個別銘柄分析⑤ ラウンドワン
皆さん、こんにちは。
銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
個別銘柄分析の第５弾は証券コード 4680 「ラウンドワン」です。
サマリー
・2023年末の目標株価は800円（3月5日時点は520円のため1.6倍）
・売上はすでにコロナ前を上回り、クレーンゲームが業績をけん引
・アメリカ市場の成長次第では更なる業績拡大が期待
事業内容
屋内型複合レジャー施設の運営。ボウリング、アミューズメント、カラオケ・飲食、スポッチャ、クレッチャ、卓球などのスポーツ・アミューズメント複合店を運営（国内99店舗、海外53店舗、2022年10月）。
クレーンゲーム機を合計約300台〜600台設置したアミューズメント施設のギガクレーンゲームスタジアムへの改装、米国での大型ショッピングモールへの出店拡大を推進（130店舗を目指し年間10店舗出店予定）。
2010年米国に海外第1号店を出店。2020年オンラインクレーンゲーム事業に参入（2021年事業開始）、2021年中国に第1号店を出店。
業績推移
コロナ禍で2021年3月期は落ち込んだもの、その後、業績は急回復し、2022年3月期でコロナ前と同程度、2023年3月期（予想）は過去最高の売上を見込む。最終利益も2023年3月期は117億円を予想しており、第４四半期の業績次第では2008年の119億円を上回り、過去最高益を更新する可能性もある。
財務状況
自己資本比率は38%（2022年9月末時点）とあまり高くはないものの、現金・預金で463億円保有しており、日銭が入ってくる商売なので倒産等の心配はないもの、と思われます。有利子負債もコロナ禍で少し膨らんだものの直近は負債も減ってきており、財務も改善しつつあります。
配当利回りは1.5%程度と高くありませんが、3月・9月に株主優待券がもらえるため、お得感のある銘柄となっております。
今後の展開
①アメリカ市場の躍進
ラウンドワンで最も期待しているのがアメリカ市場での躍進です。主にショッピングモールを中心に年間10店舗程度で新規出店を進めていくようです。なぜ、アメリカ市場での躍進に着目しているか、というとその利益率の高さになります。足元の2023年3月の計画値によると経常利益率は国内の8.3%に対してアメリカは21.6%と2.5倍にもなります。
アメリカのラウンドワンは「ゲーム事業」が70%超の割合を占めており、国内の50%と比べてはるかに多い。以下の記事によると「クレーンゲーム」と「パーティールーム」がアメリカでは人気とのこと。また、2月27日は5%程度の値上げの発表もあり、更なる利益率の増加が見込めます。
また、中国市場は現在は赤字ですが、今後、出店数が多くなり規模の経済が働き、原価率の改善・利益率向上が見込まれると思います。
中国市場は類似業態で幼児向けのイオンファンタジーが先行しておりますが、コロナ禍・ロックダウン等で低迷していた売上が１月度よりコロナ以前に戻ってきております。アミューズメント事業で子供から大人まで幅広く楽しめるラウンドワンが進出を加速すればイオンファンタジー以上の成功を収められると思います。
②国内クレーンゲームの成長
国内クレーンゲームの成長はまだ見込めると思われます。ラウンドワンは現在、300台以上のクレーンゲームが設置されたギガクレーンゲームの出店を進めています。また、2022年3月より風営法が改正され景品の上限価格が800円から1,000円に変更されております。景品の原材料費が高騰している点等もありますが、よりよい景品が提供されるとともに、各種アニメ・映画とのコラボレーションやＴＶ番組での特集等により人気が継続するものと思われます。特にYouTube等でクレーンゲームの攻略法動画が多く公開されてから、子供と一緒に楽しむ大人が増えているとのことです。
目標株価
株価は520円（202３.3.5時点）、PERは12.6倍と決して安い水準ではないと思っております。しかし、今後のアメリカ市場での成長、値上げ効果等を考慮すると来期は過去最高益を大きく更新する可能性があります。その成長性が認められれば、ある程度のPERは許容されると考えております。
四季報の2024.3予想では1株利益は42.8円と2023.3予想の42.1円から微増となりますが、アフターコロナを考慮すると既存事業も更なる回復が見込めるため、少し保守的な予想とみています。
仮に1株利益が45円程度まで伸びるのであれば、将来的な成長期待も加味され、PERも15～17倍程度まで許容されると思いますので、800円程度の高値は年内に目指せると思います。
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