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もうすぐAC療法開始と、ジョギング禁止令

水曜日、手術前化学療法の前半Aコース(TC療法)4クール目の2回目を受けてきた。
先週、1,050台まで落ちてしまった好中球も今週は1,200台まで戻り、3桁まで上がってしまった肝臓の数値も2桁に下がっていた。今週はもしかすると治療は1週スキップかもと言われていたが、予定どおりに治療を受けられた。数値はギリギリに落ちても、なんとかリカバーして維持してくれている。
基本的に丈夫に産んでくれた親にも感謝だけれど、それでも、私の身体はほんとに頑張ってくれているんだなあと実感する。私もそのガンバリにきちんと応えて、前向きに臨まないといかんと思う。

これでTC療法も残すところあと一回。お盆明けからはBコース(AC療法)がスタートする。今までの薬と違って、(毒々しい?)赤色の薬剤と聞いているので、基本ビビリの私には少しどきどきである。

◇ ◇ ◇

その水曜日の問診の際に、「少し先のことなのですが」と担当医に確認をしてみた。
「10月の末に7Kmマラソン大会に出たいのですが、どうでしょう?」

能天気な私からの質問に、担当医は相当驚いたようだった。
「え?10月末? えっと、AC療法いつからだっけ? え? 10月って、まだ抗がん剤治療中だよね?」
「はい」
「え? 抗がん剤治療中だよね?」
2回も繰り返されてしまった。
「治療が3週ごとになるので、3週目あたりは元気なのではないかと思って…」
と言ってみたものの、予想外の質問に、半ば呆れられたようだった。
そして、「推奨しません」と、ドクターストップがかけられた。

聞けば、AC療法で使う薬は心臓に負担がかかる薬だそうで、まれに心不全を起こす人がいるとのこと。100人に一人もいない頻度で、ほぼ発生しないとはいえ、そもそも心臓に負担がかかる治療中に、心臓に負担のかかる運動は避けて欲しいと説明された。
確かに、聞けば納得である。

そんなことは知らなかった私からすると、AC療法になれば投薬は3週間ごとになるので、休薬期間の2週目の後半から3週目あたりは、きっと今よりも長い期間を元気に安定して過ごせる時期なのではないかと想像していたのだ。
そして、ウォーキングから軽いジョギングに移行して、体調のタイミングが合うようなら、あわよくば大会に出られたらいいなと思っていたのである。
以前に出たマラソン大会でも、“がん闘病中の妻をサポートして走ってます!” というメッセージを付けたご夫婦ランナーさんがおられたので、闘病中の大会エントリーもできなくはないことなのだろうと思い込んでいた。
それに、その大会に比べれは距離は圧倒的に短めであるし、今年の大会は友人も誘って応募したところ、運良くみんな一緒に当選できていたので、闘病中の秋の楽しみになるといいなと思っていたのだ。
なので、一緒に大会に出られないのは少しばかりショックで、とても残念だった。

しかも、心臓へのダメージは不可逆的だそうで、もしダメージを受けてしまったら、今後はジョギングも登山も、心臓に負担のかかる運動は避けるべきだという。
これも、ショッキングな情報だった。
(ほぼないというが、ダメージがないことを願うのみである)

◇ ◇ ◇

能天気な大会出走は、今年は諦める。
でも当日は、可能であれば、ゼッケンをつけて行き、スタートラインで別れて、みんなを送り出すことにしようと思う。
そして、来年、また一緒に走れたらと願っている。

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