2018年6月、創業計画スタート。まずはここからはじめてみました。
鹿児島市の騎射場で居酒屋『ペンギン酒店』を夫婦でやっています。ちなみにペンギン酒店は、こんなお店です。
トップ写真は、2018年6月撮影。近所のケーキ屋さん「アプリコット」です。二代目のおにいさんが毎回季節のポスターではっちゃけてます。ちょうどこの時から僕ら夫婦は開業に向けて本格的に動き出しました。
あ、これアプリコットの「まるごと桃」です。おいしそう。
あ、今回ちょっと長いです。長くなっちゃいました、すいません。
☆はなちゃんと決めた「開業の目的」
なんのためにお店をやるのか、ということを改めて夫婦ふたりで話し合ったのがすべてのとっかかりでした。
目的によってはやっぱり自営業じゃなくてサラリーマンのほうがいい、という結論にもなりえるし。場所も鹿児島じゃなくてバルセロナのほうがいい、という結論にもなりえるよ。と、とにかくすべてをまっさらにして自分たちの本音を掘り出していきました。
毎日どんな暮らしがしたいのか。
どんな環境で仕事をしたいのか。
将来どんなふうになっていたいのか。
両親とは、家族とは、友達とは、どう繋がっていたいのか。
そのためにお金はどれくらい必要なのか。
けっこう本質的なことを掘り下げていきました。
この時期、ブラジルから遊びにきてくれたジョゼと鹿児島の市場食堂へ。
☆目的のために「どんなお店にするのか」
いくつかあった開業の目的のなかで、特に重要だったのが
『家族といっしょに、できるだけたくさんの時間を過ごす』ことでした。
このために当時考えたお店が「平日食堂、週末酒場」でした。
みんなが毎日たのしくごはんを食べる場所。
平日は元気になれる定食、惣菜、お弁当屋さん。
週末はゆっくりお酒を飲んでくつろぐ酒場。
テーブルやカウンターを囲んで、大人も子供も、みんなが笑って、話せる場所。
作った料理を定食、お弁当、お惣菜として食べる人たちのニーズに合わせて出せるようにすれば喜んでもらえると考えていました。
そうすればお客さんも家族で笑って過ごせる時間が増えるかなーと。
そして、平日は僕らも家族で晩ごはんをいっしょに食べる。
家族の時間を大切にしつつ、お店をやっていこう、と思っていました。
☆まずは相談相手をみつける
僕らふたりでいろいろと話し合い、意見をまとめ、その次に「相談相手」を探しました。
親身になって時間を惜しまず相談にのってくれる人って誰かなあと思った時、やはりその人には料金を支払って然るべきだなあとも思いました。
ということは、お店を作る時に仕事をお願いする人=店舗デザイナーさんかな、と。
お店のデザインについては僕らふたりともド素人だったので、自分たちが「いいなー、好きだなー」と感じたお店を作った人にまずは会ってみようと思いました。
ふたりともどうしても東京で過ごした時期が長かったこともあり、東京のお店中心になってしまったのですが、そうしていろんな人に相談のメッセージを送ってやりとりしていたところ、思ってもみなかったところからお話がありました。
世界一周の旅に出かける前に話を聞きにいってた美容室のオーナーさんから「自分とこのお店やってくれたリオさんっていうデザイナーさんやったら紹介できますよー」と言われたんですけど、
その時、その人が以前ブログで書いてたひとことが、いきなり思い出されたんです。
(新店舗の)内装お願いしたリオさんがどんどん俺らのやりたいイメージを引き出してくれて、CGで度肝抜かれるほどの店内を表現してくれた
自分たちのイメージを引き出して、わかりやすくカタチにしてくれる。ってすごくないですか?
そのあとすぐに連絡して、そこからずっと相談にのってもらいました。
プロフィール写真=本人が推してる写真ということでご紹介します。ネジアーキテクツという事務所をやってらっしゃる、リオさんです。
この怪しいおにいさん、お住まいが東京にあるはなちゃんの実家から徒歩5分くらいということでちょっと尋常じゃない縁を感じました。
鹿児島ー東京という遠距離ではありましたが、まずはメッセージのやりとりからはじめさせてもらいました。
☆コンセプトを作っては壊す、その繰り返し
この時期のメモ帳を見ていると、コンセプトを作っては壊している状態がありありと思い出されます。
☆平日食堂、週末酒場→段階的に売上利益の予測を立てたが、平日夜の営業をしなければどうにも売上が足らず、いったん諦めることに。(2018年6月)
☆スタッフとお客さん、お客さんとお客さんがなかよくなれる食堂&酒場。
飲み放題と料理で3500円+アルファ。
たのしいセルフサービスが満載。
おもしろいポップが並ぶ大人のドリンクバー。
ワインもサングリアも自分たちで選んで注ぐ。
カクテルも焼酎も自分たちで作る。
料理は定番の惣菜、生ハム、サラミで盛り合せからスタート。
ポテサラや枝豆、フライドポテト、唐揚げやハンバーグ、もつ煮込みやトマト煮込みなど
餃子、ソーセージ、ローストポーク、ローストビーフ。
定番のものにハーブやスパイスを組み入れて外国の香りを。
酒にあうものはごはんにも合う。
昼めし営業1000円にも惣菜や煮込みは使っていく。
盛り放題の蒸し野菜バイキング、自分たちで焼く炭火焼鳥、おでん鍋など
料理も楽しいセルフサービスを取り入れて会話を増やしていく。基本的には自分とスタッフ1人でオペレーションが組めるように。
営業中の手はなるべくあけられるよう、仕込み勝負でメニューを組んでいく。
(2018年9月のメモより)
→昼、夜とおして日々営業。売上利益としては十分だが、単純に長い時間働きすぎ。。。
☆お客さんたちが自分たちで作って楽しむセルフキッチン。
壁に日本酒やワインが並ぶ冷蔵ショーケースがあり、焼酎や果実酒が並ぶ棚があり、そこから飲みたいお酒を選ぶ。
自分たちで材料を持ち寄って、思い思いに料理してつまみを作って、みんなで食べる。
そういう楽しみ方が出来るお店。
キッチンに関しては、お客さんにどんどん気軽に使ってもらえるキッチンに。
ABCクッキングスクールくらい境目がなく、みんなで囲めるキッチンというイメージなのですが、スクールの女性っぽいイメージではなく、ステンレス業務用を使ったごつめの男性イメージで作りたい。
(2018年10月のメモより)
→さすがに前例が少なすぎる。リオさんが東京で1軒だけ同じようなお店を手がけたことがあるけどちょっとむずかしいかも。
こんな感じで毎日のように頭の片隅で、まだ見ぬ僕たちのお店について考える日々を送っていました。楽しかったというよりは、ただひたすら「考えまくって、脳みそが沸いている」という状態でした。
☆初心に戻る
脳みそが沸いて溶けかけた時にパソコンの中から見つけた、世界一周から帰って来た直後、東京で考えていた「10坪以内のちいさなバル」についてのメモです。
鹿児島に帰ったら10坪以内のちいさなバルからはじめる。
グラスワインとドリンク3杯+4皿=税込み3500円予算。
税込み500円、世界のワインとカクテル。
税込み300円、500円で出せる世界のタパス。
税込み800円、自家製の特大スパイシーソーセージ
税込み800円、世界のカレー的なものやパスタ
税込み300円、世界のデザートやジェラート
世界各国で見て来たものや聞いて来たものをネタに、写真や映像を使った内装。
ワイン飲みながら、料理食べながら、隣り合わせた人たちとワイワイ話す世界のこと、日本のこと、鹿児島のこと。
まずは1日平均20人、客席は10席。
つまり1日きちんと2回転で「あそこいつもいっぱいだね」のお店に。
満席が最大のごちそう、最大の販売促進。
スタッフ2人で平均月商150万。月給25万ずつ取りながら営業利益20万。
2店舗目も同規模で近所に。相乗効果で両店舗とも平均月商200万目指す。
200万いけば一店舗当たり月の営業利益60万。トータル120万。
家賃20万と4人分の給料100万を1ヶ月で稼げる。
→年に一度、有給休暇1ヶ月全員が取れる。
創業3年目には3店舗目出して、1店舗は店長夫婦で独立してもらう。
創業4年目で4店舗目、5店舗目。
自分が持つのは常に2店舗に絞る。
人が集まるバルという場所。夢や目標を語り合うことが出来る場所。
そしてそこから派生していく事業展開。
(2015年11月、世界一周から帰って来てすぐのメモ)
一年間仕事をまったくしないで旅をして帰って来た直後、おそらく脳みそがだいぶスッキリとした状態で書かれたメモです。数値としてはだいぶ甘いですね。。。
ただ、これを読んでから、少しずつ自分たちがやりたいお店が見え始めてきたようにも思います。
(つづきます)
子育てしてる大人たちが心からリフレッシュできる飲食店を作っていきたいと思っています。応援してくれたらとってもうれしいです。