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【感想】死に逝く騎士、異世界に響く断末魔

ブランド : バグシステム  発売日 : 2024-04-26
原画 : るび様      シナリオ : 和泉万夜

⚠️ここからネタバレあり⚠️







◾️ネタバレ感想

(c)CLEARRAVE / BUG SYSTEM ALL RIGHTS RESERVED.

断末魔ゲーの決定版。
歴史に刻まれる偉大な作品の爆誕です。

★はじめに

来ました。しんどいやつです。
グロ・リョナ作品として強烈なインパクトを残した『死に逝く君、館に芽吹く憎悪』通称『にくにく』が帰ってきました。
公式通称も『にくにく2』とタイトルギミックも引き継がれ、前作との繋がりを意識させますね。
ただ本作は続編という立ち位置ではなく、同じ世界観ながら独立した別作品。
姉妹作と捉えるのが正しいようです。

グロ作品は正直言って苦手なジャンルです。
でも、ヤバければヤバいほど人間の興味は果てしなくってやつで、ついつい覗き見したくなるんですよね。
前作で容赦の無いグロ表現に戦慄したにも関わらず、やっぱり怖いもの見たさというか、懲りないというか。
どこまで徹底的に絶望を描いてくれるのかと興味が勝ってしまうんです。
しかも今回は命を蹂躙し、食材として喰らうという常軌を逸した設定。
こんなの気にならないわけがありません。

こういった作品では毎回申し上げますが、生ぬるい展開は求めていません。

やるなら徹底的に。

さて、今回の感想記事は断末魔を聞きすぎて頭がバグりながらも、最後までプレイして感じた達成感、地獄を見せつけられた喪失感諸々を感情のまま残させていただきました。
どうぞお付き合いください。


★物語の印象と評価

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先に結論を申し上げます。

すんばらしい!これぞ断末魔ゲーの決定版!!!

ビジュアルノベル史の歴史に名を残す、狂気の傑作が誕生しました。
前作を超える壮絶さとグルメという狂気。
絶望を極めた至高の娯楽は、きっと後世に語り継がれる事でしょう。

あの作品、ヤバいよって。(褒めてる)

完璧とも言える見事な絶望、容赦の無い徹底的な地獄に感動すら覚えました。
これは称賛されるべきでしょう。
まじで、まじで素晴らしい!

プレイを終えて振りかえってみると、物語とグロ表現の関連性のバランスが非常に良かった印象を持ちました。
あくまで主観ですが、前作の『にくにく』はまず物語があって、それを展開する上でグロ表現が用いられたと認識してまして、これを物語とグロの比率で言えば、感覚値でおおよそ6:4といったところ。
本作はそのバランスが、感覚値で5:5くらいで、物語を進める為にはグロ表現が必要で、グロ描写を伴うからこそ物語の深みが増していくと言いますか。

共通ルートの獲物ハンティングパートが良い例かと。
各ルートに至る過程の物語は進行しつつも、食材を獲得して作る料理の結果が、上位種族の少年の満足度としてルートに影響する。
プレイヤーへの救済で「獲物を見捨てる」以外の選択肢を選べばやり過ごせますが、CGコンプはできない。
なのでここはちゃんと向き合って然るべきでしょう。

シナリオが分岐してからは、キャラクターそれぞれの関係性がよりフォーカスされ、物語性も濃くなり各エンディングの締め方も見事。
(これは後の項目で語ります)

まさに物語と世界観の設定、そしてゲームシステムが上手く機能し勝利していたと思います。

グロ表現にフォーカスすれば、『にくにく』と『まなかし』の良いとこを併せ、更に発展させた作品と感じました。
具体的に言えば、『にくにく』の直接的な猟奇性グロ表現はより過激になり、『まなかし』の感情的な恐怖の心理描写は、蹂躙され絶命する側の断末魔と共に、より生々しくなったって感じでしょうか。

これがマジでえげつなかった‥‥。

つらつらと語りましたが、まとめれば期待以上のモンスター作品に歓喜し、とにかくめちゃくちゃ満足度高め。個人的には確実に高評価に値する作品だったという事でした。



★前作を超えたグロ描写

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CG、シチュエーション、内容と全ての要素で前作を超えていて正直しんどかった‥‥。
グロ耐性を獲得した上で臨んだつもりでしたが、序盤の人魚の少女がぐちゃぐちゃにされるシーンで心は白旗上げました‥‥。

助けてと泣き叫ぶ少女に無慈悲に向けられる残虐行為と、響き渡る断末魔が凄いのなんのって。
しかも食材として料理して食べるっていう狂気が後に待ってますからね。
ちょっと本作のグロに対しての認識が甘かったなって思い知りました。

R18とはいえ、ここまで過激な作品が存在していて大丈夫なのだろうかと心配になると同時に、需要があるから存在するんだよなーとか考えてました。
この需要ってまさに自分みたいな奴の事だなって悟った時、自分って頭大丈夫かなって少し心配になりました‥‥。

命を蹂躙し食材として喰らうって時点で既にヤバいですし、言葉通りにグロは展開されますからね。
特に印象的なのは作品タイトルにもあるとおり響く断末魔でしょう。

断末魔ゲーの決定版ですよ、これ。

もう凄いのなんのって。
声優の方々のプロの仕事に感服です。
この断末魔がプレイヤーに圧倒的な絶望感をもたらしてくれたので素晴らしい。

るび様の美しくも可愛らしいヒロイン達が、醜くく断末魔を叫び蹂躙されるってかなり脳にクル。

獲物とされた異種族たちが助けてと断末魔を上げる中で、それを喜劇として蹂躙する上位種族の少年のえげつなさは猟奇的すぎてさすがにを頭抱えました。
慣れるまではマジでしんどくて、ボイスを全部聞くことも出来ませんでした。
ただ、人間の適応能力とは優れたものでして、中盤に差し掛かるくらいである程度は慣れたので取り敢えず一安心。(既にズレてる)
お陰でなんとか最後までプレイ出来ました。

今回強く感じたのは、蹂躙される側の泣き叫ぶ壮絶さ、絶望に堕ちる心理描写の生々しさは、精神的にクリティカルヒットのダメージを与えるんだなって事。
とにかくこれが凄まじくしんどいわけでして。
もう精神衛生上で明らかに毒です。

そのくせ、料理メニュー関しては狙って悪趣味に走って遊んでいる。
公式がグルメと謳うだけに、よくこんなの考えたなと思わずにはいられませんでした。
料理のビジュアルもなかなかエグかったですし。
極め付けは料理提供の効果音。
明らかに場違いでちょっと笑ってしまいました。

もちろんグロはこれだけで終わらず、ヒロインたちの残虐シーンはさらに拍車をかけてエグかったです。
中でも魔王に関してはもうどうしようもないほどエグかった。
スカ要素があるってものありますが、心が折れてからの断末魔は壮絶すぎて言葉も出ません。

あれはヤバすぎだろ‥‥。

更には頭かち割って竿を入れるってシチュですよ。
これ、バグシステムさん好きですよね。
さすがに気持ち悪すぎて、直視は耐えきれず目を背けました。
あと、ウルティナのお⚫︎んこパンチからの子宮取り出しとか。
あー、これはあかん!と天を仰ぐ事に。

先にも述べたとおり、『にくにく』『まなかし』のヤバいところを併せ持ち、更に発展させた最狂のグロシーンでした。
これはきっと後に伝説になりますよ。



★ヒロイン達について

グロ表現と救いの無い物語展開に引っ張られがちですが、ヒロイン達はビジュアル含めかなり魅力的なのも本作の素晴らしいところ。
では、メインの3人だけ簡潔に。

【ウルティナ】

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エロゲの正統派女騎士って印象です。
心の優しさと、女としての喜びと誘惑に抗いながらも正しくあろうという葛藤。
なんとも人間らしく好感が持てるヒロインでした。
そんな彼女が大きな間違いを犯し歪んでいくエンディングはギャップもあり素晴らしく、個人的ナンバーワンエンディングとなりました。

声優の鹿瀬紫卯さんが凄くて、凛々しい声と少女のような甘い声の使い分けはたまりませんでしたね。


【ルシャ】

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褐色少女に巨乳というビジュアルが既に神。
めちゃくちゃ可愛いし癒されるも、中身は甘っちょろく現実を分かっていないお姫様ってのが辛い。
素直に好きになれないところもありましたが、最後には少しの成長を見せてくれたので再評価することになりました。

声優の今谷皆美さんのお声がとても可愛らしくてぴったりでした。勉強不足であまり存じ上げない声優さんでしたので、これからしっかりチェックしようと思います。


【魔王】

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一番好きです。
彼女の誇り高き高潔な精神は尊敬に値しますよね。しかも物語の中に彼女の深掘りがしっかり描かれていたので、どうやっても好感度が上がるってもの。
上位種族の少年の残虐行為に耐え忍ぶも、果てにスカで心が折れ、最後には屈服する展開は最高でした。

声優の夏樹柑菜さんのお声はとても色っぽくて沸る何かを刺激してきますね。(何とは言いませんが)

冷静に考えて、人気ナンバーワンヒロインとなるのは恐らく魔王でしょうね。
実際どうなるかはまだ分かりませんが、ここではそう予言しておきます。



▪️物語について

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導入から抜群に上手いですよね。
人間対魔族の戦いが決するか否かの状況で唐突に現れた上位種族の少年。
絶望的情景、魔王の四肢切断という強烈なインパクト、そして上位種族の少年の理解不能な恐怖感もゲーム開始10分で全部理解できてしまう。
しかもBGMは前作と同じですからテンションも上がるってもの。
グロ描写を最大の強みとする為に、強みを活かす物語の分かりやすさ。
ただそれだけでなく、最後までクリアすると虚無の感情を味わう奥深さもあったので、この項目ではそれぞれのエンディングについて語ります。


★魔王生還・世界復興エンド

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誇り高き魔王様のプライドがへし折れ上位種族の少年に屈服し、恐怖に堕ちていくのが最大の見どころとなったこのルート。
とにかく魔王様の内面描写が生々しく、彼女の魔王になる経緯も明かされた為、ついつい感情移入してしまいました。
そして心に負ったダメージも大。
まぁそれは別の理由もありましたが‥‥。

まさかのスカ要員だった魔王様(号泣)

しんどかったー。まじでしんどかった。
なんていうか、心ってこうやって折れるんだなって理解させられたような感覚です。
彼女のバックボーンを知れば尚更に辛い。
たまたま脅威の生命力という特異体質を持っていたことで、望まれて魔王となった一人の少女。
魔族の期待を一人で背負い込んだ優しい少女なんですよね。
彼女の誇りの源は「みんなが安心して暮らせる世界を作りたい」という思い。
魔族の未来の為という高い志と、魔王である誇りをもって魔族を率いてきたわけです。
このバックボーンを知ってしまえば魔王に対してどうやっても感情移入してしまったんですよ。

その誇り高きプライドは少年の残虐非道な猟奇的行為にも屈せず、必死に耐え忍ぶほどの強い意志。
四肢をもがれ首輪付きのペットのように扱われてもその誇りは揺るがない。
乳首に釘を打たれようが、乳房を潰されようが、杭で打たれようが、角を折られようが屈しない。

でも、スカはダメだった‥‥。

ここでスカの内容に触れるのはいかがなものかと思うのであえて割愛させていただきますが、なんたってライターが和泉万夜さんですからね。

そりゃもうぶりぶりでしたよ。ぶりぶり。

CLOCK UPの『euphoria』ばりのぶりぶりシーン以降、だんだんプライドが磨耗して精神が侵され始めてからが真の地獄の始まり。

そして槍串刺しからの杭打ちシーンで、痛い痛い痛いという心の断末魔は壮絶を極め、高い生命力だからこそ終わらない苦痛と絶望が常軌を逸していました。

「こんな丈夫な身体に生まれてきたくなかった」と出自を呪う言葉が悲壮感を爆上げし、魔王の誇りが空前の灯火になってしまっている事を見せつけられて胸が苦しいのなんのって。

そしてその後に生き返ってから心が完全に陥落。
ごめんなさい、殺さないで、酷い事しないでと怯える魔王にかつての誇り高き姿は一切無く、ただただ怯える一人の女の子の姿。
そして新たに生まれた歪んだ萌属性。

ごめんなさいっていう魔王様‥‥可愛い‥‥。

圧倒的な力にひれ伏し、気絶するほどの快楽を貪る魔王がどうしようもなく可愛いと思ってしまう自分にドン引きしながらも、本作の推しヒロインは魔王って心に誓うことにw

このルートでの一連の展開は、魔王の心の機微を丁寧に見せてくれたからこそ実現した地獄なので、希望をフラグを確実に折っていく陵辱ものの王道を貫徹した美学があったと思います。

さて、忘れてはいけないのはエピローグ。
上位種族が去った後、魔王が中心となり世界が復興されていく希望が示された後味の良いものとなるかと思いきや、抱えた心の闇は相当のものだったようで‥‥。
ノリノリでウルティナとルシャに復讐する魔王の姿を見て思ったんですよね。

最終的に最も恐怖するのは狂気に堕ちる感情や心そのものであるって事を。

この後味の悪さこそ望んでいた絶望的帰結だったので、素晴らしいエンディングだったと結論付けます。
魔王のお腹に抱えた新たな命がどんな絶望を見せてくれるのか。もし続編があるならば是非エピソードに取り入れて欲しいと思います。



★ルシャ自業自得エンド

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切ないですね、このエンディングは。
言語化するのが難しい感情、喪失感を味わうことになりました。
ルシャを守りたいというウルティナの高潔な精神が最後まで貫かれたからこそ味わう喪失感であったとも感じます。

主従の関係性が歪んでいく様が良かったですね。
ルシャの軽率さと思慮の浅さ、ワガママぶりが絶望に繋がっていくという分かりやすい展開で、率直な感想を言えば自業自得だよねって。

ルシャの痛みを快楽と感じてしまう快楽依存は麻薬の如く。
快楽のために誰よりも大事なウルティナを邪魔もの扱いして追い出し、その自らの行為のツケを支払わせられる地獄は可哀想ながらも擁護できず。

ひたすら後悔するルシャの姿は見たかった絶望展開。ウルティナの大切さを思い知りる事で自らの行いに懺悔し、赦しを懇願するルシャに現れた偽りのウルティナ。
崖からの転落死という顛末は、愚かな姫に訪れた当然の帰結。

もうこれは仕方ないよね‥‥。

グロ表現以上にこれまでの心理描写がエグいので、精神的ダメージを味わいました。

ただ素晴らしかったのはここから。
エピローグでのウルティナとかつて姫であった少女の白骨の邂逅。
もちろんウルティナはその白骨がルシャであるとは気づかないわけで。

生存したウルティナが探し続けているルシャの最期の邂逅は、やるせなさが感情を支配します。
この感情の置き場が定まらない感覚は前作では体験出来なかった喪失感で、素晴らしい帰結であったと思います。
エピローグだけで見れば一番好きかもしれません。




★ウルティナ愛憎エンド

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物語の展開だけでいえば一番面白かったのがこのルートでした。
主従の関係性の歪みが抜群に上手く描写されているのも素晴らしく、ルシャのルートと対になっているようにも感じましたね。

このルートが描いたのは究極のストックホルム症候群のような展開。
恐怖が支配するの中で芽生えた少年に対する理解不能な愛。
上位種族の少年の悪趣味具合も抜群に機能していたと思います。
心を支配し正常な判断を鈍らせて、最後に究極の絶望を突きつける。
グロ表現の過激さだけでなく、心理描写の巧みさが一番際立っていたルートとも言えるでしょう。

それにしてもウルティナさん、チョロイン過ぎません?

少年のキスでほぼ陥落してましたよね。
強い騎士である自分が唯一弱い一人の女性でいられる開放感と高揚感は、己の高潔な精神すら侵したわけです。
ルシャに嫉妬している自らを恥じながらも、やはり悪魔の誘惑には勝てないという本性。
恐怖よりも愛情の割合が大きくなったらもうゲームセット。
上位種族の少年とイチャイチャしているウルティナさん可愛いけど、この先絶対何かあるよって不安と期待が入り混じり素直にウルティナさん萌え!って言えない悲しさ。

ウルティナさん終了のお知らせです(泣)

シーンのプレイ内容も壮絶かつ常軌を逸した少年のドS攻めで、過激ながらも一番エロスを感じるものでした。
快楽に堕ちていくウルティナの卑しくも醜いギャップこそ、最大の見どころであったと言っても過言ではないはず。

自らの判断も曖昧な状態で教育と称し、ルシャに鞭を打つウルティナの愉悦は歪さの極みで、もうこれはダメだと悟りました。
ルシャが真実を知って絶望する様もなかなか行幸。
まさに隙なし。
愛が憎しみを呼び、精神を侵していく展開はある意味でNTRものみたいですよね。

追い詰められたルシャの心が折れてしまう描写も素晴らしく、首を吊ってしまう一連の流れも完璧。
全く救いが無いです。
やはり精神が侵され、希望のフラグがポキっと折られる絶望が何より甘美なものなんですよ。
魔王ルート同様に心の機微が丁寧に描写されてるからこそ、その分絶望は熟しきって地面にボトっと落ちて朽ち果てていくんです。
悲しい事に醜いんですよ。

これが最大限に発揮されたのがエピローグでしょう。自らの命を賭けて懇願したルシャに槍でつかれ絶命する。
ウルティナの立場からすればどこまでも救いがなく、ルシャの立場からすれば一番会いたいと望んだウルティナに気づく事なく手をかけてしまう皮肉。
なかなかに狂った救えないエンドに拍手でした。



★ウルティナ快楽堕ちエンド

なんていうか、おまけエンドかな?
例えるならばアペンドディスクのような感じって感想ですね。
ウルティナ愛憎エンドが本筋で、あくまで派生した物語って印象です。
肉体改造の感度倍増にフタナリってジャンル変わったかと思いましたしwこの設定を設けたなら、プレイヤー側の期待としてはやはりウルティナとルシャの絡みですよね。

さすがは分かり手ブランド。
ちゃんと見せてくれたので大満足。

これ見せるためにルート設定してるだろ!って突っ込みたくなるくらい。
でも物語の整合性は取れているので、ただ適当に取り入れましたではなく、ちゃんと熟考された上で取り入れられた印象を抱きました。
他にも展開無視の特殊な状況とプレイ内容は、ありとあらゆる性癖に対応しました!という、制作サイドの慈悲深さを感じざるを得ません。
これはこれでありですね。


★TRUEエンド

前作プレイ済みの方ならばエモさを感じずにはいられない帰結でしたね。
物語の展開だけ追えばあっけないように感じますが、前作に登場した上位種族の男が上位種族の少年に直接引導を渡すっていうのは予想外で驚きました。
みんなが助かり希望が残るエンドなので、TRUEエンドと言っていいでしょう。

印象的だったのは人間と魔族の理由なき戦いが、かつての上位種族の侵攻が原因だったというエピソードでしょうか。
人間も魔族もなぜ戦っていたのかのという異世界の理に触れるもので、情報伝達されなかったことこそが誤解の原因となっていたという真実。
最後の最後にここに繋げてくるかと驚くと同時に感動すらしました。
だって原因が分かっているからこそ、希望は輝くと未来予想図が見えますから。
蹂躙された命を弔い、残った命は種族を超えて結束していくだろうという未来が見れたことは素晴らしいですよね。
絶望的展開を望んではいますが、こういう意味がある希望エンドはウェルカムです。

そして、上位種族の男が次の世界に訪れた先が‥‥ってのが最大のエモでした。
前作と本作が線で結ばれた素晴らしいエピローグでした。

余談ですが、上位種族という存在について考察が捗りましたね。
命を喰らい尽くし、次の世界を渡るって生命量のコントロールを司るような働き。
これってもし創造主として神が存在するのならば、上位種族は天使ポジションですよね。
どんな理由かは分かりませんが、命の総量を一定にする役割を担っているように感じます。
まぁ、考察なんて正直必要ない作品ですがそう思ったので一応。
もしかしたらこの設定が次回作に繋がったりしませんかね‥‥?
戯言です。すいません。


★ふろん寄生エンド

TRUEエンドから派生したBADエンドという印象を持ちました。上位種族の少年を打倒するも、みんな死んでますから。
ふろんの正体が判明してからは結構急展開でやや味気ないですが、ウルティナや魔王、ルシャと上位種族の少年の死体に寄生して融合を果たすという顛末はBADエンドのようで不思議な魅力があります。

印象的なのは最後のCGですよね。
キメラのような姿となった自分に気づかないふろんってのも切ない。
待ち合わせと約束したその場所で、来ない仲間を待ち続ける。これは切な過ぎますよ。
本作の素晴らしい点は、言葉にならない喪失感を味わうって事なのかなって改めて感じる帰結でした。


▪️最後にまとめ

ダーク方面のありとあらゆる残虐性を取り入れた狂気に満ちた傑作と言えるでしょう。グロリョナ系作品はまだまだ初心者なので、過剰反応してしまっている可能性もありますが、それでもダイレクトに心を抉ってくる感覚は稀有であったと感じています。

これ以上のヤバいってもうどんだけヤバいのか想像できません!

同じ文脈の過去の2作を正統進化させ、エンターテイメント性を加えた素晴らしい作品であったと結論付けさせていただきます。
明らかに次の作品のハードルは上がりましたね。
それでもファンとしては本作を超えるのではという期待をして、このあたりで感想を締めせていただきます。

とんでもないモンスター作品を世に送り出してくれたバグシステムの皆様、作品に関わられた全ての方に感謝を。
また、この感想にお付き合いくださったあなたにも最大限の感謝を。
ありがとうございました。

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