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セーラー服の女の子

セーラー服の女の子に並々ならぬ憧憬と、欲望みたいなものを抱き続けてはや十何年。

セーラー服って無敵な気がする。

女の子を引き立たせる最たるアイテム。「セーラー服と機関銃」に代表される、ギャップ萌えの象徴。セーラー服と武器は美学。これ別にブレザーの女子高生でも、パーカーの女の子が武器を持っていてもドキドキするんでしょうけど、セーラー服は格別ですね。セーラー服ってものの持つ底知れぬ魅力を感じます。

何が言いたいかっていうと、江口寿史さんの最新の画集、「RECORD」を買いました。

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すてき。

私の江口寿史ジャケとの出会いは、銀杏BOYZ「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」のCDジャケット。

中学二年生の時でした。

当時、音楽に出会う旅を始めて間もない自分にとって、近所のTUTAYAのCD10枚1000円がかなりの恋人であって、音楽雑誌で見つけた気になるバンドや好きなバンドの憧れているバンド、好きなバンドと同じジャンル、という派生だったり、ジャケット借りだったりをして、MDに落とす。その中でも気に入ったCDは週末に電車を乗り継いでCDショップに行って買う、という具合でした。

銀杏BOYZに出会ったのは、もうめっちゃくちゃ、イタかったとき。自分が世界で一番不幸だと思っていたし、私のことなんて誰もわかってくれやしないんだ!殺してくれ!殺してやる!と心の中で大暴れしていたころでした。たまに思い出して死にたくなりますけど、同時に愛おしさもありますよね。あれがあったから銀杏BOYZに出会えたわけだし、あの時の自分に良い意味で戻れるし、原点です。まさに。

このアルバム、そして銀杏BOYZが歌う、きみ、あの子はみんなきっとセーラー服

僕にとって君はセーラー服を着た天使 色白で無口でどこかさみしそうな女の子 -「あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す」

歌い出しからセーラー服の女の子の描写が飛び出すこの楽曲。クラスメイトの君はきっと黒髪のきれいなセーラー服の女の子で、彼女のお母さんが新しいパパを見つけて再婚する。そのことで彼女の転校が決まっていて、遠い街に行ってしまう。そんなのは嫌だから、君のパパを殺したい僕が君を守るからっていう、ピュアで可哀想で愛おしい、パンクソング。このパパをヒトラーととらえ、第三次世界大戦さ、と表すところも峯田和伸のなかにいる中学生が生きていて大好きです。

私の中学校はセーラー服じゃなかった。

高校もセーラー服じゃありませんでした。

正直、高校はセーラー服のところに行こうかとも迷いましたが、結局ちゃんと自分が行きたい高校を選びました。当たり前だ。ブレザーはブレザーで良かったし思い出もそれなりにあるけど、セーラー服に対する欲望は憧れと共に誇大化していったような気がする。

江口寿史さんの描くセーラー服の女の子は格別で、匿名性を持ったセーラー服のこの子に、私は憧れ続けている。

アルバムとして、作品としての素晴らしさと、ジャケットの素晴らしさ。個々の力はもちろん、合わさることで更に名盤としての印象が何倍にも強くなるような気がしています。

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