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楽しく、さよならしようね

コロナで日常生活が少し変わっているというものの、春は別れの季節。わたしは何と4月から部長もマネージャーもチームのメンバーも全て変わる。わたしが異動した訳ではないのに、さよならが多すぎて動揺してる。というか6月に結婚式やるんだけど、誰一人同じ部署じゃない笑。

別れはエネルギーがいる。今まで築いた関係性をまた一からやり直すということだから。そして一般的に言うと、とても辛いものだ。
だから昔は、なるべく自分が傷つかない方法を選択してた。何事も起こらないように、嫌なこと寂しいことも包み隠して、自分から黙って去っていく。フェイドアウトしていく。それがわたしの別れ方だった。

時は変わって。今たまたま別れようとしてる人にわたしはあえて「嫌なこと、寂しいこと」を相手が傷つかないように伝えてみた。本当はフェイドアウトする気満々だったんだけど、客観的に状況を見ていた人から「このままだと絶対後悔するよ」と言われて勇気を出してみたのだ。
案の定わたしはフェイドアウトより何倍も傷つき、気持ちがズタズタになって、若干伝えたことを後悔していた。

そんな時に、cotreeの櫻本さんのnoteを見た。

https://note.com/marisakura/n/n785757594bce

そして思い出したのだ。わたしが過去にたった一度だけ、「笑顔でお別れ」した失恋のことを。

上記に書いたようにわたしの別れ方は基本的に自分が傷つかないことが1番だった。それは恋愛でもそうで、メールで別れを告げたり告げられたり、気づいたらフェイドアウトしたり、恋愛の関係は春の桜の盛りみたいにふと気づくと終わっていることが多かった。

けれど彼のことが心から大好きだったわたしは諦めきれなくて、彼も明日からもう会わないという決断が出来なくて、お別れのリミットは決まっていたから、その時までに他の方法がないか話し合った。リミットは彼が転勤で引越しする前日、2018年3月20日。
そこまで沢山のことを話した。将来の夢から住みたい場所から、欲しいものまで。

一方でわたしは上司にも相談にのってもらった。上司はわたしの気持ちに共感しつつ、こう話してくれた。
「厳しい言い方するんだけど、2人のやりたいことも方向性も全然違うから一緒にいるのは難しいと思うよ。2人とも悪くないんだよ、ただ築きたい関係性が違うんだよ」

ほんとにその通りで、私達は話せば話すほど一緒にいる選択肢はないな、とお互いに腑に落ちてきた。とても悲しいけれど。そしてタイムリミット。
武蔵小杉の駅前の桜が咲いている広場のベンチに腰掛けてたわいない話をして。そして少しづつ終電も近づいた時に彼は、口を開いた。
「みよちゃん、僕はやっぱり一人で転勤先に行くよ。そして二度と会わない。これから2人とも別の人生を生きよう。ありがとう」

「うん、別で頑張ろうね。こちらこそ本当にありがとう。楽しかったな」

別に強がりでもなんでもなくて、笑顔でお礼を言って、2人で握手してお別れした。生まれて初めて、恋愛で納得いく、笑顔の別れが出来た。

そのあとわたしが婚活を頑張ったのはわたしの周りの人は知ってるんだけど、結果的に旦那さんに巡り合えたのは「一緒にいられない痛み」と「好きだけじゃどうにもならない虚しさ」を身に染みて分かってたからだと思う。もしも、あの時何もせずフェイドアウトしてたら、上手くいかなかったことを彼のせいにして終わってたに違いない。人を変えれば何とかなると思い込んでいたに違いない。けれど最後までちゃんと話したことで、わたしの求めていることが分かったし、それは純粋な恋愛で解決出来ないということが身に染みていた。だから本当に求めるパートナーが欲しいと気づけたし、実際に求めていた理想のパートナーである旦那さんに出逢えたんだと思う。
失った関係は大きかったけれど、自分の中できちんと腑に落ちれば絶対にそれ以上にかけがえのない関係を築くことが出来たと今では思っている。

ぼのぼのの好きなセリフに「楽しくやめようね」がある。辞めることは辛いことだ。けれど、それを「楽しく」辞めるという発想が素敵だなと子どもの頃から感じていた。

別れもそうなのかな、と思う。別れ自体はとても辛いし後ろ向きな面が大きい。
けれどお別れするからこそ、お別れした後の自分のビジョンを話したり相手の興味を聞くというワクワクすることをやってもいいかもしれない、とも思う。その人との関係性を通じて自分の欲しいこととかやりたいことを知るチャンス。そして相手の本当に欲しいものも。
だから櫻本さんのnoteの通り、やっぱりわたしは別れに向き合いたいと思う。好きな人でもそうでなくても相手のためというよりは自分のために。

今ズタズタに傷ついてるけど、わたしは別れを通じて自分のことを沢山知れた経験がある。きっと、大丈夫。

だから、「楽しく、さよならしようね」

自戒もこめつつ。



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