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第5章:復習のやり方

復習と予習どちらが大切か

今回は復習を見ていきましょう。一般的な勉強の流れでは当然「復習」に当てはまります。

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※上記の図がわからない方は以下の記事を参考にしてください。

復習といえば、対義語として予習が思い浮かびますね。ここで質問です。予習と復習どちらを優先的に勉強していますか。どちらを重要視していますか。
予習は宿題でも出されますし、新しい内容を勉強するのは楽しいでしょうから、予習に力をいれていると答える人が多いかと思います。

では質問を変えます。「どちらが実力に直結すると思いますか」。

これは感覚的にわかるかと思いますが、復習です。やはり一回だけの学習ではペンペン先生も含め大半の人は学んだ内容を習得できません。何度も復習して繰り返すことで、初めて身につき、その知識を活用することができます。繰り返し方はさまざまあれど、「一度学んだ内容を振り返る」復習は実力に直結する重要な学習なのです。

そんな大切な学習をどれほどの割合で行なっているでしょうか。あまり意識されていないかと思いますが、本当にテストで点をとりたい、結果を出したいのであれば、復習に力をいれるべきです。結果を出す元となる力は、自分に身についた学習内容だけです。そしてすでにお話したように、身につけるためには繰り返すこと。復習しかありません。したがって、予習も復習ももちろん両方大事な学習ではありますが、結果を出す側面からみると復習の方を重視したほうがよいです。

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また復習を優先する学習は勉強の質と時間の効率を上げます。予習は後々、授業や講義で学ぶことを先回りして学ぶことが多いです。ただ、どうせ授業や講義で勉強する内容を、なぜ先回りにしなければならないのでしょうか。ただでさえ時間がない中、学習負荷の重い予習に時間をかけなければならない。それだけの見返りが授業や講義であるのであればよいのですが。同じ内容を授業や講義で繰り返すだけが大半です。「先に予習していたほうが授業がわかりやすい」という言い分もあるかもしれませんが、わかりにくい授業を生徒に補わせるという点で完全に講師の怠惰です。わかりやすい授業を行うことが仕事なのに、それを放棄しています。

したがって、現在蔓延っているいわゆる「予習」はあまりにも質的効率の悪い学習です。また、時間的効率も悪いのが予習の特徴です。新しい内容を勉強するのには時間と労力を要します。一方、復習はいかがでしょう。一度学んだことの振り返りなので、短時間で多くの内容を勉強することができます。

このように、実力にも直結し、質的、時間的学習効率をあげる復習は優先しない理由がないのです。
では具体的にどんな復習があるのか。今回は三つご紹介しましょう。


授業・講義の復習

授業(以下講義も含む)を受けた後の復習です。「授業・講義の使い方」でも少し触れましたが、この復習は「わからない、理解できないとチェックしたところを調べて、理解した内容をメモすること」です。授業中はとにかく理解に徹し、わからないところは見失わないようにチェックするとお話しました。ではそのチェックした内容はもちろん復習できちんと理解しなければなりません。しかもできれば、当日に行うべき優先度の高い学習です。特に学生は毎日新しいことを学びます。ということは、毎日わからないところも出てくる可能性があるのです。したがって、覚える必要も解ける必要もないですが、早めに理解しておくことが、躓かずに授業についていくコツなのです。


問題学習の復習

問題学習とは、問題を学ぶ学習です。詳しくは下記の記事をご参照ください。
さて、問題学習の復習とは、すなわち「問題をみて、フローチャートとポイントを見る(思い出す)」学習です。まだ解く段階ではありません。厳密にいうと思い出すのは想起なのでアウトプットに該当しますが、復習とアウトプットはオーバーラップするところもあります。なので、ここでは「まだ問題を解く段階ではない」ことだけを意識しましょう。あくまで問題をみて、フローチャートとポイントをサラッと思い出すことが復習となります。

また、問題学習にはあるルールがあります。それは「1分間の法則」です。具体的には「問題を読んで理解し1分以内に思い浮かばなければすぐにフローチャートとポイントを見て、解答解説を読む」というルールです。ここで、時間をかけてうんうん唸りながら、5分もかけていたら、時間がもったいないです。長期記憶に残すためには、何度海馬に情報を取り入れたかが重要です。だからこそ、1問の復習に時間をかけすぎるのは非効率です。ただし、何も思い出す努力をせず、何度も繰り返すのは、長期記憶に取り込みにくいとも言われています。したがって、1分だけ思い出す努力をして、それでダメなら、実際に見て海馬に取り込む作業を繰り返す学習をお勧めします。そうすることで、効率よく長期記憶へと情報を移行し、保持することができるのです。

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テストの復習

最後にテストの復習です。テスト自体はアウトプットの想起練習に該当するので、ここでは話しませんが、そのテストの復習について取り上げたいと思います。テストはどのように復習していますか。5科目となるとかなりの量ですよね。これをもう一度解き直すとなると時間もかなり要します。間違ったところだけを見直す。これもひとつの復習ですが、一回見直したら、それで終わりになり、プリントの中に埋もれてしまう。そんな人もいるのではないでしょうか。両者とも、テストの復習として有効活用ができていない代表例です。そこで、まずテストでの復習は何を求めるべきか考えてみましょう。テストを終えた後、そのテストを用いて身につけたいものとしては、以下のようなものがあります。

① テストをより上手に受ける習慣の確立
② テストで間違った問題の克服

これらを成し遂げるために、どのようにテストの復習をしたらよいのでしょう。

まず①から。これは、テスト本番に万全な体制で望めるような、個々人にとっての習慣を確立することを言います。たとえば、受験一週間前から何をしますか。決めていますか。この一週間の過ごし方で本番発揮できる力は大きく変わります。この習慣に正解はなく、人それぞれだからこそ、毎回のテストで試行錯誤する必要があります。したがって、今回試してみた習慣がよかったのか、悪かったのか、そのような点を振り返る。これも立派なテストの復習です。

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次に②です。テストの復習といえば主にこれを想定するかと思います。ではテストで間違った問題の何を克服すればよいのでしょう。全く同じ問題がまた解けるようになるではあまり意味がありません。ではなく、こうした類の問題やこの分野の問題を解けるようになることが目指すべき姿です。したがって、この問題を一度解き直して終わりでは、その目標を達成することができません。

ここでやるべきことは、「間違った問題の問題学習」です。フローチャートとポイントを抽出して、きちんとメモをする。そして問題学習の復習と同様に、テストで間違えた問題を復習するのです。ただ、この問題学習を当日にすべて行うことは難しいです。そこで、テスト当日はたったひとつ、「これだけやっておきましょう」というものをお伝えします。それは、間違えた問題に関し「本番で解いた際の考えをメモしておくこと」です。テスト問題の問題学習は、問題の解き方を学ぶだけでなく「間違った考え、思い込みの修正」も行わなければならない大事な勉強です。ただ、その誤ってしまった考えというのは、後日に振り返ると確実に忘れてしまいます。したがって、誤った考えだけは、テスト当日の復習として問題の横にメモしておきましょう。そして翌日から、一問ずつ間違えた問題をゆっくり問題学習していきます。これが②の方法です。

以上が、具体的なパターンごとによる復習方法です。

復習にはひとつ特徴があります。自分で用意しなければ存在しない学習であることです。予習は学校や塾でも宿題などで用意してくれます。一方、復習は誰も学習時間を確保してくれません。しかし、最重要な勉強であることはこれまでお話した通りです。だからこそ、皆さんが自由に勉強できる時間は復習にあててほしいのです。復習の比率をあげて、結果に直結する力を着実につけていきましょう🐧

一人でも多くの方にお役にたてたらと思い…ペンペン先生がんばります🐧