに 2両編成の電車は空に向かって走る 側道を走る車を追い

潮騒

彼岸になり、君と過ごした時間が思い出になります 心の中で波の繰り返しのように 潮騒の音を聴きながら、一緒に過ごしたこの場所で 心の整理が出来ました 波間の泡は砂浜に吸い込まれていく きみの笑い声 きみの言葉 きみの後ろ姿 夏の記憶と共に 少しずつ記憶のカケラになってゆく 防波堤のコンクリートのざらつき 青空の向こうに飛んでいる鳶を見上げながら 水平線の向こうの雲に語り掛けてみよう これからの始まりを 海岸線の緑色の電車が 僕の時間を刻んで走る 終着駅は決まらないまま

生まれた街

車1台しか通れない路地が格子模様に伸びている 海辺の町の風景 小さい頃の記憶だけど 近所のおじい、おばあに見守られて育った 自分の家と近所の家の境が無い感覚 両親が忙しい時には隣の食卓で夕飯を済ませ 幼馴染と夕暮れまで過ごす毎日 日暮れ近くになると漁船の音が障子の向こうから聞こえる 17時を告げるサイレンが鳴る 何故か近所の犬も遠吠えを始める 大きな古時計がコツ・コツ・コツと音を刻む 当たり前の昭和の時間だった。 漁村の夕暮れ時は空が紅に染まる 水平線に僅かな雲を残しながら

夏の終わりに

夕暮れが早くなり始めた頃 彼岸花が咲きます。 君との時間が短く感じ始めた頃 夏が終わります。 暑かった庭先も ヒグラシが鳴き始め 秋虫の声と混ざる夕暮れ時 君と僕の記憶が混じる 桜の季節に出会い 深緑の季節に思い出を重ねた 蒼い空、藍色の海 白い雲さえ記憶のキャンバスの主役だった。 公園の銀杏が少しずつ色付き始め 緑の空間に黄色や赤のパズルが入り出す 君との季節が変わり始めた。 スマホの写真を振り返り アルバムに纏めてみる 季節の思い出として 夏の終わりのエピソード