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展示会ブースの「誤解」/その1-【壁があると来場者が入って来ない】

展示会出展における慣習の中で

展示会ブースを考える際に、よくある「誤解」があります。
展示会への出展を考える際、ブースのデザインを考える際に「こうしてしまえば、来場者が集まらなくなるのではないか」と思われるもの。これまで展示会に出展されてきた方の中には、そんなNG例みたいのものがあるのではないでしょうか。

また、逆に「この感じだと来場者が寄ってきてくれる」という考え方。そんな誤解もあります。例えば、通路が広い方が来場者が集まる、というような(この項目は後日解説)。

展示会ブースには、これまでの慣習の中で「当たり前」だと思われていた「常識」が、実は集客にはマイナスに働いている、ということが実は多くあります。本稿ではこのことについて解説を行っていきましょう。

壁があると人が入って来ない、という「誤解」

本日はまず「壁面」の考え方について。
これまで展示会に出展された経験のある方は、このように考えてはいないでしょうか。
自社ブースを検討する際に、

「通路面に、【壁】を作ると客が入って来ない」

というもの。
展示会場内にある通路。その通路に面して壁を設けると、その壁に遮られて来場者は入ってきてくれないのではないか、と思われがちです。 ですので、当社でも、初回のプランで通路際に壁を設けたプランをお客様である出展社の方にお見せすると、大抵の方は「・・・大丈夫ですか?」と思われます。

確かに、通路面に大きな壁を隙間なく設けると危険です。 ですが、一方で想像していただきたいのは、もし全面が開放的でオープンであれば、来場者がどんどん入ってくるのでしょうか? 
皆さんが、日頃商業施設を歩いていて、立ち並んでいるそれぞれの店舗が、全面オープンであれば入り、壁があったら入らないでしょうか。おそらく多くの人が、必ずしもそうではないのでは、と思います。

通路に面した部分をほとんど壁面に

当社では、展示会ブースにおいて(そして店舗も同じだと思うのですが)、このように壁を設けるプランをご説明する時には、以下のようにお伝えします。

「オープンだから人が入る、のではなく、壁があるから入らない、のではないんです。どんな時に、人は入ってくるのか、それは【気になった時】なんですよ」

と。
全面がオープンでも、気にならなければ来場者は入って来ないし、壁があっても気になれば入ってきてくれます。 つまり、壁面を設けても「気になるように」すれば、入ってきてくれるのです。
「見えそうで見えない」 あの心理ですね。

壁面の間、壁面に開けた開口部、この設定が大事
壁面に中が伺えるような開口部を設ける。中の人と「目線」が合わないことがポイント

ですので、通路際に壁面を設ける場合、壁と壁の間にさりげないスリットを設けたり、壁面の一部に開口部を設け、その内部が気になるようにする。そうすると、想像以上に来場者はブース内に入ってきてくれるようになるのです。ポイントは、中にいる来場者と目線が合わないようにすること。目が合ってしまうと思わず避けてしまう行動をとってしまいかねないので、目線はうまく隠すように開口を空けるようにします。

「壁があるとお客さんが入って来ない!」と言われているデザイナーさん、そう言われた展示会担当者さま。 是非、このロジックで先方を説得してみてください。 もちろん、その前提として、さりげない隙間で「入りたくなる」ようなデザインにすることがなにより大切です。

壁面同士の間隔も計算して決めている

上記のような壁面の場合、一番右は広めにして「中に人が入るための開口部」、真ん中及び左は、中が気になるようにさりげなく見えるようにした開口部。壁面の横幅は背面にどのようなものを展示するかで決定しています。隙間全てを、来場者が出入りできるようにする方がよいのですが、今回の場合、寸法的に1か所のみを出入り用、その他を「気になる用」として計画しています。

ブースの1面だけは全オープンに。ここに内部に対する視線を集中させる
外から壁に見える壁面も内部は商品を説明する場所に



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