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重量物持ち上げ動作と腰痛

皆さん、お疲れ様です。
北海道千歳市の病院で理学療法士として勤務している澤野です。

本日は重量物持ち上げ動作と腰痛との関連についてお話しします。

重量物挙上動作を頻回に繰り返す労働者は腰痛が多いと認識している方がほとんどだと思います。
やはり、この重量物挙上動作と腰痛には関連があります。

本日はこの関係性を科学的なデータを用いてお話していきます。

1.重量物持ち上げ動作を頻回に繰り返す労働者は腰痛発症のリスクが高い

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Hoogendoorm WE 2000 , Spine

このデータは1192人の労働者(調査開始時期には過去12ヶ月間に定期的・長期的に腰痛がない)に対し3年間追跡調査をして腰痛発症のリスクを出したものです。(最終的に835名のデータから結果を出しています。)

結果は、25kg以上の荷物を1日15回以上持ち上げた労働者は 1.61 倍、腰痛発症のリスクが増大するという結果になっています。

この持ち上げ動作の回数をさらに細かく分けると、25kg以上の荷物を8時間の労働日に15〜25回持ち上げる場合は 1.57 倍、25回以上持ち上げる場合は 1.74 倍と、荷物を持ち上げない労働者と比較してリスクが高い結果となっています。

2.重量物持ち上げ動作は腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクが高くなる

別の報告では、重量物挙上動作は腰痛のみでなく、下肢痛も出現する腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクも高いことがわかっています。

繰り返す25ポンド(11kg)の重量物挙上動作では、普段持ち上げない方と比較して、腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクを 3.95 倍まで高くなると報告されています。

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Mundt DJ 1993 , Spine

このように、各報告によってリスク度や重量物の重さには違いがありますが、重量物持ち上げ動作自体、腰痛を発症させるリスクを高めることに相違はありません。

しかし、重量物持ち上げ動作を行わないと仕事にならない方もいます。そのため、重量物持ち上げ動作時の重さ、回数、方法、補助具、何かしらの対策を考えていかなければいけません。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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