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ANA、日本貨物航空(NCA)を子会社化へ。日本郵船から買収

 全日本空輸などを傘下に収めるANAホールディングス(HD)は3月7日、海運大手の日本郵船が保有する日本貨物航空(NCA)の全株式をANAHDが取得し、子会社化すると発表しました。

NCAの747-8FとANAの777F

 株式取得の実行日は2023年10月1日もしくは両社が別途合意した日。ANAHDは将来的に同社の貨物事業とNCAを統合し、日本を拠点とした国際航空貨物ネットワークの充実化を図っていきます。

 NCAは日本唯一の国際線貨物専門航空会社として1978年に日本郵船、商船三井、川崎汽船、山下汽船の4船社と、ANAの共同出資により設立されました。ただ初就航までは紆余曲折があり、1985年までずれ込んでいます。
 2005年には日本郵船がANA所有の株式を取得し連結子会社化。その後、NCAは日本郵船の完全子会社となりました。
 新鋭機としてボーイング747-8を導入するなど明るい話題もあったものの、長らく低迷する業績に苦しんでおり、その収支の改善と処遇は日本郵船にとって経営課題になっていました。一時は日本航空(JAL)と航空貨物事業を統合する話もありました。
 そして2018年にNCAはANAとの間で戦略的業務提携を結び、機体整備やコードシェアなどを通じて関係を再び深めてきました。

 ANAHDは2023年2月に中期経営計画を発表し、貨物事業の拡大を中核事業であるエアライン事業の利益最大化に向けた重要な手段の一つとして位置付けています。
 今後NCAの全株式を取得し、ANAHDの航空事業ポートフォリオに加えると同時に、日本最大の国際線旅客便ネットワークを活用する同社グループの貨物事業と将来的に統合・再編することで、お互いの強みを補完し合うコンビネーションキャリアとして収益性を高め、成長戦略を加速させていきます。

 2023年3月現在、ANAHDが保有しANAカーゴが運航するフレーターはボーイング777F型2機とボーイング767F型9機の計11機。NCAが保有するフレーターはボーイング747-8F型8機と他社にリースしているボーイング747-400F型7機の計15機となっています。

ANAのボーイング777F(JA771F)
ANAのボーイング767-300F(JA602F)
ANAのボーイング767-300F(JA605F)
ANAの767-300BCF(JA8323)
NCAのボーイング747-8F(JA12KZ)
NCAのボーイング747-8F(JA17KZ)


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