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未来の子どもについて考える


生殖医療と子ども

 出生前診断と子ども

 出生前診断によって、親はお腹の赤ちゃんの健康状態を知ることができます。母体の採血や羊水・胎盤の一部の採取によって診断します。
 さて、遺伝子レベルでの病気を出生前に発見できる技術は画期的であるといえますが、それはあくまでも、育てる(あえて強調)「親」の問題であり、「子ども」の問題ではないのです。
 ここで考えていきたいのは出生前診断で陽性と分かった後の中絶の問題です。
 そもそも中絶自体が、「子ども」について考える上で重要な観点であることは言うまでもありません。日本の法律では、妊娠21週6日までしか行うことができないと定められています。犯罪等の望まない妊娠の問題を抱える女性にとって、中絶制度は最後の砦となり得ますが、中絶制度を利用が容易になれば、望まない妊娠の増加や胎児の権利の侵害が後を絶たなくなります。
 出生前診断の現状として、陽性判明後9割が中絶に踏み切っているようです。陽性判明の絶対数が少ないことから、中絶の絶対数も少ないですが、個人的には9割という数字は多いように感じます。
 ダウン症と出生前に診断された「子ども」は、生きる権利がないのか。現実として、2倍にも3倍にも苦労することがあるかもしれないけれど、この世に誕生することができないのか。
 高齢が原因とする安楽死も、若くして命を絶つ自死も、中絶も、同じ人間の死であることには変わらないと私は思います。
 「子ども」視点で考えると、選ばれた「子ども」、選んだ末に愛される「子ども」ではなく、無条件に愛される「子ども」が一番うれしいのではないかと思います。
 これは、犯罪の被害女性が前を向いて生きていくことを批判するものではなく、ともに生きる「わたしたち」の中に生まれてくる「子ども」も入れてあげたいという、率直な思いです。

LGBTと子ども

 LGBTという考え方の普及は、「子ども」にも大きな影響を与えたと思います。
 まずはLGBTに関する教育が強化されたことです。その成果として子どもたちの「多様性」に対する感性はかなり磨かれていると思います。
 しかし、行き過ぎた教育は思考の停止を招きます。道徳の教科化と似たような話ですが、「こう考えたい」「この考え方が自分に合っている」ではなく、「こう考えなければならない」「こう答えるのが無難だ」といった思考が植えつけられます。
 また、LGBTや同性婚の問題は、代理出産などの問題と密接です。先ほどの問題提起と似てはいますが、子どもは本当の「親」に育てられる権利、「お父さん」と「お母さん」に育てられる権利を生まれながらにして失っているのです。

まとめ

 これらの話題からわたしが伝えたいことは「わたしたち」の中に「子ども」も入れてあげてほしいということです。わたしたちは物事を考える時に、つい自分自身の利益や幸福を追求してしまいます。悪いことのように書きましたが、自分自身の利益や幸福を追求することはとても大切なことです。しかし、「自分自身と子ども」の利益や幸福を合わせて考えることで、よりよい社会ができると思います。

参考文献

NIPT(新型出生前診断)とは?どんな検査でどんなメリットがある? (clinicten.jp)
母体保護法と中絶の条件|初期中絶、中期中絶、たて山レディスクリニックの中絶の特徴 | 東京青山・たて山レディスクリニック|妊娠18週前後までの妊娠中絶手術可能 (tatecli.com)
【特集】陽性確定で9割が「中絶」…『新型出生前診断』重い決断伴う検査に…“無認可“での実施も横行 | 特集 | 関西テレビニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)


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