oasisのwhateverをおすすめしたい
先日「おすすめの〇〇を紹介してください」的なことを言われまして。面食らったんですけど、せっかく何かをおすすめするなら、心からおすすめしたいじゃないですか。
で、相手が結構人に見られる職業だったので、まあ「人の目なんて気にせず自由に生きていいんだ」って思える何かをおすすめしたいなと。
それで、oasisのwhateverをおすすめしたんですよ。意味わからんけど。
そしたら、なぜかおすすめした俺の方で再ブームが来まして。やっぱりこの曲最高だなと。
いや、もちろん他にも名曲たくさんあるし、なんならリアムのソロ曲も好きだし、映画も観に行ったしバンドでもカバーしたし、oasis自体が大好きなんだけど、にしても「whatever」が最高だなと。
なにが最高なの?ってそれはもう聴けとしか言いようがないが、やっぱり俺の中では、歌詞ですね。歌詞がグッとくる。oasisの二人は歌詞は適当だよって言ってるけど、関係ないです。歌詞が最高です。
ということで、バウムクーヘンさんという方が最高の訳をしてくれているので、俺のほっこりエピソードと交えてwhateverの歌詞を見ていきましょう。この人の訳はいつも最高なんです。
それではいってみよう!
初めてこの曲を知ったのは、浪人時代のことです。
勉強しなくても頭が良い、という謎のアイデンティティを持っていた自分は、東大の試験本番、自分が落ちるはずがないと確信していました。どれぐらい確信していたかというと、合格発表の瞬間はEDMを流しながらシャワーを浴びていました。どうせ合格だから、さっと確認してそのままパーティーだと、まあそんな感じです。
それが、ホームページに自分の受験番号がなかったんです。何かの間違いだと思って何度も更新ボタンを押したのを覚えています。とりあえず、EDMを止めました。まさに青天の霹靂。というか絶望。当時は、自分の経歴に消えない傷がついてしまったと本気で思っていました。
そんな状態で、俺の浪人生活が始まりました。悔しくて恥ずかしくて、本当は自分は頭が悪いんじゃないかと悩みました。現役で受かった友達に「あいつは頭がわるい」と笑われているんじゃないかとも考えました。今思えばそんな友達はいないんですが、まあそれだけ思い詰めていたんですね。
そんな時に出会ったのが、この曲です。
"Always seems to me You only see what people want you to see"
「君はいつも 周りに振り回されて自分を見失っているみたい」
今の自分のことだと思いました。自分の頭で考えて、自由に生きてきたつもりが、いつの間にか他人の視線を気にしてどうでもいいことで悩んでる。そんなことをしている場合ではないのに。
浪人生は、自分が何者でもないような気がしてしまいます。ましてや、自分に誇りを持つのはとても難しいです。
それをいやというほど認識させられるのが、身分証を出す瞬間です。予備校から身分証が支給されるのですが、自習室を使う時にそれを毎回受け渡しするので、いつしかボロボロになってしまうんです。だから、映画館やレジャー施設で身分証を提示するとき、ボロボロの紙を見せないといけません。
ものすごく訝しい目で見られます。一足先に大学生になった友達の隣で、正式な身分証を出してくださいと怒られたこともあります。悲しかったです。自分は負け犬なんだ、怪しい者なんだと思えてしまうんです。
でも、この曲はそんな思いを打ち砕いてくれました。
"Get a grip on yourself it don't cost much"
自分をしっかり持って 君ならきっと大丈夫
自分をしっかり持とう。この曲を聴きながら、出発点に立ち返りました。そもそも、自分はなんのために勉強しているんだろう?周りに頭がいいと思われたいから勉強してるんだっけ?
いや、違う。
俺は、もっと色んなことを吸収して、いつかジョブズみたいなすごいことができるようになるために勉強してるんだ。世の中をもっと良くしていくために、変えていくために勉強しているんだ。他の人からどう思われるかなんて、関係ない。
そんなことを、この曲は思い出させてくれました。
夜遅くまで勉強してから、ウォークマンに1曲だけ入れたwhateverを聴いて、御茶ノ水駅までの少し暗い道を歩く時間。その短いひとときが、本来の目的地を忘れさせずにいてくれたんです。
ボロボロの身分証。
宙ぶらりんの将来。
吹っ飛んだプライド。
それがどうした。関係ない。俺はやるべきことをやってる。今はそうは見えないかもしれないけれど、この道は自分の夢へと続いている。
"I know it's alright"
これでいい。
そう言い聞かせて、毎日勉強しました。
長い長い一年が経って、再び東大の試験会場に降り立った瞬間。ふと「もう大丈夫だ」と思いました。
「自分は、あれだけ傷ついても前を向いて努力し続けられた。転けてもまた立ち上がれた。だから、そんな自分なら、ここで落ちても受かっても、人生うまくいく」そう思えたんです。
結果的には、ボーダーを大きく上回って合格しました。でも、自分にとってはそれよりも遥かに大きな学びがありました。
あの一年を通じて学んだこと。それは、本当の意味で自分を信じるということは、自分は必ず成功すると思い込むことではなく、失敗しても立ち上がれる自分の強さを信頼することだということです。
物事には常に運・不運がついて回ります。どれほど努力しても、残念な結果に終わってしまう可能性はある。でも、昨日まで分からなかったことを知ろうとする行為、めげてもまた立ちあがろうとする姿勢は、どんな結果になろうとも輝かしくて、意味のあることなんです。
もしこれを読んでいる人が挑戦の真っ只中にいたら、そのことを忘れないでください。結果ではなく、自分の勇気に誇りを持ってください。転んでも立ち上がれる自分の強さを信じてください。生きたいように生きてください。やりたいようにやってください。
それが難しかったら、この曲を聴いてください。
きっと、大丈夫です。
俺が言ってるんじゃない。
oasisが言ってるんだから。
間違いないでしょ。
ーーー
…思わず熱が入ってしまった。
こんな零細ブログ、誰が読むのかわからないし受験生にも届かない気がするけど、まあなるようになるか。
受験から早5年。俺はすくすく成長して、夢だった起業をやっている。確かに、あの道は自分の夢へと続いていた。会社つぶれそうだけど。
もし仮に昔の自分がこれを読んでいるとしたら、一つ言いたい。君の行く先には、受験勉強よりはるかに面白い世界が待ってます。社会に対して、どんな問いをぶつけるか。その問いをどう解くか。正解がない故に難しく、自由な世界。大変だけど、すごく楽しいです。
いつか今の起業もこうやって振り返る日が来るのかな?わからないけど、みんなのロールモデルになれるような、背中を追いたくなるような、カッコいい起業家になってるといいな。会社つぶれそうだけど。
最後に、今の俺が一番好きなoasisの曲も発表しちゃう。「All Around the World」です。
やってやろうぜ。
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