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【感想】同級生2リメイク

ブランド : FG REMAKE
発売日 : 2024-06-28
原画 : すめらぎ琥珀

⚠️ここからネタバレあり⚠️







▪️ネタバレ感想

同級生2とは”体験する恋愛ドラマ”
elfが誇る傑作であり、マスターピースにして伝説。

★はじめに

エロゲ界に煌々と輝く伝説の一つ、同級生2がリメイクとして蘇りました。
あまりにも有名なタイトルのため、内容は知らなくても作品名は聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

1995年の作品なので、さすがにオリジナル版に触れたことはありませんが、かなり後追いでPSやSSなどコンシューマに移植されたものをプレイしました。
全年齢のPS版をプレイした後、ちょっとエッチな要素も踏襲されたSS版も手にしてプレイした記憶があります。

当時のSS版は「18歳以上推奨」という、今となっては何だそれ?レーティングが存在し、少年たちはゲーム雑誌でエロい作品の原画を眺めては悶々とした思いを抱えたものでした。
今振り返ってみると良い思い出ですね。

「 X指定18歳以上」だったり「年齢制限18歳以上」というレーティングもありましたね。
『ドラゴンナイト4』とか『野々村病院の人々』とか。あぁ懐かしい。
自分にとって傑作の『EVE burst error』や『YUーNO』もそうですね。

当時は夢中にプレイするも、攻略難易度が異常だったのでオールクリアには至らず。
フラグを立てては場所と時間のメモを取り、延々プレイしてもクリア出来ない‥‥。
それこそ一生プレイしてるんじゃないかと錯覚するほどプレイしたと思います。そして途中で投げ出して‥‥。

さて、今回はその思い出の作品に向き合いながらも、苦行のクラシックモードではなく、精神的安定を保つイージーモードに日和ってプレイした感想を残させていただきます。
クラシックモードはね、もうしんどいw

また、この感想記事は過去との比較がメインではなく、あくまで作品自体についての感想です。
日和ったプレイスタイルで大変恐縮ですが、どうぞお付き合いください。



★未来からきたオーパーツ

オリジナル版の発売は1995年1月31日。
今から29年も前まで遡ります。
美少女ゲームの変遷を伝え知るに偉大な貢献をした同人漫画『16bitセンセーション』でも同級生2が取り上げられていました。
同作者の若木民喜先生が語るには、発売当時の熱狂は凄まじいものだったようで、グラフィック、音楽、ボリューム、ストーリー、システムと全てが当時のゲーム水準を大きく超えていたとありました。

あまりにも驚異的なクオリティで、もはや宇宙人が作ったゲームなのではと思ったともあり、ここまでくれば好みとかは関係なしに、当時の9801ユーザーはみんなプレイしていたのではと振り返っています。

実際にセールス成績は驚異的なもので、後の美少女ゲーム業界に大きな影響を与え、ヒロインの唯はその後数年間の人気投票で絶対女王に君臨し、桜子シナリオは美少女ゲームの感動シナリオの雛形にもなったと語っています。

もちろんそんな当時の熱狂を生では体験してませんし、あくまで過去の栄光として語られたものを知識として知っている程度ですが、同級生2を今でも支持する現役クリエイターがいる事実が存在価値を決定付けている思えます。
今回のリメイクの原画を担当されたすめらぎ琥珀さんも、もともと同級生2の大ファンであったようですし。

この後、KeyやLeafが時代の寵児となり美少女ゲームは黄金期を迎えます。
その意味でも、本作のような偉大な作品を知ることは、嗜好で至高の文化の変遷を知る歴史的な価値があると思うオタクなので、改めて触れることが出来た今回のリメイク版に心からの感謝を述べたいと思います。



★すめらぎ琥珀さんの新ビジュアル

完璧です。最高です。ありがとうございます。
オリジナル版の竹井正樹さんの原画に思い入れがあり慣れ親しんでいても、すめらぎ琥珀さんのリメイク原画は至高であったと言えるでしょう。
オリジナル原画へのリスペクトを感じます。
何より同級生2のファンだったというすめらぎ琥珀先生のバックボーンからも愛を十分に感じられる素敵なビジュアルでした。
特にヒロインの顔面アップは同級生2の思い出ビジュアルだったので感慨深かったです。

FG REMAKE第一弾の『夜勤病棟リメイク』の上田メタヲさんのビジュアルでも思いましたが、抜群に上手い塩梅で思い出のビジュアルが蘇ってくる喜びがありました。
完全なる別物ではなくて、オリジナル原画を見た時と同じ感情を抱かせるような再現度を実現させながら、上田メタヲさんとすめらぎ琥珀さんの色も加わっている。

もちろん個人的な感覚ではありますが、肯定的に受け取っている往年のファンの方が多いように感じますし、新たに作品に触れる方にも間口が広く感じます。
そして何よりも過去の素晴らしい芸術や文化が踏襲されつつ、さらに今の時代感が加わる革新があった事に大きな意味を感じています。
本当にありがとうございます。




★この時代の主人公はカッコいい

この時代の主人公ってみんな強気でカッコいいですよね。
陰的な主人公ではなく陽の主人公と言いますか。
ケンカは強いし、バカでスケベだけど地頭が良いので要領は良いし。
そのくせ分かりにくいけど優しさに溢れ、やっぱり女の子にモテモテ。
自分を含めたオタクたちの”なりたい姿の具現化”こそ主人公であったと思うんです。
他作品ですがEVEの小次郎やまりな、YU-NOのたくやも同じように痺れるほどカッコ良かったんです。
これは憧れのような感情を抱くもので、強烈に作品に惹かれるきっかけの一つになっていたんだろうと思います。

本作に話を戻せば、主人公はあくまでプレイヤー自身。
コンシューマ版でプレイしていた時は、これから始まる恋愛ドラマを自分が体験するんだという感覚や、探索型MAPで街を歩き回りヒロインたちに出会うたび、フラグを立てるたびに自分ごとのように錯覚できたのも思い入れが大きくなる要因でした。

今回のリメイク版では、さすがにそこまで主人公と自分がリンクするような没入はありませんでしたが、それでも自分の手で動かしてるんだという感覚は没入する重要な要素です。
近年のビジュアルノベル作品では体験できないものなので、やはり魅力的に感じます。

ちなみに名前はデフォルト名のまま「りゅうのすけ」でプレイしました。
やっぱりこの名前が大事だったんですよね。
名前に変えるのも良いですが、同級生2の主人公の名前はりゅうのすけで刷り込まれているので、今更名前を変えるに至りませんでした。
ノスタルジーですよ、ほんと。



★ヒロインを攻略する楽しさ

コンシューマ版ではオールクリア出来なかったので、今回のリメイクでは絶対オールクリアするぞという強い意志を持ってプレイを始めました。
イージーモードで‥‥。

本当にすいません!
クラシックモードだと投げ出す自信があったのでw

というか、イージーモードだったとしても時間がみるみる溶ける感覚がありました。
街を探索してヒロインと会話を重ね、フラグを立てては回収してヒロインに寄り添っていく。
理論では簡単ですが、これがなかなかに難しい。

実は最初同時攻略を狙って6股進行しましたが、途中でフラグ管理がこんがらがってまたやり直しになってしまいました。
一人のヒロインを追っかけるだけではダメで、そのヒロインとの恋愛ドラマに必要なフラグは別キャラが持ってたりとか。

唯の攻略では西御寺と会話をする必要がありますし、友美の攻略ではクソメガネデブ野郎のフラグが必要ですし、いずみの場合は洋子とあきらの温泉旅行が絡んできますし。
とにかく複雑。これをノーヒントで攻略するって凄まじい難易度だと思うんですよね。オリジナル版を攻略した当時の先輩プレイヤーたちには敬意を表したい。

まぁ、だったらヒロイン一人一人攻略すれば良いじゃんってなるわけですが、せっかく攻略性の高いゲームシステムなんですから、同時進行して落としていくっていうのが醍醐味だと思うんですよね。
そして1月7日の始業式に複数人に告白されては「ごめんね」とヒロインの純粋な想いに背を向け、本命ヒロインの気持ちを受け入れる。そしてセーブポイントから再び1月7日を繰り返すw

自分の場合は3人同時攻略を基本として進行しました。3人ならまだ優しい方じゃない?とか思ってましたが、これが意外と難しい。
プレイしながら何度かセーブポイントに戻ってやり直し、深夜時間に現れる伝説の変態、怒り野ボツ子女史にヒントを貰いながらコツコツ頑張りました。

半分くらいのヒロインを攻略した時でしょうか。
あまりにもアホすぎる凄い見落としに気づきました。

フラグジャンプ機能て‥‥まじかよ?チートか?

フラグのスケジュールの星をクリックしたら、そのイベントにジャンプできる機能を後から発見。
この機能を使えば時間を進めるために部屋に戻る必要もないし、ヒロインイベントのバッティングも回避できるし、神機能すぎるじゃないかと嘆いたものです。でも、攻略の楽しさは半減してしまうので時間を進めたい時のみ使用することにしました。
(詰まってイベントが発生しない時は数回使用)
そのおかげで、ヒロイン攻略の後半戦は効率を伴ってプレイすることが出来ました。



★罪深き主人公の所業

ヒロイン同時攻略とは、複数ヒロインのフラグを同時に立てていくこと。
ゲームなので攻略として当たり前ですが、これが現実だったら主人公は稀代の女ったらしです。
可憐と保健室で結ばれた次の日に、美沙と遊園地デートを楽しんでからのホテルでベッドイン。
はたまた、美沙子さんに想いをぶつけて美しく熟れた裸体を貪った同日には、自室で桜子と身体を重ねる。
他にも愛美と美鈴も同時攻略でしたね。
(ここは数回フラグジャンプ機能を使用しました)

なんだこいつ、天然の鬼畜か?

って、主人公はプレイヤー自身なので自分の所業に戦慄することに。
もちろんゲームですしフィクションなので何も問題無いですが、気持ちが入ってくると例えゲームであったとしても後ろめたさのようなものを感じていました。
個人的に思い出のヒロインである桜子は単独で攻略すれば良かったのでしょうが、美沙子さんを攻略するには桜子ルートを進める必要があったので仕方なかったんですよね。

必然的に1月7日に美沙子さんのエピローグを見るために、桜子を振るという選択肢を選ばざるを得なくなって頭抱えたわけですが。
心の中でさめざめと涙を流しながら震える指でクリックしましたよ。

ここに挙げたのはほんの一例で、攻略を進める中で大なり小なり主人公の純粋な歪みを楽しんでいましたって話でした。




★ヒロインとの恋愛ドラマはダイジェスト

同級生2が発売当時に注目された一つがドラマ性、つまりストーリーが良かったというのが大きな要因でした。
ただ、その後の作品や今の時代の作品と比較すれば、ヒロインの恋愛シナリオはどんどん深掘り含めパワーアップされているため薄味のシナリオにも思えてしまいます。
まぁこれは仕方ないことで、本作は決してノベルゲームではなく、ゲーム性とドラマ性を両立させた恋愛アドベンチャーだったことが何より重要でした。
その為ヒロインとのイベントはあくまでダイジェスト。濃縮されたボーイミーツガール。

きっとゲームでは語られなかったヒロインたちそれぞれの募る想い、不安や葛藤、恋を知った喜びがあったはずなんです。
それは脳内で補完するが正しいわけで、エピローグでも語られたように、愛し合う二人にとっての大切な時間。
ここに作品の深みがあるように思えます。

そのエピローグですが、なんていうか、凄いですね。
コンシューマ版でプレイしていた時は気にならなかったんですが、洋子の妊娠騙しとか、久美子は旅館を継がず都会で主人公と美容室を始めたりとかツッコミどころ満載。
でも、写真のように演出されるビジュアルがエモすぎてなんか細かい事なんてどうでも良くなってしまいます。
とても新鮮な気持ちで向き合うことが出来ました。

ちなみにコンシューマ版のエンディング曲「春を待つ季節」が好きだったので、リメイク版でも聴きたかったなーと思ってましたが叶わず。
ぜひ唯役の秋野花さん歌唱で聴いてみたかったです。

余談ですが、おまけの『卒業生』はヒロインを補完する意味で大きな価値があったと思います。
特にみのりと愛美は主人公視点では知り得なかった愛らしさや、弱ヤンデレ感があって良かったです。
もしもダメ男を好きになったら、ゲームのジャンルが変わるくらいの堕ち方しそうで少し怖かったですし、正直言えばめっちゃくちゃその展開見てみたい。
二次創作するに美味しいネタがゴロゴロ転がっていました。



★思い出のヒロイン唯と桜子

唯と桜子のルートはコンシューマ版で何度も何度もクリアしてはエピローグの写真を眺めていただけに、とにかくエモーショナルすぎて胸の中が疼くような感覚に包まれながらプレイしていました。

内容としては王道で、今となっては見たことある展開ですし先も読めてしまう。
でも、自分にとってそれは瑣末な事で、ストーリーがどうとかっていうよりも、思い出のヒロインと再び巡り合い結ばれたっていう事が何よりも満足感がありました。

キャストさんも変わった事に違和感が出るかもなーとか不安があったんですが、実際プレイしたらそんな心配なんて杞憂で、すんなり受け入れることができました。
秋野花さんの唯はより等身大で幼さと愛らしさを、小倉結衣さんの桜子は儚さの中に甘さが加わったような優しさを。
今の時代らしい雰囲気を纏った素敵な声は新たな魅力とも感じることができたので、改めて今回のリメイク版をプレイして良かったなと思えることができました。



★えっちシーンについて

エロを目的としていないえっちシーンとでも言えば良いでしょうか。
美里や美玲のように強引な展開で始まる場合もありましたが、物語で必要な演出の一つとして使われていた印象です。
なんたって最後まで合体しない場合もありましたし。その分おまけではしっかりえっちシーンを見せてくれましたけどね。

このえっちシーンに関して個人的見解を述べれば、ADVモードという新要素が実装されたとしても、素直にポイントトゥクリックで楽しむのが良いでしょう。
むしろこれこそ醍醐味じゃないでしょうか。
ヒロインの髪にカーソルを合わせて撫で、顔にカーソルを合わせて見惚れて、唇にカーソルを合わせてキスをする。
そしていよいよ胸に触れてドキドキし、衣服をちょっとずつ脱がせて生唾を飲み込み、パンツを無限にクリックして悦に浸る。
特に唯と桜子と愛美さんの服を脱がして下着姿になるイベントCGは素晴らしすぎて、それこそ天高く拳を振り上げました。

え?ヤバいやつだって?知らんがなそんな事!!
だってみんなやったでしょ?
え?やらないの?嘘でしょ??

はい、みなさん同じように楽しんだということで。
可愛らしくも純粋な想いを交換する精神的に満たされたエロスがそこにはありました。

これはえっちシーンだけでなく、全てのイベントシーンで同じことが言えるわけで。

美沙のテニスイベントシーンとか。
パンモロのクリック連打は礼儀作法の一つです。


とにかくロマンと言いますか、ヒロインのいじらしさと言いますか、今の時代のえっちシーンとはかなり趣が違うので、あくまで自分で進めながら探っていく楽しさがありました。
文章も官能小説のような表現に感じますし、青春の生々しさが赤裸々に描かれていたと思います。

おまけえっちシーンはとても現代的ですね。
慣れ親しんだえっちシーンの様相だったのも2度楽しめたので非常に良かったです。



▪️最後にまとめ

伝説として語られた名作は、今の時代でも尚のこと輝く名作であった。
いや、名作とか美少女ゲームの歴史とか関係なく、純粋に良い作品でした。
思い出補正が含まれていることは否定しませんが、それでもやはり素晴らしい作品であったと結論付けさせていただきます。

コンシューマ版で楽しんでいた時の色々な感情が頭をよぎり、当時を振り返りながら本当に楽しくプレイ出来ました。
そして、今回のリメイクにてようやくオールクリア出来たので、ようやく自分の同級生2を終えることが出来たように思えます。
当時の自分に十数年後にクリアするんだよと伝えてやりたいですね。

今回改めてプレイして、唯と桜子への思いを確認すると同時に、新たに魅力的なヒロインに気付けたことも大きな収穫でした。
幼い頃の自分には、美玲さんや美沙子さんの魅力はよく分からなかったんですよ。
今ならよく分かるので、これも自分の成長?という事で。

最後に謝辞を。
のちに歴史的名作と語り継がれる作品を作ってくださった当時elfで制作されたスタッフの皆様、今の時代に名作を蘇らせてくれたFG REMAKEの皆様、作品に関わられた全ての方に感謝を。
そして、最後までこの感想にお付き合いくださったあなたにも最大限の感謝を。
ありがとうございました。

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