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LEOMOリモートフィッティングを受けてみました

2020年9月10日に公開されたリモートフィッティング。当日に宮澤さんのTwitterで情報を知り、ちょうどサドルの高さとか前後位置を調整したいなと思っていたタイミングだったので、すぐに申し込みました。

こちらでは、フィッティングの流れや感想をまとめてみたいと思います。

LEOMOの紹介ページはこちら。
https://www.leomo.io/pages/remote-bike-fitting-jp

1.概要

このフィッティングは、LEOMOのTYPE-Sとモーションセンサーを用いて、身体の各部の動きを確認しつつ、サドルの高さと後退幅を決めていきます。

サイクリングフォームに関する技術は、今まで数値化することが難しくあまりフォーカスされてきませんでした。TYPE-Sと弊社独自の指標Motion Performance Indicators(MPIs)はそれを日々のトレーニングやレースにおいて可能にします。全てのアスリートは体格や環境が皆異なることから、一定の型にはめ込まずにそれぞれのベースラインを決めることがスタートポイントとなります。数値化されたフォームの情報を基に経時的な変化をパワーやケイデンスと比較しながらデータを分析したり、疲労の蓄積によるデータの変化をみていきましょう。そこから得られたヒントをフィジカルの強化やテクニック向上に役立てることができます。

ちなみに、モーションセンサーでは以下の10項目の測定ができます。
ただ、今回はセンサーは胸にはつけて行わないので、最後の3つの項目は使っていないはずですね。

フィッティングでは、特にLeg ARをまず確認し、続いてDSSとPelvic Rock/Rotationに問題ないか確認する流れでした。

Dead Spot Score (DSS)―デッドスポットスコア
 ペダリングの滑らかさ。足角度の変化度合いから測定
Foot Angular Range (FAR)―足角度範囲
 かかとが一番上がっている時点と下がっている時点の角度の幅
Foot Angular Range Q1 (FAR Q1)―12時~3時の足角度範囲
 特に12時から3時までの間に、どれくらいかかとが下がっているか
Leg Angular Range (Leg AR)―脚角度範囲
 大転子を起点とした膝の上下運動の角度の幅
Pelvic Angle―骨盤の角度
 骨盤の垂直方向の傾き。どれくらい前傾姿勢が取れているか
Pelvic Rock―骨盤の固定度
 骨盤がどれくらい動いているか。仙骨の回転運動を測定
Pelvic Rotation―骨盤の左右の揺れ
 骨盤がどれくらい左右に揺れているか。

(今回は胸のセンサーを使用しないため以下は測定せず)
Torso Angle―胴体の角度。上半身の角度
Torso Rock―胴体の固定度。上半身がどれくらい動いているか
Torso Rotation―胴体の回転。上半身がどれくらい横にぶれているか

2.フィッティングの流れ

テストを2回するプランと3回するプランがあり、それに応じて、テストをする日、フィードバックをする日が変わってきます。そのスケジュールに応じて、機器をレンタルする日時を決めます。

今回はテストを3回するプランだったので、次のようなスケジュールでした。日祝日は除いた、8日間レンタルすることになります。

2020/9/16 Wed 1日目:到着
2020/9/17 Thu 2日目:TEST1の実施
2020/9/18 Fri 3日目:TEST1のフィードバック
2020/9/19 Sat 4日目:TEST2の実施

2020/9/20 Sun 予備日(弊社休業日)
2020/9/21 Mon 予備日(弊社休業日)
2020/9/22 Tue 予備日(弊社休業日)
2020/9/23 Wed 5日目:TEST2のフィードバック
2020/9/24 Thu 6日目:TEST3の実施
2020/9/25 Fri 7日目:TEST3のフィードバック

2020/9/26 Sat 8日目:デバイスの返送

テスト自体はFTPの80%=テンポペースで1分間行い、ポジションを変更した後は、慣れるために3分間流した後に計測します。ポジションがほかの要素で左右されないように、ブラケットポジションで、ケイデンスも一定にし、サドルも普通に座ることを心がけます。

1回目のテスト
サドルの高さを変えて、測定を行います。現在の高さをあらかじめ計測しておいて、その上下2.5%の3つのポジションでペダリングを行い、ログを取ります。

2回目のテスト
1回目のテストのフィードバックを受けて、サドルの高さを調整して測定します。はじめは従来のポジションでデータを測定し、その後フィードバックに合わせてテストします。
 自分の場合は、-1.0%、-0.5%、0、+0.5%、+1.0%、+1.5%の6ポジションで測定しました。

3回目のテスト
最後にサドルの後退幅を調整します。2回目のテストのフィードバックを受けて、サドルの高さを調整します。これを新しいベースポジションとしつつ、サドルを前後10㎜、5㎜ずつ前後させ、計5か所で計測します。

翌日、3回目のテストのフィードバックを受けて、調整を行い、フィッティングは終了です。

3.1回目のテストの様子

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全てのセンサーが問題なく接続されていることを確認してから、1回目のテストを実施しました。両足と両もも、あとは腰に貼りつけてます。

普通の高さ、+2.5%、-2.5%の計3回計測します。自分の場合はサドル高が697㎜だったので、上下に17.4㎜ずつ動かすという感じでした。

普通の高さは当然問題ないのですが、残りの二つはかなりサドルを上下に動かすので、違和感がかなりありました。また、自分の場合は上限がギリギリだったので、フィッティングを受ける方は、前もって調整幅が十分あるか、確認された方が良いと思います。

数値はチラ見しかしていませんが、サドルを上げるとDSSが大幅に悪化し、サドルを下げるとDSSが大幅に改善されるという傾向は読み取れました。

結果をアップロードすると、自動的に先方にログが上がるので、メールにてテストを終了した旨を連絡し、フィードバックが返ってくるのを待ちます。

4.1回目テストのフィードバック

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2.5%上げた時にLARが最大になり股関節を最も大きく動かすことができています。一方、このサドル高ではPelvic Rotaiton/Rockの動きが大きく骨盤が不安定になっています。2.5%下げた時には腰の動きはBase(現状のポジション)と変わらず、股関節の動きだけが小さくなり、大きなパワーを出すためにメリットはありません。一方で、DSSが減少しており滑らかなペダリングができています。

ということで、高くする方が良さそうだけど、腰が不安定で、DSSが悪化するということでした。

5.2回目のテスト

-1.0%、-0.5%、0、+0.5%、+1.0%、+1.5%の6ポジションで測定しました。これも1分ずつ測定するので、調整と3分流す時間も含めると結構時間がかかりますね。

±1.0%くらいであれば、ちょっと違和感を感じる程度で、普通にペダリングできました。でも意識しないと変な感じになります。

6.2回目テストのフィードバック

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Test2のサドル高の変化の幅ではPelvic Rotation/RockやLARに大きな違いは見られず、腰の動きにも股関節の可動域にも大きな変化は見られません。Baseよりサドルを下げた時はハンドル高が変わっていないため、本来はPelvic Angleが大きくなり骨盤が後傾するはずですが、小さくなっていることから後ろ乗りになっていることがわかります。このことから、Baseのサドル高の時の股関節の可動域が最も動かしやすい可動域で、それに合わせて座る位置を無意識に変えていると考えられます。
 また、Baseより+0.5%上げた時には左DSSが大きくなり始め、下死点をなめらかに通過することが難しくなっている点からも、サドル高は現状でベストの高さが出ていると言えます。

ちょっと元通りのペダリングをしようと、意識しすぎたかもしれません。。。ただ、サドルを上げたときに、左側にばかり股ずれが起きてましたが、それは、DSSが大きくなっていたことにも表れているのかもしれません。自分のサドル高が問題なさそうだということが分かって一安心です。

7.3回目テスト

10mm前、5mm前、Base、5mm後、10mm後、以上5つのサドル前後位置のデータを測定します。Domaneは幸いサドルの前後位置とサドルの傾きは独立して調整できるので、簡単に前後できます。

実施してみた感じでは、大きな違和感はないものの、荷重の位置が少し変わって、腰とか胸椎が結構疲れる印象を受けました。

8.3回目テストのフィードバック

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Pelvic Rotation/Rockが最も小さく、骨盤の動きが安定しているのはサドルを5mm前に出した時です。このポジションが最もサドルの上で安定してペダリングできるポジションと言えます。一方で、サドルを5mm出したことによって下死点までの距離が短くなり、少しLARが減少して股関節の可動域が小さくなっています。股関節の可動域を最大限に活かすためにサドル
を1mm上げましょう。

5mm前に出した状態が、一番良かったようです。直近でも実走ではちょっと前に座った時に、うまくペダリングができていた感触を持っていました。1カ月くらい前に数ミリ前に出していましたので、もうちょっと前に出した感じです。

9.フィッティングを受けた感想

あまり大きなポジションの変化がなかったのですが、おかしなポジションではないことが分かって一安心です。またサドルの高さとは違って、サドルの前後位置は自分ではなかなか気づかないものですので、それが分かったことはありがたいものでした。
 ちなみに、4年前に受けたBGフィットのサドルの高さと結果的に同じになったのが、興味深い点です。BGフィットのあと、調整を色々としていく関係で、一度サドル高を下げていて、徐々に上げてきたという経緯が実はあります。

一方で、Leomoのモーションセンサーがどのようなものかが分かっていないのですが、今回のポジションの変更は、現時点で一番効率の良さそうなポジションになっているので、理想的なポジションというわけではなさそうです。

個人的な印象では、Leomoのフィッティングよりも、RETULのフィッティングとかの方が、良い気がしました。アセスメントを行ったり、ちょっとした調整をしながら進めたりできるので、より具体的なフィッティングを受けることができます。
 ただ、時間や場所に制約がある場合には、オンライン・リモートで行えるLeomoのフィッティングは、結構有効ではないでしょうか。

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