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演劇部ってなんぞや

以前フォロワーさんの垂れ耳うさぎさんからコメントで、「ぺぎんの日記を楽しみにしている」という、ありがたいお言葉と一緒に「演劇部って何をする部活?」とご質問をいただきました。

返信を書くのが遅くなってしまったのですが、このnoteで演劇部についてお話したいと思います!

この記事はwikipediaの情報を噛み砕いた内容や私の主観で構成されています。

あくまでも私の所属している部の話になるので、より普遍的な高校演劇を知りたい方は下のwikiをご参照ください。

【注意】
万が一ですが、高校の演劇部に入部を検討している方がこの記事を読んでいる場合、参考にしないほうがいいと思います。演劇部の紹介目的で書いているわけではないので。





演劇部とは

演劇部とは、演劇をする部活です。

発表の場

発表の場としては
・順位のつく大会
・順位のつかない発表会的なやつ(複数校集まる)
・校内、校外での自主公演
が挙げられます。

順位がつく大会は高文連のみです(北海道はほぼそう。他の地区もそうじゃないかなぁ…)。

順位のつかない発表会的なのにはいくつか種類があって、
・毎年特定の地区でやってる発表会
・札幌(北海道で一番でかい街)でやる、高文連北海道大会で全国行きが決定した学校の作品を、壮行する上演
・私立の学校が集まって不定期にやるやつ
など

校内、校外での自主公演については
・学校祭でやる
・放課後とかに、教室を演劇用に改造して上演する
・(お金のある演劇部は)市の文化会館などを借りて上演する
など

部活の日程

1作品の稽古に約1ヶ月かかります。
脚本作りからやると3ヶ月くらいかかります。

たいてい2つくらいの作品を同時進行で作ってます。
稽古しながら、出番ない人は違う作品の小道具作ってるとか。

ゆるーくやる時期は休日2日フリー、
平日は放課後2時間
みたいな感じ。

本番前2週間とかはほぼ休みなし。休日は昼ご飯挟んで6時間やる日とかもあります。

逆に公演がないときは2週間部活がなかったりします。でもその間も脚本担当はひたすら作品を作ってたりします。

年間スケジュール

  • 4月

    • 新入生歓迎公演(2,3年生でやる)。

    • 新入生に準備体操やストレッチ、発声練習などを教える。

  • 5月

    • 演劇のDVDをたくさん見て学ぶ。

    • 舞台用語を2,3年含め、覚え直す。コミュニケーションに必須。

    • コミュニケーションゲー厶などを通し、部員同士仲良くなる。

  • 6月

    • 学校祭公演に向けた稽古を開始する

    • 昨年は学校祭公演が、3年生の卒業公演兼、1年生のお披露目公演だった。

  • 7月

    • 学校祭公演

    • 各自の学際準備でバタバタしながらも、必死に稽古時間を捻出する。

    • 夏休みスタート。外部の指導者にワークショップとかをやってもらって演劇力をパワーアップする。

  • 8月

    • 高文連支部大会に向けて、何をやるか話し合う。

    • 夏休み後半はフリー(この間に脚本担当が必死に脚本を書いてる)。

    • 夏休みが明け、高文連支部で上演するやつの稽古スタート。

    • 1番バタバタする時期で、部員同士ピリピリすることも…笑

  • 9月

    • 稽古しまっくって、高文連支部で上演

  • 10月

    • 上旬ちょっとフリー。

    • 下旬、もし高文連支部で全道行ったら、北海道大会に向け稽古スタート。

  • 11月

    • 稽古しまくって、高文連北海道大会で上演

    • 後半フリー

  • 12月、1月、2月

    • 本当に学校によりけりだけど、校内公演や、複数校集まって演劇祭やるところもあるし、DVD観てひたすら研究したりするところもある。

    • 公演をするたびに、脚本を選ぶ(もしくは書く)、稽古する、が入る。

  • 3月

    • 新入生歓迎公演に向けて稽古スタート

大会のシステム

高文連の進み方

まず地区大会があります。
その次が県大会。
サマーフェスティバルは関東の方のイベントらしいので、私は詳しくありません。
その次がブロック大会。
北海道は県大会とブロック大会がセットになってます。
ブロック大会で1位の作品は夏の全国大会へ(こっちがよく言う全国)。
ブロック大会で2位の作品は春の全国大会(通称:春フェス)へ。こっちは順位がつきません。
夏の全国の上位4校は8月下旬に、東京の国立劇場でもう一度上演します。

面白いのは全国大会が年度をまたぐこと。
例えば3年生だけで上演した劇で夏の全国大会に行ってしまうと、全国大会では元々やっていた役者さんが誰一人いないので、人数が少ない場合、最悪、新入部員をいきなり全国の舞台に立たせることになります。

ルール

基本的なルールは
・上演時間は60分以内
・建込み(舞台のセッティング)は30分以内(地域によって差がある)
・危ないことはしない
・順位は審査員(3人から5人くらい)の主観で決まる。
・客観的には「時間オーバーしてないか」しか審査基準がない。
・大会や地区によって、次の大会に行ける学校数が違う。
→倍率10倍とかの地区もあれば、3校中2校が次に進めるとかもある。
・地区大会→県大会→ブロック大会→全国大会と、すべて同じ作品を上演しなければいけない。ちょっとの修正はOK。
・ちょっとだけ、もしくはやむを得ない理由があれば顧問が出てもいい。(たしか全国ではNG)

かなり曖昧なルールが多いです。

上演する作品

作る(創作脚本と呼ばれる) or 選んでくる(規制脚本と呼ばれる)

脚本を書くのは、顧問か生徒。協力もOK。ただし外部の人(OB・OGとかでも)に書いてもらうと、既成扱いになる。学校内の人間が書いた作品でも、過去に上演したことのある作品は既成扱い。

作るのも、選ぶのもしんどい。役者の相性などを見て考える。

上演時間が60分だから、ロミジュリをはじめとする、よく聞くような演劇は大抵上演できない。大人用(商業演劇用)に作られた作品はほとんど上演されない。

ただし、書き直し(潤色)して60分に収まれば上演可能。ただし著作物に勝手に手をいれることはできないので、潤色したいときは、既成作品を上演するとき同様、作者に許可をとらなければならない。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のように、著作権保護期間が切れている作品は、言ってしまえば好き勝手していいので、高校演劇では銀河鉄道の夜などを元にした作品が多い。

大会以外は60分をオーバーしてもよいのだが、まぁ高校生のやる演劇を60分以上見ようと思ってくれる人は稀なわけで、結局校内公演も30分程度の作品が多かったりする。

作品の著作権については厳密だが、使用する曲などは何を使っても良い。教育目的の利用だからOKらしい。
ただ、そのせいで
「東京の国立劇場での上演までこぎ着けた学校。しかし劇中に洋楽が。東京公演はユーチューブでの配信もするので、さすがにそれは使用した洋楽の著作権にひっかかる。著作権クリアには50万を払う必要があり、配信は断念」
なんてことも起こる。

こんなふうに制限時間60分、曲フリー、高校生がやる。などの特異性が「高校演劇」として一般の演劇とは分けて語られる理由。

高校生にしか出せない魅力もあるし、必ずしもプロに劣っているかと言われると、そうではない。これは断言する。高校演劇は素晴らしい。

しかしながら高校演劇はやはり「高校生の演劇なんでしょ」と差別されることが多いらしい。実際無料で公演してもお客さんがあんまり来ないから、まぁそういうことなんだろう。

ちょっと悔しいので、もっとたくさんの人に高校演劇の凄さを伝えたいですねー。

雰囲気

だいたいの高校が、和気あいあいな感じでやってるんじゃないですかね…?

そもそも演劇部が無い学校もあるくらい、言っちゃあれだけど人気の無い部だから、部員数が5,6人というところが多い印象。
そうなってくると部員同士の仲が悪いと最悪なわけで…。

演劇をきっかけに共通の趣味の話につながったりもするし、狭く深く繋がりながら劇をちょっとずつ作ってるところが多い気がする。

人数が多くなって、いわゆる強豪と呼ばれるようなところは、熾烈なオーディションを勝ち抜いた役者が、強力なスタッフ陣に支えられて上演してたりする。

お仕事

役職として名前はたくさんありますが、人数の少ないところは顧問が担ったり、同じ人がいくつかの仕事をこなしたりしてやってます。
まぁ最終的に上演できればいいわけで、やることやってればOKです。

・役者(舞台で演じる)

・脚本担当(脚本を書くor選ぶ)

・音響(音を選ぶ。上演当日、音響卓というところから音を流す)

・照明(照明をプランニングする。上演当日、照明室で照明をコントロール)

・演出(役者の動きやセリフの言い方を指示。一方的にやることもあれば、役者と相談しながら最適解を探していくこともある。脚本になんか変なところがあれば脚本担当と相談して直したりもする。)

・舞台監督(稽古のスケジューリング、小道具・大道具の管理、当日立て込むときの安全管理など)

・広報担当(チラシを作って、みんな観に来てねーってやったりする。最近はSNSを使う学校も多い。)

・工作(小道具・大道具を作る)

・衣装(衣装を考えて用意する。お金が無いときはダンボールで作ったり、大抵は私服を持ってきてもらう。)

最後に

書いているこっちも頭がクラクラしてきました。
とにかく異質な部活なので説明が大変です。
ただ、異質な分様々な文化も生まれるので楽しい部活です。
拙い説明ですみません。多分何回か読まないと理解できない部分とかも出てきてしまったと思うので、本当に理解したい人はがんばってください。

質問はコメント欄で募集してまーす。

みんなぜひ高校演劇観てね。

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