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ハンドドリップの注湯方法


このnoteでは、ハンドドリップの際のお湯の注ぎ方について説明します。
具体的には、お湯を「連続的に注ぐ場合」「断続的に注ぐ場合」でどのような影響が出るかについて説明しようと思います。


ハンドドリップの注湯方法

ハンドドリップをするとき、どのようにお湯を注いでいますか?
大きく分けると2つの方法があります。
・連続注湯(Continuous Pouring)
・分散注湯(Pulse Pouring)

名前の通りになるんですけど、連続して注ぎ続けるか、ちょっとずつ注ぐかの違いになります。
どちらにも共通して、最初の蒸らしの作業は行われます。


ハンドドリップは、自由度の高い淹れ方であり、バリスタの技量が試されます。

これから、この2つの注ぎ方について説明していきます。


連続注湯(Continuous Pouring)

こちらの注湯方法をされてる方は少数派だと思います。
蒸らして、30秒待ったら、残りのお湯を出来高の量まで注ぐ方法。
これが連続注湯です。いわゆる、注ぎ切りってやつです。

連続注湯は、お湯の流量を一定にしていれば、味わいにある程度の一貫性を保つことができます。
とはいえ、注ぐ量を一定にして、2分間注ぎ続けるのはなかなか大変ですし、腕がぷるぷるしてきますよね。

また、お湯を分散させずに注ぐので、ドリッパー内の湯面の高さが高くなることで、コーヒー粉の面が硬くなり、抽出速度も遅くなります。
さっと淹れたい浅煎りには、向いていない淹れ方かと思います。えぐみも出やすいです。

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抽出速度は、挽き具合だけでなく、注ぎ方でも変えることができます。ちょっと粗く挽いてしまったコーヒー豆には、連続注湯を使ってみてもいかもしれません。


分散注湯(Pulse Pouring)

大半の人は、こちらでハンドドリップをしていると思います。
30g蒸らして、30秒待ったら、80g注いで、60g注いで、…  みたいな感じの注ぎ方。
これが分散注湯です。

分散注湯は、バリスタによって味わいの違いが鮮明に出てきます。家でただ淹れるのと、プロが淹れるのでは、味わいが全然変わってきます。
いろいろな分散注湯を試してみて、自分でおいしいと思える淹れ方を見つけることが大事です。

分散注湯といっても、特に何回に分けていれるといいよという基準は存在しません。

あの有名なワールドブリュワーズカップ優勝者の粕谷さんは、4:6メソッドという淹れ方を用いて、5回に分散して注湯しています。

また、ワールドバリスタチャンピオンの井崎さんは、3回に分けて分散注湯しています。


これから言えることは、どう分散させて注湯させるかは、バリスタによって様々です。
ある意味、この分散注湯のハンドドリップは、バリスタの個性が出てくる部分だといえます。


分散注湯の良いところは、より抽出効率をコントロールできるところです。
コーヒープレスやエアロプレスでは、豆の挽き具合や湯温などでしか、コーヒーの抽出をコントロールすることができません。
もちろん、抽出時間や攪拌の程度も変えることはできますが、非常に繊細な作業になります。

一方、分散注湯の場合は、それらの条件に加えて、蒸らしの時間や分散注湯の回数、それぞれの湯量なども調整することができます。
ちょっと抽出時間を長めにしたいと思えば、注湯回数を少なくすればいいですし、短くしたいならば、注湯回数を多くすればよいです。
ここで気を付けてほしいのは、注湯回数を多くしても、注湯間隔が長ければ、それだけ抽出時間も長くなってしまいます。その部分の調整も重要になってきます。

こんなにも分散注湯やハンドドリップについて、熱く語ってきたところですが、じゃあこのハンドドリップがベストな淹れ方かというと、そうではありません。
抽出方法それぞれに良い点があります。
このハンドドリップの良い点は、自由度が高く、水の部分でコーヒーの味わいを変化させることができることです。

コーヒーの構成要素のうち、97%は水であるといわれています。
ぜひ、水にもこだわってコーヒーを淹れてみてください。


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