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第4回:ウェブマーケティング解析の方法について

前回の第3回では、「ビジネス分析とユーザー分析」というテーマで、ビジネスフレームワークやユーザーフレームワークを用いて、勝てる市場を見出す方法をお伝えしましたが、今回はその中でも「ウェブマーケティング解析」を使った市場や競合分析の仕方について、【改訂版】Web解析士認定公式テキスト2020で学んだ内容の要点として、まとめていきたいと思います。

参考文献:【改訂版】Web解析士認定公式テキスト2020 
第3回の内容はこちら → 第3回:ビジネス分析とユーザー分析


1、絶対評価と相対評価

ウェブマーケティング施策の評価方法として、アクセス解析が一般的ですが、そのデータの見方として、過去のデータと比較することとして「絶対評価」、競合、代替、異業種などと比較することが「相対評価」となります。

・絶対評価:過去の数字、任意で定めた基準値から、以前と比較しての成長度合いの確認ができます。

・相対評価:他社との比較(同業、代替競合、異業種他)から、市場における優位度合いの確認ができます。メリットとしては、適切な目標値の設定をしやすくなるという点です。同規模の競合他社を参考にすることで、自社の目指すべき目標値を定めやすくなります。常にベンチマークを意識することが大事です。


2、ベンチマーキングの進め方

先ほどの相対評価で触れましたが、ベンチマーキングとは、自社にとって取り込みたい優良事例を持つ企業を対象とし、成功事例を見出し、自社との差を明らかにして目標を定め、方針を見出すことです。

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さらに、6つのステップでベンチマーキングを進める方法を説明していきます。

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STEP1・業績:市場トレンドが伸びているのかを確認し、次にその業界を牽引している主要プレイヤーであるベンチマーク企業の業績を考査します。 

STEP2・ウェブ来訪者数:ベンチマーク企業のウェブサイトのパフォーマンスを確認し、業績と連動しているのか、サービス内容と連動した傾向なのかなどを分析します。

STEP3・来訪者内訳:ウェブ来訪者の属性、トラフィックから、集客への取り組みの違いを精査します。

STEP4・検索順位:SEOのパフォーマンスを調べて、検索流入への取り組みの違いを検討します。

STEP5・表示速度:表示速度を調べて、閲覧ストレス軽減への取り組みの違いを検討します。

STEP6・更新頻度:更新頻度や更新内容を調べて、ユーザビリティやコンテンツへの取り組みの違いを精査します。


また、合わせてベンチマーク企業のベストプラクティスは何か、次のような視点を持って仮説だてを行います。

・広告施策、PR施策、SEO施策

・ユーザビリティ改善(ページ速度)

・更新=改善頻度

・UI設計

・コンテンツマーケティング

「施策につながるデータに注視する」というウェブ解析の原則に従って、「解析結果から何の施策につなげられるのか」ということをイメージしながら調査設計をすることが大事です。


3、ベンチマーキングのための情報ソースとツールの紹介

いくつかおすすめの情報ソースとツールが、この書籍で紹介されていたので、下記にいくつかピックアップしてまとめてみました。

・市場トレンドの確認:Googleトレンド / Googleキーワードプランナー 

・主要プレイヤーの業績を確認:業界動向サーチ / 日経会社情報DEGITAL

・ウェブサイトのパフォーマンスを競合と比較:SimilarWeb (特に確認したい情報:Visit/UU/平均直帰率/平均PV/平均滞在時間)

・ウェブサイトの来訪者の属性を確認する:eMark+ (特に確認したい情報:性別/年代/地域/職業/未婚既婚/子供有無/世帯年収/個人年収)

・ウェブサイトのキーワード別順位を確認:ランキングチェッカー ※会社ごとのキーワードの検索結果を比較できる。

・ウェブサイトのランキングの要因を確認:SEOチェキ! (特に確認したい情報:タイトル/ディスクリプション/キーワード/h1要素、インデックス数(ページ数=コンテンツ数)/キーワード)

・ウェブサイトの表示速度のパフォーマンスを確認:Pingdom (特に確認したい情報:load time/ファイルサイズ/構成ファイル数)

・ウェブサイトの更新頻度を確認:Internet Archive (特に確認したい情報:更新履歴/更新内容/過去のウェブサイト)


第4回は以上になります。基本的に1つのツールだけで全てを分析することが難しく、要因をさらに深掘りして追求するときは、3で紹介した各種ツールを利用していくことで、原因の特定や、新たな施策へのヒントを得られると思います。

第4回まで細かく説明してきましたが、以降は応用編が多いので割愛します。特別編は、実際に解析士の資格を受験した感想と、合格のコツを記事にします。



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参考文献:【改訂版】Web解析士認定公式テキスト2020 

Fin


バックナンバー: 第1回:Web解析士ってどんな仕事?       
バックナンバー: 第2回:Web解析の基本的な指標について
バックナンバー: 第3回:ビジネス分析とユーザー分析

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