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世界経済を簡単にしたい!①

今日における世界経済は多くの問題を抱えています。
格差の拡大、デフレーションのリスクの増大、貿易紛争、経済成長による環境への負荷……。
さらにデジタル経済の進展も相まってより複雑化・多様化しています。
そんな世界経済を一つにまとめることで問題を解決できないのか。
そこで、世界経済の統一について考えてみることにしました。

①世界経済を一つにまとめるって?

「世界経済を一つにまとめる」とは?
一見するとどういうことを言っているのか分かりにくいですね。
実際「世界経済を統一する」ということがどういうことを意味するのか、明確な定義があるわけではありません。
そこで、自分なりに定義してみました。

世界経済の統一とは(定義)
・純粋な経済構造の統一を意味し、あくまで政治的側面は含めていない
・現在あるEUやASAEN、NATOなどの様々な地域的関税同盟、共同市場を一つにまとめ、世界的な一つの経済同盟を形成する
・その世界的な経済同盟の中で地域ごとに比較的緩やかな経済的グループを持ち、そのグループ同士の間でつながりを持たせる
・第三次産業と地域的特色を生かした特殊産業が混成した産業構造を持つ
・市場には関税がなく、労働者の移動に関しても制限がない
・WTO、IMF、世界銀行に緊急時の法的拘束力を持たせる
・「最適通貨圏理論」に基づいて共通通貨を導入する

イメージとしてはEUを世界規模まで拡張したものに近いです。
ただ、これはあくまで個人的に定義したまでであって、他にも様々な観点からの定義があると思います。

さて、ここからの話はこの定義に基づいて、特に「通貨」を中心に進めていきます。

②通貨統一による貿易・市場の拡大、経済の安定化

ここからは「世界経済を統一する」ということについて、その効果を中心に具体的に説明していきます。
まず今回は、「通貨の統一」という側面から見た世界経済の統一について見ていきましょう。

世界経済を統一する、となると必ず出てくるのが通貨の統一についての議論だと思います。
通貨を統一することにはメリットもあればデメリットもあり、それについては今後も議論の余地がありますが、デメリットを上回るメリットを提示してくれるものとして、「最適通貨圏理論」というものがあります。

「最適通貨圏理論」とは?

これは、共通通貨圏内の経済や産業構造が類似しており、何らかのショックが発生した際に、各国経済が同じように落ち込んだり過熱したりする場合には、国家間に経済格差が生じず、共通の金融政策等で対応可能となる、という考え方です。

つまり、共通通貨圏内であれば、その中の特定の国で経済的に困難な状態に陥ったとしても、様々な国家間での取り組みによってそのショックを調整することができる、ということなのです。

例えば、ある国で不況により雇用量が減少したとします。
その時、共通通貨圏に属している国々であれば、失職してしまった人々を受け入れることが可能になるので、経済的なショックがある程度軽減することができます。

もしこれが世界規模で可能になれば、世界経済がより安定化するとともに、通貨が単一なため貿易に関しても大きな障壁がないため貿易活動がより活発になることが期待されます。

③終わりに

今回は世界経済の統一について、通貨の面から考えていきました。実際、通貨の統一に関しては各国の事情を鑑みてから検討しなければならない、非常にデリケートな問題であるため、現時点ですぐに導入するということは難しいです。しかし、これがもし実現されれば経済摩擦や経済危機など、世界規模で多くの経済問題が解決されるようになるでしょう。

次回は「経済同盟」という観点から、世界経済統一の可能性について探っていきます。



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