20人学級と教科担任制〜海外のケース

先日、日本の公立小は35人学級を目指す指針を記事で読みました。実際、子供を持つ親からみても、現在の公立小の先生は大変そうです。昔ながらの制度、仕組みの中で、ICTや英語など、新しい事や雑務がどんどん増えていっている印象。一方、少し前まで、我が家の子供が通っていた海外のインターの小学校の先生は、教える事やクラスの子供達に向き合う事、つまり本来的な先生の仕事に集中できていました。教科担任制で、更に20人学級。遠足の仕切りや各種イベントは、事務方やPTAにお任せ。これが目指すべき方向ではないかと思うので、ご紹介します。

まず、1クラスの人数は20人未満。ドイツの公立小でも25人未満の様です。人数が少ないと、こんな事もできます。例えば、算数の時間には、レベル別に4つのグループに分けて(給食の机配置みたいにして)それぞれのレベルに応じて、難しい問題にチャレンジさせたり、基礎的な事をしっかり教えたり。先生がグループ毎に周ります。

また、発言する時も気軽で、距離感も近くて、ちょっと丸くなって集まって、ワイワイガヤガヤ、ディスカッションという姿もみます。小さいツアーにいるガイドさんとお客さんの距離感というか…気軽に話せる輪の大きさというか…。子供も傍観者ではなく、参加者になる感じというか…。

何より、個々の子供達と直に接している機会が多いと感じます。

そして、教科担任制。子供の小学校では、担任の先生が教えていたのは、算数、理科、社会。

音楽、美術、ICT、体育、語学はその教科の先生がしていました。語学は担任先生も含めたレベル別。学年を3つにわけていました。ICT、体育あたりは先生によって得意不得意があると思うので、専門の先生に任せる事で、だいぶ負担も減りますし、ICTは特に、最先端を知る専門の先生が良いですよね。担任の先生は空き時間も多くて、その間に自分の担当する教科の準備もされていたと思います。

遠足の手配は、全部事務方。先生は当日に事務方から教わった住所をあてに、グーグルマップを見て、連れていく感じ。付き添いの親もボランティアで募集します。子供の日頃の様子をみたい時など、こういうボランティアは良かったです。インターナショナルデーなどの行事も、仕切りは全部PTAで。先生はお客さんとして遊びに来ていました。

クラブは、多少のお金は払いますが、全部プロの先生が来てくれます。3ヶ月おきにプログラムが発表されて、応募。参加者みんなでお金を出して、学校の施設を使い、お手頃な値段で先生を雇っているイメージです。

テニス、サッカー、ダンス、ミュージカル、アートなど。柔道もありました。マーシャルアーツは欧州ではかっこいいのか、人気。娘の友達のドイツ人女子もインド人女子も参加していました。ミュージカルは1年で1つの作品を完成。ダンスはコリオもヒップホップも。学校の先生はほぼ関与せず、負担にならない良い方法でした。

娘の学校の社会の授業では、こんな面白いのもありました。朝、学校にきたら、裏庭にUFOが不時着してる。みんな興味深々。宇宙人が手紙を残していた(という設定、UFOはアルミホイルなどで作られてて、不時着された跡も演出、手紙も残されてるという、大がかりな演出)手紙には、こんな事が書いてありました。「みなさん、こんにちは、地球について調べにきました。教えて下さい。Joxより」Joxは宇宙人です。笑

画像1


それから子供達はJoxに教えるため、地球について調べます。レポートも書きます。

そして、Joxはある日、「ありがとう、みんな、よくわかったよ。」と、手紙を残して、去っていきました。姿をみた人はいません。設定や芸が細かすぎて、笑いました。先生に余裕があるというか…。

日本の学校の先生も本来的なお仕事に集中できる仕組みになり、こんな余裕が生まれたら良いですね!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?