人 VS AI翻訳

通翻訳大学院にいくと話すと、5人に1人くらい話題に出すのが
「Chat GPT」だ。登録している翻訳会社のメルマガでも取り上げられていた。先日も、웹툰翻訳大賞に選ばれた作品にAI翻訳が使われていたと話題になった。
そこだけ聞くと、正直びびる。今から勉強しようとしている者として、道が閉ざされてしまいそうな不安がよぎる。

しかし、まだまだ人にしかできないことはあるという話を探すようにしながら聞きつけている。(希望を失わないように…)
翻訳大賞に選ばれた作品の翻訳家は、全部が全部AI翻訳を通して作成されたものではなく、部分的にパパゴなど使用し、論文資料も調査しつつ後続調査をしながら物語の背景を把握するようにして、作成されたようだ。AI翻訳は、検索結果や蓄積データで得た情報から、最適なものを選んで提示する形式に近いので、やはり限界がある。

また、先日の授業で教授はこう仰った。人の翻訳とAI翻訳の重要な相違点は、「秘密保持」だ。情報社会において、翻訳された情報ももちろん重要な価値をもつ。AIは情報を収集しながら精度を上げていることを考慮すると、何でもかんでもAI翻訳にかける行為は、場合によっては非常に危険なのである。その点では、秘密保持を守ることが原則となっている通・翻訳家にとって、AIにはない価値が見出せる。

だからといって、通翻訳の勉強さえしてればいいわけでもない。
時代とともに移り変わるニーズに合わせて、プラスアルファとなる部分を身につけることは不可欠だ。そして、生き物としての言語を常に追い続ける姿勢が求められる。ファイティン。


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