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パトゥムタニ日記 vol.5 〜パクチーなんて怖くない〜


何年か前、日本でも、もうパクチーはポピュラーな食べ物よ、
という話を聞きました。
へえぇ?と思ったものです。
日本ではガパオライスにもグリーンカレーにも入っているというし
(タイでは入ってません)
パクチー鍋なんて、もう、びっくり!!

そもそも、コリアンダーを“パクチー”というタイ語で呼ぶようになったのは
いつ頃からなんでしょう??



“エスニックブーム”と言われた1980年代後半。
パクチーはちょっとした踏み絵だったように思います。
あれがあるからタイ料理はイヤ。
パクチー抜きのタイ料理なんて考えられない。
果てはパクチーが食べられるかどうかで、
その人のアジアへの向かい方が問われる、なんて文も読んだことがあります。
カメムシみたいで臭いという人は東南アジア世界を理解できないでしょうね、
みたいな。

いやあ、そんなことはないでしょう。
だって、唐辛子を嫌いなタイ人は(多分)いないけど
パクチーを嫌いなタイ人は結構います

パクチーの根は叩いてスープに入れたりしますが
葉の方は最後にちょっと飾るもの。
「パクチー ローイナー」(パクチーを飾る)
といえば“うわべを飾る”ことの比喩。
所詮はうわべの話です。
別に嫌いでも問題ないじゃん、と私は思います。


因みに、タイでパクチーといえばもちろん、あのコリアンダーのことなんですが
正確には“パクチーチーン“
同じパクチーでも
“パクチーファラン”はオオバコウサイ(パセリをさすこともあり)
”パクチーラーオ”といえば西洋ハーブのディルです。

左からパクチーファラン、パクチーチーン、パクチーラーオ


パクチーラーオはゲーンオムというスープに盛大に入れたり、
ハーブというより野菜感覚で生食します。

パクチーファランの方も東北料理によく使われる食材で
ラープやナムトックという肉料理には欠かせません。

タイ東北地方出身の夫に聞くと、パクチーチーンは
「食べられるけど 別に好きじゃない」
パクチーラーオとパクチーファランは
「絶対欠かせないもの」
だそうです。


たかがパクチー、です。
パクチーの入ってないタイ料理だってたくさんあるし
嫌いなら「マイサイ パクチー」(パクチーを入れないで)
と言えばいい。
同じことで、もし辛いのが苦手なら「ペット ニッノーイ」(少しだけ辛く、ね)
自分が好きなように、おいしいと思う味で。

これがタイ料理を楽しむコツかな、と思います。


本日もお読みいただきありがとうございました。




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