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7歳少年の銀行設立を支えたパートナーシップ

7歳で銀行設立?!

 Facebookでシェアされていた記事に衝撃を受けました。

「7歳少年が設立した銀行が話題!大手行からの提携依頼も」

 7歳って日本で言えば小1〜小2です。そんな年齢の少年が、シンプルな問題意識から子供向けの貯蓄銀行を作ろうというバイタリティと、そのアイディアと、大人を巻き込むコミュニケーション力に、まずは感服しました。

 今回、注目したいのは、そのプロセスに見られるパートナーシップです。

 大人から見ると7歳って、まだまだ子供で、世間のことはわかってないし、無邪気に走り回る年頃で、守ってあげなきゃいけない存在としてみがちですよね。

 だから、子供向けの銀行を作るって言っても、取り合ってもらえなかったと、彼は語っています。

耳を傾けてくれる人の存在

 年齢を重ねれば重ねるほど、さまざまな経験をします。それらを通して、「こういう時はこうするもんだ」「ああいう人間は◯◯してもダメだ」なんていう法則を自分で作り、似た者同士で「だよねー!」なんて確かめ合うことで、余計にその謎の法則が強化され、いつしか「ジョーシキ」となり、それにそぐわないものには耳も傾けないし、目もくれないってことをやりがちです。

 今回、7歳の少年が、子どものための銀行を発案しましたが、多くのオトナの「ジョーシキ」は、貯金箱を使わせるか、親が作った銀行口座を使わせるというところだったのではないでしょうか。

 だからこそ、周りの多くの大人は耳を傾けなかったし、友だちからもからかわれるという状況だったのでしょう。

 そんな中で、校長先生とクラスアシスタントの先生だけは、彼のアイディアに耳を傾けてくれたようです。
 彼が抱いている意図、それが実現した先に描くビジョン、それを信じて応援してくれる人の存在が、彼にとってどれだけ力づけになることだったかは、想像に難くありません。

「ジョーシキ」スイッチをOFFに

 わたしたちはいま、複雑で不安定で変化しやすい時代に生きています。
自分が勝つことだけを考え、右肩上がりに描いた通りの未来が簡単に実現できる世の中でもありません。

 わたしの感覚で言えば、テクノロジーやトレンドの進化のスピードを表現する言葉として、昔は「10年ひと昔」という言葉がありましたが、その進化のスピードは、2年、1年くらいの単位に縮まっているようにも感じます。

 それだけ変化が早い時代の中で、「ジョーシキ」に基づいた解釈や判断は機能しません。にもかかわらず、「こういう時は・・・」「こういうことは・・・」と自分が持ち合わせている過去の経験や実績に基づく「ジョーシキ」スイッチが自動的にONになり、解釈や判断をしています。

 今回の彼の支えになってくれた校長先生やクラスアシスタントの先生が、パートナーシップのある存在になりえたのは、ある意味、そんな「ジョーシキ」スイッチをOFFにして、彼のアイディアに耳を傾けられたことが大きかったのではないでしょうか。

 奇抜なアイディアが生まれるところには、「ジョーシキ」にとらわれないパートナーシップをもった人がいるのかもしれませんね。

記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。