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フリムンあんちゃんと「流星街とガーブ川」

梅雨空になると思い出す。
   あの爆笑ゲリラ豪雨を。

たぶん昭和57年、🤔

既に屋根の一部を残し、水没化した「ポツンと古民家」を。


周辺警護にあたる警察消防士ですら「鉄砲水立ち入り危険」と判断された中に残された内の一つ「ボクらの一軒家」水没の一報が入った。

小高い土手からその場所を望み遠目に泣き崩れる母を、耐え忍ぶ父を。一応言っておくがギャグ本だから。

警察消防士すら死を覚悟し「路面通行止め」の柵の外、流るる流木、揺れる眼鏡とデイバッグかーちゃん。

周囲は昼の完全停電。生死不明バカ息子達を助けようと濁流を這う歩みを消防士🧑‍🚒に止められ半狂乱になる「鬼軍曹かーちゃん」勿論スマホやケータイすらない時代。....
だったと証言してたから相当トラウマになっていたみたい。

家屋の子供達との連絡も一切付かない。隣には凶暴に「喫する暴君とーちゃん」なぜ雷雨の中喫煙してたかはいまだに謎だ。

今は行けないイケランシガ。」

沖縄の海で育ち、どんな荒波でも悠然と泳ぎ切る凶暴な「暴君とーちゃん」ですら憚れるあきらめる沖縄県、那覇市にして昭和57年、梅雨の大嵐。

眼鏡すら吹き飛ぶほど叩きつける琉球弧の雷雨がどれほど凄まじいか少しだけ話そう。

両親の目に映るそれは「堂々にして悠然」と氾濫する「ガーブ川」、せせらぎが悪魔に変貌する濁流。
地元なら誰でも知っている危険地区。

それもそのはず、

すこし昔まで沖縄は観光地ではなく、
各国の往来の拠点、琉球弧。
奥深くまで入り込む海の入り江に河川敷。

黒船来航ペリー提督が江戸前に立ち寄った場所こそ「那覇市」なのだ。すげえ嘘くさいが本当だから仕方ない。ペリー餅にペリー公園があるくらいだ。


その那覇市内は「八つの水脈」で構成され、テレビで紹介される「国際通り」の地下は今でも「ガーブ川」と呼ばれる河川が常に流れている。

戦後、ガーブ河川敷に湧いた大量の「闇の公設市場」それが国際通りの原形。「奇跡の一マイル」と呼称する実態はまさに漫画「ハンターハンター」で言う流星街、貧民街が一番近い。

沖縄戦後、
全て灰塵と帰した南の島国。
それでもたくましく生活を始めたバラック木造住宅群。

綺麗に整備された街並みとは程遠い
ルール無用の煩雑な流星街。

その河川近くに住んでいる貧乏一軒家に嵐が到来したら想像に難くないだろう。

黒船すら全て飲み込むだろう嵐と災禍の中心に座するはフリムン古民家。

取り残されるは小学生「フリムンあんちゃん」、片言まじりの「泣き虫弟のうもー😭」に戦後逞しい「初代暴君ばっちゃま」。

まあ毎度助かった理由がフリムン馬鹿野郎ですがイラストを挟み後半へ続く。

那覇市ガーブ川、氾濫一刻前。


それは昼過ぎからだったと記憶している。という事は日曜日か。土日週休2日?昭和市立凶暴小学校だぞ。

そんな我が家の木造住宅とはとても言いにくいバラック小屋の一角が突然「めりめり音を立てて」地面に穴を開け地中陥没したのだ。ガーブ川周辺の上に家が立っている。うん、当然。

今思い出した。そこは暴君とーちゃんの秘密要塞エロホニアンの場所だ。
ざまあ。

洪水朝、学校勤務🏫出勤前に言われてた「鬼教官かーちゃん」の捨てゼリフ。

「雨強くなったら洗濯物🧺取り込んでて!」だけだった。

今になって考えたら地域連携室に避難だろう。そら恐ろしい。

ただここは人外フリムン一家。

泣き虫弟んもー😤が珍しく吠えている。犬の血が騒いでいるだろう。
秘密要塞が陥没した場所から大量の浸水という名のうんこが溢れ出したのだ!

冗談ではない。うんこだった。
せせらぎ型の汚物風プール🏊だった。

フリムンあんちゃんも本能で察する。


「プールで🏊泳げる♪」

貧乏が憧れていたテレビ番組でよく見る金持ち別荘のプールが家にやってきた!
豪雨を目の当たりに外で怯えて泣き叫ぶ鬼教官かーちゃんなどいない!

狂喜乱舞するフリムンあんちゃん!

とりあえず鬼軍曹かーちゃんに怒られバットで殴られる光景だけは避けたい。
アメリカン・ドリーム館で遊ぶ前に飯二合半、洗濯物に洗剤やスリッパなどひと通りの手順を踏み、二段ベットをよじ登り屋根裏に運び込んだ。震える野良猫が数匹いたが夢だろう。

横目に戦争体験者のばっちゃんがいたが至極冷静に鼻をほじっている。
ヤツの手にはカツオブランド風削りダシが握られていた。コレは逞しい。

沖縄は台風銀座ステーション🌀。
手慣れた足取りで象が踏んでも壊れる訳ないとばかりに
安いガラス窓を雨戸各種で素早く五寸釘で打ち付け準備完了。

もちろん地下部分崩壊箇所だけは開けておく。プール開き用だ。

ばっちゃんは呑気に昼寝と洒落込んでいる。プールを見られたら大作戦が瞬時に崩壊する。

もと四軒のアパート貸し、つまり長屋の押し入れ部分をぶち抜き一軒に改造し暮らしている。

その場所も押し入れドアを封鎖し、もちろん五寸釘で打ち付け、ばあちゃんとの境い目も封鎖した。もちろん横には「泣き虫弟」改め「狂喜乱舞んもー😤」がすでに三輪車で待機している!

よくやった👍

テレビ📺を付け、水没するタイミングを心踊っていたが、既に停電していたため雷光の断末魔が見れないのを残念がっていたわ。あぶねえ。

水没していくうんこ濁流💩という名のプール🏊開き開催!^_^

2人とも水着キャンペーンボーイに着替え、おのおの自転車と浮き輪🛟に跨りその時を待つ。

外は大嵐。暴れ狂う濁流。

フリムンあんちゃんは「プール開き用」に全て外部の雨戸すべて五寸釘で打ち付け、長屋を繋ぐ四つの扉全て封鎖し巨大プール場の用意周到が裏目に出て功を奏したのがいけなかった。


  腰にも届かず水が止まったのだ!


飛び込み台用の円卓テーブルすら機能しない!
大量のプール上レコード盤投げ合いごっこも使用不可!
流れるプール上でゆったりグラス🥂を片手に金持ち乾杯すら水の泡!
プカプカ浮かぶうんこプールの上で悶えるフリムンあんちゃん。

真面目にがっかりしていたのだ。
というか本当失望した。

低学年フリムンは知らない。

悠然と小池チャプチャしている
「ハリキリうもー☺️」も知らない。

個室化でイビキをかいていた
戦後逞しいばっちゃんも知らない。


水没を免れていたのだ。


オトナになって当時のおもいでを母含め教えてもらったが、家屋のほとんどが完全水没し、かなりの被害が出ていた事を色々な情報でも知った。

死人や完全に流された家屋もあったらしい。事前に床が抜け土砂うんこ濁流が家屋外部に抜けていた事も要因だったと暴君とーちゃんが偉そうに言っていた。アマチュア無線損失エロ本マニアが💢

つまりアレだ。
プール開き用と言っていたアレ。

なぜか「用意周到で機転が回り迅速な行動のお子様です」と褒め称える消防士👩‍🚒と安心してへたり込むかーちゃんにはいまだに言えていない。

翌朝、雨上がり雷雨一過の一家。
無事救出されたオレ含め総出で片付けの中。

おとなしく手伝い、和室のみで構成された畳を外に出す朝日の中、近所から脱走した鶏🐓数羽に面白がってちょっかいも出さず

罰が悪そうに精を出すオレがそこにいた。


ここに記す事でフリムンという名の鉄の十字架から解放される事を願い筆を置く。

ん?ちょい待ち、

おい。
コレ書いたのちょっとこっち来い💢
フリムン💢

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