「いつか」を「今」に前倒ししてみるひとつめの挑戦、はじめます。
「いつか時間ができたらやりたいこと」がたくさんある。
その一つが絵を描くことだった。
絵を描くのはそこまでうまかったわけではない。ただ好きだった。
好きだと気づいたのは、小学校のときの水彩画の授業がきっかけだ。
全員、本物の紫陽花を見ながら描くのが課題だった。
絵の具で色を付ける時、ただただ夢中だった。真っ白な画用紙に、色を重ねて紫陽花の花びらの微妙なグラデーションを表現するのが楽しかった。目に見える色を全て表現したい、と思って水分量を調節したり絵の具を混ぜたりを繰り返した。どれだけ色を重ねても本物の色合いには届いていないような気がして、納得するまで続けていた。
そのため、私の紫陽花の絵が完成したのは、ほとんど最後の方だった。しかし、私は納得するまで色にこだわれて満足だった。
紫陽花の絵は、地区コンクールに出品された。おそらくそこではなんの賞も取れなかったのだけど、返却された絵を見たときに、特別感を味わえた。いつもなら自分で記入する名前欄が出品用に先生の字で書かれていたからだ。金賞でも銀賞でもなかったけれど、小さな非日常の体験だけでくすぐったい気持ちになった。
▼一昨年、鎌倉に見に行った紫陽花です
中学の時の美術の夏休みの課題も水彩画だった。しかも、何を描いてもOK。ここぞとばかりに張りきって取り組んだ。
一年生のときは陸上部で使っていたエナメルバックと靴、二年生のときはリンゴとモモとパイナップルのフルーツバスケット、三年生の時はメロンを描いた。
題材までしっかり覚えているのは、学年で何人かの優秀賞に選ばれ続けていたからだ。美術は彫刻などの他の実技は得意ではなかったが、この夏休みの課題のおかげで美術の成績はいつも5段階評価の5をもらうことができていた。
しかし、高校生になってからは水彩画を描く機会どころか、絵を描く機会が全くなくなった。高校は美術が必修ではなく、部活や勉強に集中するようになったからだ。
とはいえ「そういえば絵を描くの好きだったよな~、また描きたいな~」という想いが定期的に頭によぎっていたので、絵を描きたい気持ちはずっとどこかにあったのだと思う。
でも、何を描きたいかを考えても、特に答えが出なかった。だからずっと絵を描くことは後回し。長い間、「いつか時間ができたらやりたいことリスト」に入れっぱなしにしていた。
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しかし、最近「いつか時間ができたら」の想いが揺らぐ出来事がふたつあり、海の生き物のイラストの練習をはじめることにした。
ひとつめの出来事は、所属しているオンラインコミュニティ、コルクラボのメンバーとして「コルクラボマンガ専科」(※)に聴講生として参加したときに聞いた言葉がきっかけとなった。
※コルクラボマンガ専科とは?
漫画家を目指す方が様々な講師の方からの講義を受講し、課題の提出を繰り返して実力をつけていく講座。私がこの講義に惹かれたのは、私の中の「絵を描きたい」欲求が刺激されたからなのだと思う。
「みなさん、絵より字の方がうまいですね」
リアルタイムの課題として、受講生は全員コアラと白熊を描いたのだが、特徴を掴んで描けた人は少ないのを見て講師の方が放った一言だ。
コアラと白熊は生きていてなんども見ているのに、特徴すらつかめない。それはなぜなのか。講師の方いわく「頭の中にあるイメージが絵として出せないのは、アウトプットしてないから」だそうだ。
それが最近、絵しりとりをしたときに思ったことにリンクした。私は水族館巡りが好きなのだが、何も見ずにイルカを描こうとしたときに上手く書けなかった。「何度もイルカを見ているのに、なんで再現できないんだろう……」とに少し悔しくなったばかりだった。
その日の講義で「字の練習と同じで、絵が上手くなるには固有の特徴を暗記して、アウトプットする練習が必要である」との話を聞き、私の絵を描きたい気持ちにスイッチが入った。イルカを描けなかった悔しさが後押しして、「海の生き物の絵のアウトプット練習をしよう」と決心した。
そのため、私はその日からこっそり「何も見ずに描く⇒写真をトレースして特徴を捉える⇒トレースを見て描く」という練習を始めた。
誰かに見てもらった方が上達するのはわかっていたけれど、あまり人に見せたいと思うようなレベルではなかったので自分ひとりだけで続けていた。
▼ちなみに私の描いた「コアラと白熊」はこちら。白熊がテディベアのようですね。。
しかし、ついこの前Twitterにアップすることを決意した。きっかけは「あまり見せたいものではない」と思っていた絵を友人に見せた時の反応だった。
とても目も当てられないと思っていた、何も見ずに描いたキングペンギンの絵を「かわいい」と言ってもらえたことだった。
それまでは誰にもこんなの見せられない……と思っていたが、「かわいい」と受け入れてもらったことで「下手だから練習するんだし、いっか!」とふんぎりがついたのだった。
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そんなわけで、しばらく海の生き物イラスト練習を続けてみたいと思う。
だいすきなものの絵は描けるようになりたいし、海の生き物の魅力を伝える手段として文字と写真の他にもほしいなと思っていたところだった。
そして何より、ずっと「いつかやりたい」と思っていたことを始められることの喜びが大きい。
他にも「いつか」と思っていることはある。とはいえ、同時に始めたらパンクしてしまうのは目に見えている。だからまずは絵を描くことをはじめようと思う。
「いつか」を「今」に前倒ししてみるひとつめの挑戦、はじめます。
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「#海のいきものイラスト練習」でツイッターで更新していこうと思うので、よかったら見守りにきてください。
▼先日アップした絵はこちら。
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