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「商業施設」集客の突破口/「ビジネス空間デザイン」とは?

「商業施設」における集客手法を考えてみたい。

現在、店舗・飲食店等に代表される商業施設(=商空間)は、これまで以上に「客を集める」ための技術が必要になっていると感じています。
現在の経済的不況、そしてEC市場の活性化はリアル店舗のあり方を見直す転換点となっていることは誰もが共感してくださることと思います。そんな中で「リアル店舗」の意味とは何か、今後のリアル店舗のあり方とは何か、模索している方も多いのではないでしょうか。

今後のリアル店舗はどうあるべきか。

この内容については、後日改めてお伝えすることとして、ここでは、これまで「ありそうでなかった」集客の考え方についてお話ししようと思います。この考え方を私は「ビジネス空間デザイン」と呼んでいます。ビジネス、の言葉が付いているように「ビジネスとしての結果」を出すことを目指して設計する空間デザインの手法のことを指しています。

「店舗における集客手法」と聞くと、まずVMDを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。確かにそれもあります。しかし、そのVMDの手法について話している方、という方のほとんどが店舗コンサルタント、またはそれに類する職業の方で、「店舗設計者」ではない、少なくともそうでない場合が多い、ということにお気づきでしょうか。今、世界に大勢いる店舗設計者も、多くの方が「集客」のことを考えて設計・デザインしているはずなのですが、なぜか「設計手法」について語られる時に「どう客を集めるか」「客を集めるためにどう詳細の設計をしたか」についてはほとんどフォーカスされていないのです。

一方で、デザインが今のビジネス・経営に必要、という視点については現在多く語られるようになってきました。ビジネス書のコーナーに行けば「デザインの必要性について」書かれた本が多く見受けられます。しかし、そこで語られる「デザイン」のほとんどは「空間デザイン」について踏み込んで解説してはいないのです。これはいったいなぜなのか。どこに課題があるのか。疑問に思うところです。

さて、今ここではこのことがなぜかを追求することはせず、ビジネス的な結果を出すための空間デザインの手法について、お話ししていきたいと思います。

客が少ない商業施設、そして店内。
売上の下がる店舗。増える空きテナント。
これらの状況に対して「展示会ブースの集客手法、そして展示会の技術がその突破口になる」。そう聞くと、一瞬何のことか測りかねるのではないでしょうか。ここでお話しする「展示会」とは、東京ビッグサイトなどで開催されているB2Bの商談会のことを指しています。これから、このことについてお伝えしていきましょう。

「商空間」とは

その前にまず「商空間」という言葉について初めにお話ししておきたいと思います。ここでお話しする「商空間」とは「集客や売上などの結果を出すことを目標とした空間」のことを指しています。物販の店舗は、そこで売られている商品を消費者に買ってもらうことが目標となっています。また飲食店の場合、まず店に来ていただき、食事をしてもらい最終的に満足して帰っていただくことが目標となるでしょう。どちらもまずは「客を呼び寄せなければ」いけません。そのために店舗などの空間はどうあるべきなのか。店舗の形状、文字などの「在り方」が重要な集客要素になっていることは容易に想像できると思います。

「展示会」とは

さて、それでは「展示会」はどうでしょうか。
展示会は日頃縁のない方々には何が行われているのか分かりにくいところですが、東京ビッグサイトなどの会場ではまず「出展者」としての立場の方々が会場内に「店」というべき「展示会ブース」を建てます。(ちなみにこの「店」は1日で建ててしまいます)。そこへ、客となる来場者が会場内を歩き回り、商談を行う相手を探す、という図が広がっているのです。この図から分かる通り、この展示会も十分に「商空間」と言える場になっています。ただし会期は多くの展示会の場合、わずか3日間。この3日間で店(=ブース)を出した出展者は集客の結果を出さなければなりません。とすると、ブースはどのように客(=来場者)を集めるのか、設計に当たっては短期間で客を集めるためのそのシビアな考え方・設計手法が求められるのです。

さて。冒頭でもお話ししたように、私は、このように主に商空間において「結果を出すための空間デザインの手法」を「ビジネス空間デザイン」と呼んでいます。今後の記事では、このビジネス空間デザインについて、そして、そのビジネス空間デザインの「最たるもの」と言える「展示会ブースのデザイン手法」について詳細にお伝えしていきたいと思います。


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