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あきらめきれない靴との別れ

まさかこのタイミングでお別れになるなんて思わなかった。まだ気持ちの整理がついていない。諦められない。

……お気に入りの靴の話だ。

歩いている間に、靴の底がはがれた。これで二回目だ。
以前も同じ靴を同じ理由で買い直した。
もう、この靴は買い直すなということなのだろうか。

去年の冬を一緒に過ごしたこの靴。今年も引き続き履こう、としまっていた箱の中から出したばかりだった。タイミング的にも悲しい。

私は足のサイズが大きく幅広である。女性用の靴に多い、小さめで細身の靴のほとんどが足に合わない。そのため、自分にフィットする靴が見つかると、そればかり履いてしまう。

本当にボロボロになるまで履く。「これはもうさすがに見た目的に世代交代かな……」と思うまで。最後には、靴底がすり減っていたり、汚れが落ちなくなっていたり、靴のかたちが崩れてしまうことも少なくない。ボロボロになるまで履くと、「責務を全うしてくれでありがとう」という気持ちになる。

しかし、今回のように物理的に履けなくなってしまった場合だと、悲しくて「うまく履いてあげられなかった……」と思ってしまう。

今回の靴も、靴底が直せればまだ履けるのに。しかし、直してもすぐ剥がれてしまったり、歩きづらくなったりするのは経験上わかっている。だから、もう捨てるしかない。

モノに対しても感情移入してしまいやすいので、よく使っているアイテムを捨てるのが苦手だ。今回のように、気持ちの整理がつく前に別れを告げることになってしまうと余計に。

あきらめられないけど、もうお別れするしかない。
今まで本当にありがとう。

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