見出し画像

バイクに乗って旅をしたら、「すみません」を言えるようになった話

こんばんは。サンペイです。本日はとあるご当地検定試験当日でした。自己採点は友人と共に合格ラインでとりあえず一息つけた祝日の夜。

最近は頭の中に、noteに書きたい事がごちゃごちゃしていて、書き出したは良いもののなかなか文章としてまとまらず困っています。毎日更新している人はほんとにすごい。

さて今回は、私の原点とも言える、オートバイについての話をしようと思います。


バイクに乗るまでの私と運命の一台

画像1

幼い頃から、車好きで元ライダーの父の影響を受け、乗り物に対し強い憧れがありました。

大学生になって、ようやく免許を取得できることに大喜びした記憶があります。まずはMT車の免許を取って、立て続けにバイクの免許も取得しました。


この頃までの私は、人に嫌われるのを極端に嫌い、誰に対しても当たり障りのない会話や行動をする人物でした。それだけならまだマシなのですが、好かれようともする八方美人というやつで、好かれるために自分や相手にたくさんの嘘をついて、結局破綻する・・・という悪循環の人間関係を作っていました。

お店に行った時も謎の気遣いが発生して、忙しそうな店員さんに「すみません」の一言がかけられませんでした。お店からしたら、いつまでもウジウジしていて注文せず長居する客で、むしろ迷惑をかけていたかもしれません。

ただ、責任感と理念は一丁前に持っていて、よく自分を励ましながら、組織の中心的な役割もやっていました。八方美人で信用がないので、重責のある立場にはなれませんでしたが、自分のやりたいことに関して人を集めるのは得意でした。「一人では怖くてできないので、誰か一緒にやって欲しい」が本音だったと思います。

一言で言えば、調子のいい奴でした。

そんな自分が嫌いで、たびたび落ち込むけれど改善できない状態が続いていました。


しかし大学1年生の12月、転機が訪れます。

雪の降りしきる中、近所のバイク屋さんに寄り道しました。シーズンではなかったので店内は閑散としていて、たくさんのバイクが綺麗に整列されていました。

寒色の車体が多い中、一台だけ赤色のバイクが目に入りました。車体は2年落ちのGSR250。前のオーナーは女性で、10,000kmの走行車両でした。

衝動買いで成功した試しがないので、その日は一旦帰宅し、考えました・・・が、やはり跨った感覚やかけてもらったエンジンの音が忘れられず、次の春に納車ということで購入に至りました(これ、次のバイクでもやります笑)。

私にとって、GSR250はそれまでの人生で一番大きい買い物で、バイトに明け暮れながらその年の冬が明けるのがとても待ち遠しかった事を覚えています。

その時は、この一台のおかげで、人生が変わるとは思ってもみませんでした。


数々の旅を通して、夢を見つける

画像2

幸いなことに、当時のパートナーや部活の先輩がバイクに乗っていたので、たくさん練習に付き合ってもらい、慣れるまでそう時間はかかりませんでした。

大学生はお金はないけど時間がたくさんあります。キャンプをメインに、卒業までの3年間、たくさんの旅をしました。

2泊3日で部活の先輩3人と私で青森県弘前市〜三沢市〜田子町〜酸ヶ湯温泉のキャンプツーリング。人生初の混浴は、女性はなんと私一人。とにかく疲れていたので恥じらいはどこかに消えて全ての浴槽を楽しみました。

1週間かけてパートナーと東北を一周。東北にはサンペイさんの親戚が多いので、キャンプは八戸の種差海岸のみ、あとは親戚のお宅にお世話になりました。故郷なのに、知らなかった魅力がたくさんありました。

2週間かけてパートナーと青森県〜山口県〜四国〜名古屋〜仙台の旅。台風と重なり雨のシーンが多かったですが、目的地である角島大橋では見事な晴れ模様を勝ち取りました↓

画像3

まだまだありますが、これらの旅には共通点がありました。それは、他のライダーとの交流があること。

バイクは車よりも気軽に、知らない人同士のコミュニケーションが生まれます。話しかけられるうちに、一期一会の出会いを楽しんでいる自分がいて、こちらから話しかける事も多くなりました。

ここから先二度と会うことはないであろう人と話す時、肩の力が抜けて、気を遣わず自然体で話せている自分がいることに気がつきました。

この感覚と楽しさを、私のように自分を好きになれない人に、自分を探して旅をする人に共有したい。そういう場を提供したい。

そして、生きるのが少し楽しくなるようなゲストハウスをやりたい!と思うようになりました。


ひとり北海道のゲストハウスを巡る大冒険へ

画像4

大学生最後の夏。就職活動を終えて卒論を作るまでの間、自由に過ごせる時間ができました。

そこで、ライダーの憧れの地と言えば北海道ということで、北海道に行ってみることにしました。でも、ただ北海道に行くだけではつまらないから、ゲストハウスを転々と巡れば自分の未来が少し具体的に見えてくるかもしれない。私は初めて一人でルートを考え、予算と日程を決めました。

ルートは、函館→ニセコ→浦河→中札内→中標津→サロマ→稚内→留萌→札幌→函館でした。うち稚内はホテル、留萌・札幌は知人宅泊でしたが、それ以外はゲストハウスを目的に、2週間ほど北海道を走りました。

8月のお盆の時期に行ったのに、雨が降ると寒い。しかも、思ったより各目的地が遠い(北海道あるあるですね)。何回も気持ちが折れかけましたが、暖をとりに寄った数々の道の駅で、地元の人から「気をつけてね」と声をかけてもらえて嬉しかった記憶があります。

そして宿泊したゲストハウスでは、将来はゲストハウスをやりたいと思っている事を必ずオーナーさんに伝えました。どのゲストハウスのオーナーさんも、快くお話を聞かせてくれて、帰る時には他のお客様と一緒に応援の言葉をかけてくれました。

気がつけば、初めは緊張していた一人旅を、私は全力で楽しんでいました

それまでの人生で出せないでいた勇気をフルに放出して、たくさんのお店に一人で入ったし、たくさんの人に自分から道を聞くことができて、たくさんの旅人と楽しくお話ができました。


長い旅を終えて帰ってきた私は、躊躇なくお店の人に「すみません」と言えるようになっていました。


さいごに

遠慮がなくなった代わりに、我慢ができなくなった私は卒業後、組織で生きるのがとても下手くそになり苦労する(現在進行形)のですが、その話はまた今度・・・

バイクとの旅を通して、私ははじめの一歩を踏み出す力を身に付けられたと思います。この力は今の私の仕事や人脈にも繋がっていて、これからも私の人生を豊かにしてくれるでしょう。

バイクに乗っていなかったら、私は一体どんな人生を送っていたのか・・・ひょっとしたら、小さく消えていたかもしれません。

自分のことが嫌いな人は、一度本気で休みをとって旅に出てみると、何か変わるかもしれませんよ。

以下に、北海道の旅でお世話になったゲストハウスのURLを載せておきます。素晴らしいお宿ばかりなので、北海道ローカル旅の参考にしてくださいね。

☆ニセコ:niseko guesthouse nalu

☆浦河:GUEST HOUSE MASAGO

☆中札内:エゾリス君の宿 カンタベリー

☆中標津:ushiyado

☆サロマ:さろまにあん


それでは、おやすみなさい!

頂いたサポートは私のガソリン(本・お酒・カフェ)になります。あなたのサポートでこれからも走り続けます〜