見出し画像

傷の真実性

忌憚のない問いに耳を疑った。
気がついていたのかも。一度引っ掻くと暫くは赤く拒否反応を起こすような脆弱性を。
慈愛に満ちているはず。丁寧に織って構成されている心。

進んできた道を少し早歩きで追いかけていたんだ。
違って真っ直ぐなその道はその人を表していて
幾何学的なむず痒ささえ覚えた。

傷に塗れた記憶を塗り替えてあげたかったんだ。
そんなことは必要なくて、傷の周りをなぞってあげるだけで良かったんだ
そのものが美しいから、




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?