先生が「自分らしく」生きるために、僕たちにできることを本気で考えてみた。
現在、私は先生のためのキャリアコーチングサービス「edbe」を開発しています。都内の大学で数年間、保育士、幼稚園、小・中・高の教員養成や自身も講義やクラス運営等を担当してきた経験から、先生(教員だけでなく、保育士や児童指導員の方なども含む)という役割の難しさと社会的な貢献や必要性を深く理解しています。
私が開発しているedbeは、自分も含めたすべての先生が自分らしく働くことを手助けするためのサービスです。
このnoteでは、edbeを開発するにあたっての僕の想いを書いていきます。
僕が「先生」という仕事をしているきっかけ
僕が先生(教育)という仕事をしているきっかけは、大学生の時に出会った1人の女子学生がきっかけです。
実は、僕の経歴は全く教育とは関係のないもので、大学時代はIT系の長期インターンシップやお笑い芸人などに力を入れていましたし、卒業論文のIT系サービスに関するものでした。
だからこそ、就職活動も基本的には、IT系企業を多く受けており、内定もいただいておりました。
そんな時に、たまたま参加した教育に興味のある大学生が集まるイベントがありました。
友人に誘われ、参加した僕はイベントへの期待度は低かったです。
しかし、そこで自分の人生が変わるような出会いをしました。
それは、ある一人の女性で、大学1年生でした。
同じグループになった彼女は休憩中に自分の過去のお話しを初対面の僕に丁寧にしてくれました。
その時の話を少し、紹介します。
彼女は小学校の時は友人も多く、順風満帆な小学校生活を送っていたようです。
しかし、中学生になって、急に学校に行くことが精神的にしんどくなり、不登校になってしまったそうです。もちろん、積極的な不登校ではなく、学校に行きたくても、行けない。そんな状態でした。
中学はそのままアフタースクールで過ごし、高校は通信制の高校に進学したようです。
当日の気持ちを彼女に聞いたところ、
「私は人生を踏み外してしまった。もう、どうすることもできない。」
そんな気持ちでいっぱいだったようです。
しかし、進学した高校には、彼女の人生を変えるような「先生」との出会いがありました。
その先生は、熱く、最後まで諦めない。何よりも親身になって、寄り添ってくれる。そんな先生だったようです。
そんな先生の熱さに触れていくうちに、彼女はやる気がどんどんと湧いて生きて、ある1つの目標を見つけたようです。
通学生の大学に通って、本気で勉強したい!!
これが、彼女が見つけた目標です。しかし、その目標を達成するためには、以下のような、とても大きな壁がありました。
1:家庭が裕福ではなく、大学に通うだけの学費がない
2:中学が不登校で基礎学力がほぼない(当時は英語をAからHくらいまでしか言えなかったみたいです)
普通だったら諦めてしまいそうな、目の前にある大きすぎる壁ですが、先生がこう言ってくれたようです。
「僕が一緒に超えてあげるから、やるだけやってみよう」
その言葉に彼女は支えられ、まずはアルバイトを始めたようです。アルバイトしながら、勉強するだけでも、大変ですが、それに加えて、彼女は塾にいく時間もお金もありませんでした。
しかし、先生は彼女のために問題を作ってくれたり、わからない問題も一緒に調べ、彼女が諦めそうになったら、熱い言葉をかけ、モチベーションを保ってくれたようです。
彼女は何度も諦めそうになったけれど、先生に支えられながら、走りきり、現役で第一志望の大学に合格して、今こうして僕の前で過去の経験を語ってくれました。
彼女と話をしているうちに、自分がやりたいことはこれだと。今まで感じたことがないような、人生の歯車がより強く、速く、動き出すような感覚になりました。
僕は彼女の話を聞いて、先生(教育)という仕事は彼女のように自分が望んでいない不登校のような現状にある人を救うことができるんだと。
つまり、自分ではどうしようもない環境である生まれた場所や家柄や友人関係や身体的な障害といった人生の環境要因も一人の先生との出会いで変えることができるんだと。
その時から、僕の先生としての価値観は全く変わっていません。
それは、
「先生として、環境に左右されない世界を創りたい」
こんなきっかけで僕は志を持って、先生という道を進み出しました。
やってわかった「先生」のしんどさ
とあるイベントで出会った女子大生との出会いが僕を教育の世界に導き、新卒で先生という立場で仕事をすることになった僕は熱い気持ちを持って、仕事をスタートさせました。
そこには、最高のやりがいがあったことは確かです。
先生のおかげで人生が変わりました。
こんな言葉を今まで数えきれないくらい言われてきました。こんな職業は先生以外には存在しないのではないでしょうか。
さらに、実際にさまざまな出会いや経験を通じて、人生を変えていく生徒を見ていると「先生という仕事には、人生の環境要因を破壊する力がある」とより強く、本気で思うことができるようになりました。
しかし、先生という仕事の可能性を感じるとともに先生という仕事は
他の仕事にはないしんどさがある
ことにも気づくことができました。
それは世間的に言われるような長時間労働やモンスターペアレントとか職場環境とかそういう話ではありません。もちろん、それらも問題ですが。
僕が感じた1番のしんどさは、
「先生は自分らしさを見失う」
ということです。
あまり世間的に言われていない問題だと思うので、丁寧に解説していきたいと思います。
僕が考える先生という仕事と類似的な仕事は「ピエロ」です。
恐らく、多くの方の頭には「はてなマーク」が浮かんでいるかと思いますが、先生とピエロは非常に似ています。
ピエロは道化師とも呼ばれ、本来の自分ではない何者かに化けている状態です。その化けている状態は観衆が求めるニーズに合わせて、ショーを盛り上げるために作られた偽物の自分です。
では、先生はどうか。
先生にだって、本来の性格はあります。しかし、学校現場では子ども、保護者、校長や園長先生、何よりも世間からの「先生」というイメージ像に合わせて、「良い先生」に自分を化けさせるのです。しかも、関わる子どもや保護者は1人ではなく、複数人存在しており、そこにある「理想の先生像」は千差万別で一つも同じものはありません。
昔、最もストレスの溜まる仕事は「ピエロ」であるとどこかのニュースが報道していました。
僕は先生という仕事をしていて、そのニュースにとても共感したことを覚えています。僕たちも日々、様々な価値観を持つ学生、生徒や保護者と触れ合う中で、ある意味ピエロとなり、自分ではない偽物として、仕事をしていることも少なからずあるのではないかなと思います。
つまり、常に複数の価値基準を持つ、様々な評価者に評価されながら、日々を過ごす中で先生たちはいつの間にか「自分らしさ」を失いながら働くことになってしまうと僕は考えています。
先生が「自分らしく」生きるために、僕たちにできること
色々と長く書いてきましたが、僕たちは先生たちがより「自分らしく」働けるサポートをしたいと考えているチームです。
この章では、実際に僕らedbeがやりたいことをお伝えしたいと思います。
僕たちが先生のためにできること①
・先生の自分らしさを取り戻すサポート
どんな先生でも、先生になった理由があるはずです。そして、先生たちには自分らしい理念や教育観があるはずです。
日々の仕事の中でそれらを失い、ただ目の前の仕事をこなすだけになってしまっている先生たちのサポートをします。
僕たちが先生のためにできること②
・先生に自分らしさを提供するサポート
一方で働く中で新しい自分らしさを見つけたいとお考えの先生も多いと思います。
例えば、今の現状は決して悪い訳ではないけど、他の先生や同年代のビジネスパーソンと比較して、もっと自分らしい強みが欲しいと言ったニーズもあるかと思います。
edbeはただ単純に、自分らしく働くためにサポートするだけでなく、その先にある成長や職場での活躍まで一気通貫でサポートします。
どうやるのか?
では、実際にedbeがどのようなサービスなのかを簡単に紹介します。
(edbeは現在、ベータ版を開発中です)
edbeは講演会やSNSで活躍する現役の先生や教育現場で活躍された経験のある先生が利用者様に「自分らしく」働くためのサポートをする先生向けキャリアコーチングサービスです。
サービスの詳細は以下のスライドをご確認ください。
僕たちが実現したい世界
先生という職業は非常に尊いものだと感じています。そこには、先生でしか味わえないような感動があり、逆に先生だからこそ感じてしまう辛さやしんどさも存在しています。
昨今は、先生の働き方改革等も進んできてはおります。しかし、その多くは長時間労働などの先生の身体的な負担と軽減するための施策がほとんどです。
僕たちは先生たちが先生たちらしく、自らのキャリアを歩めるようにサポートしたい。
そして、もっと多くの方に先生という職業の魅力を届け、多くの「先生がいたから、人生が変わった」という感動を提供したいと思っています。
僕たちの実現したい世界は、「教育で人生の環境要因を超える」です。
少しでも、共感、応援してくれたら嬉しいです!
皆様にお手伝いいただきたいこと
ここまで長文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
僕たちは「教育で人生の環境要因を超える」と大層なことを書いていおりますが、まだまだ何も始まっていないピヨピヨのチームです。
ですので、できる限り多くの方のご支援とご協力が必要です。
もし、このnoteに少しでも共感していただき、以下にご協力いただける方は以下のフォームからお問い合わせください。
【皆様にお手伝いいただきたいこと】
①:インタビューへのご協力
現役の先生もしくは教育現場で先生として働いたことがある方にインタビューを実施しております。インタビューはオンライン会議ツールを利用して行います。
②:テストユーザーのご協力
現役の先生を対象にテストユーザーを募集しております。テストユーザーにご協力いただける場合は無料でedbeを1回ご利用いただけます。
(先着3名様限定とさせていただきます)
上記、もしお知り合いに該当する方がおりましたら、ぜひご紹介いただけますと幸いです。
最後に
僕は先生って役割は確実に必要だと思っています。
そして、その役割は従来よりも幅広く、多岐にわたるように時代と共に変化しています。もちろん、役割が増えるほど、求められることも増えていきます。
だからこそ、先生たちのやることリストはいつも埋まっています。
しかし、そんな時代の変化に対して、「先生たちのサポート」という分野はとても遅れていると感じます。
実際に、自分を見つめる時間もなく、やりたいこともわからず、ただただ忙しい毎日を過ごし、生徒や保護者、学校に使い捨てられるような最悪な状態になってしまう先生も数多く見てきました。
僕はそんな先生たちを少しでもサポートしたい。そう強く思います。
些細な応援も励みになるので、少しでも、同じ想いを持ち、背中を押してくれたら嬉しいです!
ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?