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ロニー・バーケットのマリオネット

金曜日には、カナダでも有名なパペティアー(操り人形師)ロニー・バーケットのショウを観てきた。この人は今はオンタリオに住んでいるんだけど、世界中で独特の人形劇をやっている。何故かビクトリアに来るのはかれこれ20年ぶりとかで、期待も高まり連日売り切れ続出満員御礼のショウであった。

20年前には私もカナダにいなかったので、もちろん私は彼のショウを観るのは今回は初めてだったものの、まさに伝説なみに人気の人形劇だそうで、みんなから、「絶対に見逃すな」と言われていたのである。

人形劇とは言っても子供むけでは全くなく、16歳以上でないと入場できない大人の人形劇である。ロニーが全ての人形を制作し、今回の「デイジー・シアター」という作品では40ものちがったキャラクターがいる。すごいのはこれを操るのはロニー一人で、観客は彼が各人形を操るところも見ながら一人一人のキャラクターの場面を楽しむのである。

世界中で公演しているプロとあって、全てのキャラクターを恐ろしいほどに声を変えて演じきる。時折人形から手を離して客席に向かって話しもするロニーは、典型的なおしゃべりなゲイのおじさんだが、とにかく話が面白いのでどんどん引き込まれる。

大人向けのショウということで、政治、経済、性に関するブラックジョークが満載。「ビクトリアはヒッピーばかりでマリファナの臭い」なんて言われても観客が大喜び。

また彼の作る人形のキャラクターがすごい。彼のサイトをみてもらえればどんな人形かよくわかると思うけど、結構リアルにできている。

キャラクターも、「羽がないけど妖精になりたいShnitzel」から、ロサンゼルスでショウビジネスをやっていたものの、もうろくしかけている腹話術師のメイヤー・レモン氏、「カナダでもっとも年寄りでもっともひどい女優」など、一癖も二癖もあるキャラばかり。

さらにこのショウは殆どアドリブなので、毎日観に行っても違ったショウが見れる。そして必ず観客を一人ステージに上がらせる。

私が観た日はバーレスクもあった。そう、操り人形が一枚づつ衣装を脱いでいくのである。操り師のロニーがちゃんと見えているのだが、それでもその自然な動きには人形に本当に魂が宿ったように見えてくる。

ショウはいわゆるVaudeville、またはバラエティショウというスタイルで、それぞれのキャラクターが出てきて歌を歌ったり、話をしたりするのだが全て面白く、そして時には哀しく、またとんでもなく不適切。もちろん観客は大喜び。

写真はショウのあとに撮らせてもらった彼の人形の一部。右から二体目はJ.C。誰かわかりますよね?

日本にツアーに行くかどうかは未定ですが、興味のある方は彼のサイトをチェックしてみて下さい。北米にお住まいの方で、彼のショウが来る際はMust seeです。

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