マガジンのカバー画像

ぺも短篇集

11
エッセイや物語など
運営しているクリエイター

#蝉丸

蝉丸についての思い出

蝉丸についての思い出

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関

私が最初に覚えた俳句である。百人一首にも記載される、蝉丸の句である。

「どの人もここで出会ってここで別れる、まさに大阪(逢う坂)の関だなぁ」という、恋愛の句が多い百人一首にしては少々異質な恋愛がらみでない一期一会を詠んだ句である。

私がこの句をどの俳句よりも最初に覚えたのには、とあるエピソードが関わっている。

幼稚園の年長の頃、

もっとみる