見出し画像

VOIDCRISIS楽しいねという話

ストアページのどこにも「ハイスピード・メカアクション」とは書いてないのに、なぜか機体のカスタマイズと縦横無尽にブースト吹かして飛び回る「ジェネリック・アーマード・コア」を期待されてしまった節のある本作ですが、じゃあゲームジャンル何なのと言われると「PvEに重きを置いた非対称型3次元MOBA」となります。開発元はタワーディフェンスではない「タワーオフェンス」という新ジャンルを謳っていますが、まぁ下敷きにしているのは完全にMOBAだし遊んだ感じもMOBAのCPU対戦です。最初は。

機体雑感はこちら

基本的なゲームサイクル

ざっくりはこちらの動画見ておけば理解できると思います。

最大4人のグループを組み、4ステージ(40分~長いと90分程度。チョットナガイ)を1セッションとして戦います。新規のセッションでは、必ずステージは1から。失敗したらそこで終了、セッションは解散。ステージごとに機体の選択・強化ができますが、強化はあくまでセッション内だけの話なので、別のセッションを立てたらまたステージ1からです。戦闘中にのみ拠点のショップで装備購入による強化も行え、こちらもやはりセッション中のみの強化となります。
現状では、本家の純対人MOBAとは異なり「対面を見て装備構成を随時変える」ということがまず無いので、機体によって「この構成・この強化順が使いやすい」みたいなのが自ずと決まってくると思います。
ちなみに、機体を選択する際にもコストがかかる上に、強化も機体ごとなので、セッション中に何度も機体を変更するのは現実的ではありません。せいぜい1回だと思います。

ルーム作成画面。セッションへの途中参加はできない。
したい。してほしい。

何が楽しいの?

移動速度が遅い。スキルのCDが長い。ブーストとスキルのリソースが共用で回復に非常に長い時間がかかる。敵が硬くてこちらはワンパン……概ねゲーム最序盤の無ビルド状態の話です。しばらく遊んでれば「アクション苦手な人間がギリ制御できる範囲の戦略アクションゲーム」になります。
強力なスキル&装備は本当に強力なので、敵集団を10機単位で粉砕したり、ボスに連続で大技を叩き込んで一気に削るような見せ場もしっかりあります。逆に味方が立て直すまで囮になって時間を稼いだり「ここは俺が抑える!お前たちはボスに行け!」といったシチュエーションも楽しめます。
※連携が肝であるのは間違いないので、ゲームに付属しないフレンドを生成して、バランスだの攻め時守り時をあーだこーだ言いながら遊ぶのがベストバランスです。作ろう!友達!

永続する強化

戦闘中の行動に応じて、微量ですが攻撃力アップだとかエネルギー容量アップだとか、そういった基礎性能の強化が機体ごとのメモリ(正確にはIAと呼ばれる機体ごとのサポート人格のメモリ)に蓄積されていきます。条件を満たせば、さらに別途スキルも獲得します。これらはセッションを跨いで、永続的な強化となります。たくさん遊んでたらだんだん強くはなる、ということです。
この強化、実はとんでもないやり込み要素です。強化を記憶するメモリ容量に上限があり、高難度ほど強化幅&メモリ効率がよく、低難度で遊び続けた場合は弱めの強化値で強化が完了してしまう、というものです。強化内容の厳選や新品のメモリで1から再育成もできますが、まぁそういうのはフリークの人に任せて普通に遊びたいとこで遊ぶのがいいと思います。私はこの強化スタイルに否定的なのもあって、そうしてます。

メモリの取得状況によってパラメータが増加
スキルは特定のメモリを取得した際などに取得できる

機体の開放

そのうち課金機体とかクリア状況に応じて追加される機体も出るかも知れませんが、ひとまずは「たくさん遊んでプレイヤーレベルを上げる」ことで新機体が解禁されていきます。
初期は万能型に見せかけた脳筋機体「トリグラフ」のみ。ソロでも何でも2ステージくらいクリアすると近接特化型の「ブラックローズ」が解禁されます。その後ゴリ押しタンク型の「グリムヒルデ」支援型の「パイドパイパー」と続き、さらにレベルが上がると「グリムヒルデの派生機体」が解禁されるという具合です。

派生機体は選択コストが高いため強化が若干遅れます。かわりに相応に初期性能が高く、通常版とは強化パターンが異なるものになっています(グリムヒルデの場合は通常版より攻撃的)単純強化ではないですが、一度解禁されれば好きに使えるので実質的な永続強化の1種です。カラーリングも通常とは異なります。

ステージギミックと戦闘の流れ

自陣の拠点を最低限防衛しながら、敵陣最奥のボスをマッハでぶっ飛ばす。基本の流れはそれだけです。以下で出てくるライン、タレット、ボスといった要素がセッションごとにランダムとなり、楽な時もあれば「いやお前それはやめろよ…」という配置に当たったりもします。

ラインの開放と侵攻ルート

自陣と敵陣は4本のライン(経路)で繋がっており、ステージ1では3本が封鎖されていて、敵の侵攻ルートもこれ1本です。ステージ2では2本、3では3本、4で全開放となり、敵が全ルートから攻めてくる状態になります。侵攻はWave単位なので、Waveの合間にこちらが侵攻するなり、誰かが食い止めつつ他が攻め込むなりして、押したり引いたりしながら戦うわけです。
Waveを全滅させると小休止の後、再度侵攻が始まります。この間隔が非常に短い。なので、意図的にタイミングをズラしたり、単純な撃破ではなく侵攻を遅滞させるのも戦略の1つになります。

タレット

ライン上には敵側の固定砲台であるタレットが常設されています。固定なので侵攻はしてきませんが硬い・痛い。タレットはボスの能力とも紐づいており、へし折ることで弱体化させることができます。なのでラインの敵の対処をしながら、ひとまずタレットを折って回るのがステージ最初の流れとなります。
ちなみに攻撃の精度はさほど高くなく、ある程度速度の出る機体なら適当に移動しているだけで攻撃を避けられるます。なので真っ先に接近してターゲットされて避けながら射撃で削るなどすると、無理なく他の仲間がドつき回せるようになります。

ボス

すんごい強い。スペックがバカ。大技喰らったら基本ワンパン。
1、2ステージはプレイヤーが操作する「トリグラフ」などの機体からランダム選出された機体が大型化したものがボスになります。3と4は専用の固定ボス。1つ1つの攻撃がものすごく避けにくいとかいうことはありませんが、基本喰らったら甚大な被害を受ける……というか大体撃墜されるので、しっかり見て避けて削るのが大切です。スタンや弱体化といった、通常ボスには効かなそうな特殊効果も全部効くので、うまくタイミングを合わせてボコボコにしていきましょう。
(追記:Ver.0.3.0)時間経過でルート進行するようになりました。ダラダラしていると拠点を割られる、事実上の時間制限です。

その他のギミック

時間経過で、ライン上を移動していく自陣側のNPCロボを召喚できるようになります。そのためにあるのが支援ゲート。まぁ「ゲート」と言いながら柱が1本立ってるだけなんですが、とにかくこれの近くにしばらくステイすると、NPCロボが召喚されます。
場所が非常にわかりにくいんですが、4ラインいずれからもアクセス経路がある中央部分の最下層にあります。ずっと召喚し続けてくれるわけではないので、一時的に敵を堰き止めてその間にボスを殴りに行くとか、そういう使い方になるのかなと思います。ちなみにこのロボ、見た目小柄でかわいいですがメチャクチャ頑丈です。

画面中央が封印中の支援ゲート
いわゆる「ジャングル」に相当する場所にある

ファントムモード

ソロでもマルチでも1周ゲームクリア最高難度のVOIDをクリアすると出現するこのモード。VOIDをマルチでプレイ中の皆さんの元に、ボス側から「こんにちは」しにいきます。VOIDCRISISを非対称MOBAたらしめている、対人戦闘モードです。
フロムソフトウェアのソウル系タイトルにある侵入をイメージする人もいるかと思いますが、大枠のイメージはそれでいいと思います。ていうかファントムてお前。

中二病の権化たるファントム機体。大正義

機体スペックと仕様

プレイヤーが最大4人である都合上、リスポーンもないのに同スペックだとフルボッコにされてお疲れ様でしたとなるため、ファントム化した機体は通常時の何倍もの戦闘力を誇ります。ボスの項目に「すんごい強い。スペックがバカ。大技喰らったら基本ワンパン。」と書きましたが、そっち寄りの超スペックです。通常時は「スキル撃つか、ブースト用に温存するか」と常に意識するリソースも、回復力が尋常ではないため結構好き放題ぶっ放せます。
(追記:Ver.0.2.0)……でしたが、調整によりスペックが乱高下中。0.2.0現在は「弱い」です。

ただし制約もあります。時間経過でゴリゴリと、本当にゴリゴリと耐久値が削れていき、最終的に1になります。ファントムが「スキルを撃って逃げる」一撃離脱を繰り返すといつまで経っても死なず、かつゲーム遅延が激し過ぎるんでしょうね。これがあるためファントム側で戦果を上げるためには、ある程度積極的に攻めて行くことが必要になります。
もっとも、ファントム機体がいかに超スペックであろうとスタン性のスキルとULTの連打を受けて袋叩きにされれば吹き飛びます。プレイヤー側からすれば当然そうして封殺するべき対象……特にVC勢なんかは間違いなくそれを狙いにくるため、やっぱり押し引きは重要になります。
(追記:Ver.0.1.0)パッチ修正で、時間経過でのダメージが雀の涙程度になりました。一部機体は自己回復、あるいは素の耐久値で相当な時間活動でき、またゴリ押しが十分可能となったため、制約はかなり軽くなりました。
(追記:Ver.0.2.0)以前より削れが早くなった?と思われます。

ファントムの勝利条件とうまみ

ファントムはボス陣営なので、最終的には「プレイヤー側の拠点破壊」が勝利条件です。が、侵入するタイミング、難易度、ステージ、その他一切を選べません。選べるのは機体だけです。ほぼステージ開始直後で全然まだ動いていなかったり、今まさにボスが粉砕されようとしているステージに参加したところで、勝利条件を満たすことはまず不可能です。ある程度進行して拮抗しているステージに参加した場合でも、押し引きをしている間に耐久値が1になって積極的に戦闘介入できる状態ではなくなります。
要するに、基本は勝てません。高難度になってくるとその限りではないですが、当然ながらプレイヤー側の練度も高くファントム対策を講じてくるので、勝てない前提でやる方がよいと思います。
(追記:Ver.0.1.0)いわゆるコア凸してれば、難易度問わず後半ステージなら大概勝てるようになりました。
(追記:Ver.0.3.0)0.2.0での弱体化に加えVOID限定化、ボス進行と環境が変化しましたが、さすがにマッチしないので状況が見えません……。

じゃあなんで、そんな勝てもしないモードをやるんだよ、という話ですが、まず端的に報酬がうまい。「永続する強化」の項目で書いた、戦闘時の行動に応じて機体に蓄積されていく機体の強化幅&メモリ効率が、マルチのあらゆる難易度よりもファントムモードで敵を撃破/コアを破壊した方が高いのです。またファントムでしか獲得できないスキルもあります。
加えて、マルチでは人数を集めてステージ1から進行して……と手順を踏む必要があり、負けたら終了の緊張感がありますが、ファントムは機体選んで参戦押すだけですぐ遊べる上、機体スペックは上記の通りです。4機相手に全滅を取れるポテンシャルは十分ありますし、なにかの拍子に勝利しようものなら、何やら暗くて重いソウルが身体から漏れ出てくるのを感じます。
(追記:Ver.0.1.0)コア凸は停止不能のゲームクラッシャーです。

さいごに

2022年8月現在、本タイトルはアーリーアクセス、まだ開発途中です。私自身の不満点としてマップが見辛い、ショップや繰り返し操作する部分のUIが酷い(パッチで一部改善されました)、フィールドエフェクトと敵のカラーリングが一致してて視認性が悪い……などなど、不満点は結構あります。あとボス撃破した瞬間のリプレイくらい見たいとか、要望もあります。ただこの非対称MOBAの仕組みとファントムでのオラつきはかなり楽しいので、フレンドとお誘い合わせの上ご購入ください、という感じです。
※ソロで1回クリアしちゃえばファントムやれますし、完全にぼっちスタイルでもガンガン遊べます。
(追記:Ver.0.1.0)現Verではちょっとおすすめできないですが、0.0.0時点で非対称MOBAとして十分に面白かったのも事実です(でなきゃこんな記事書いてないです)
(追記:Ver.0.3.0)人離れ&ファントムのVOID限定化もありマッチ不能に近いです。事実上のソロ専ゲームと化しているので、半額セールか基本無料化など、人の流入が見込めるタイミングで買って遊ぶにはいいかなと思います。

Steam:VOIDCRISIS

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?